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中国のIPO市場に天井感が台頭

中国/香港市場において、直近IPO銘柄のなかに公募価格割れor初値割れする銘柄が出てきています。

とくに前評判がよく、ユニコーンと言われていたようなものにそれらが顕著です。

それらはアリババ(Alibaba/阿里巴巴集団)、平安保険(Ping An Insurance)、テンセント(騰訊/Tencent)など知名度の高い大手企業がバックについていたものばかりです。

これらの子会社の不調は、親会社の資産価値にも影響してきます。

 

 

とりあえず、みていきましょう。

ZhongAn Online P & C Insurance Co., Ltd. (衆案在線財産保険)

ネット専業の保険会社です。アリババ、テンセント、平安保険、ソフトバンクビジョンファンドなどが出資してきました。

ただネット保険といっても、ソニー損保など日本のネット保険と異なります。

たとえば、シャオミ(小米/Xiaomi)のスマホ破損に備えた保険だとか、アリババで買った商品の返品料金を保証する保険だとか、シートリップで契約した旅行の旅行遅延保険だとか・・・かなりニッチです。

そういったわけで、同業他社とバリュエーション比較することができず、やたら高い株価でIPOすることになりました。

とりあえず、IPO後の推移は以下です。

 

 

 

 

 

China Literature Ltd (閲文集団)

この会社は、テンセント(騰訊)の電子書籍部門がスピンオフしてできた会社で、香港の著名資産家、李嘉誠氏も支援している企業です。ネット小説をユーザーに書かせて、その版権をもとにしたアニメや映画から収益を稼ぐビジネスのようです。使ったことがないので良くはしりませんが、キンドルストアのネット完結型みたいなものらしいです。

で、この会社のすごいところなんですが、

それはIPO時に集めた資金量です。その金額、なんと

1630億ドル(18兆2600億円)!!!

 

香港のマネタリーベースの75%あまりに相当する額が集まりました。

凄い規模ですw

日本だったら375兆円くらいがIPOにむらがるのとおなじですw

ふつーに考えて、これはバブルです・・・

とりあえず、これも株価を見ておきましょう。

 

まぁ、こうなりますわな。。。

 

 

 

 

Ping An Healthcare and Technology Company Limited(平安健康医療科技)

名前からもわかるとおり、平安保険からスピンオフされた企業です。医療アプリ平安好医生(Ping An Good Doctor)を展開していて、ユーザーと医者をネットを仲介してオンライン診療を行ったり、ユーザーに医療情報を提供したり、保険商品などを提供したり、アットコスメのような通販も展開して稼ぐビジネスになっています。

つい3日ほど前に新規上場したのですが、あまりにもIPO価格が高すぎたため、さっそく二日目にして初値割れ・・・どころか公募価格割れをおこしてしまいましたw

 

 

 

 

 

これからもアリババ、テンセントなどは子会社や事業部門をIPOさせていくつもりのようですが、これだけ初値割れが激しく出ると、IPO市場が冷え込む可能性があります。

それはつまり、子会社の評価額が悪化するということです。

たとえ会計上の引き当てなどが必要でなくても、市場は冷徹に評価を下すでしょう。

 

 

いま起きているIPO市場の不調は、テンセント、アリババ、平安保険などの評価にはネガティブに働きます。

これら三つの企業は中国株に投資する人々にとって非常に人気のある銘柄ですが、投資する際にはここらへんの事情も判断材料に含めて考えた方が良いのではないかと思います。

以上です。

 

 

なお、上記はあくまでも中卒くん個人の見通しであり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資に当たっては自己責任・自己判断でお願いいたします。