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小売大手イオンの業績と株価~株主優待(イオンオーナーズカード)で割高感漂う

小売大手イオンの業績を短評~株主優待(イオン株主優待カード/イオンオーナーズカード)の影響で株価には割高感~

 

今回はスーパーマーケットや総合スーパー、ショッピングモールなどを運営する日本の小売業大手イオンについてみてみます。

 

とりあえず、イオンの会社説明から始めます。

 


小売大手イオンとは?

 

イオン(AEON)とは、日本国内、中国、アセアン地域などで総合スーパー(GMS)やスーパーマーケット(SM)を展開する小売業大手の持ち株企業です。

イオンは非常にたくさんの小売企業を傘下に抱えています。(各子会社はセグメントが変更になる場合があるので、このリストは間違っている場合があります。詳しくはイオンのホームページでご確認ください。)

 

 

 

GMS事業(総合スーパー)

  • イオンリテール
  • イオン北海道
  • サンデー
  • イオン九州
  • イオンスーパーセンター
  • イオンバイク
  • イオンベーカリー
  • イオンリカー
  • イオン琉球
  • トップバリュコレクション
  • 清水商事
  • ボンベルタ
  • オリジン東秀

 

 

 

 

SM事業(スーパーマーケット) DS事業(ディスカウント)

  • ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス
    • マックスバリュ関東 –
    • マルエツ
    • カスミ
  • マックスバリュ北海道
  • マックスバリュ東北
  • マックスバリュ北陸
  • マックスバリュ東海
  • マックスバリュ中部
  • 光洋
  • マックスバリュ西日本
  • マックスバリュ九州
  • いなげや
  • ベルク
  • アコレ
  • イオンビッグ
  • イオンマーケット
  • マルナカ
  • 山陽マルナカ
  • ダイエー
    • ビッグ・エー
    • ビッグ・エー関西
  •  マックスバリュ南東北
  • マックスバリュ長野
  • レッドキャベツ
  • ビオセボン・ジャパン
  • ミニストップ
  • まいばすけっと

 

 

 

 

ヘルス&ウエルネス事業

  • ツルハホールディングス
    • ツルハ
    • くすりの福太郎
    • ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本(ウェルネス・ウォンツ)
    • レデイ薬局
    • 杏林堂薬局
    • ビー・アンド・ディー
  • ウエルシアホールディングス株式会社
    • ウエルシア薬局株式会社(ウエルシア・ハックドラッグ)
    • シミズ薬品株式会社(ウエルシアダックスなど)
    • 丸大サクラヰ薬局(ハッピードラッグ)
    • 一本堂
  • ウェルパーク
  • クスリのアオキホールディングス
  • ザグザグ
  • クスリのマルエ(マルエドラッグ)
  • メディカル一光

 

 

 

金融事業

  • イオンフィナンシャルサービス
    • イオンクレジットサービス
      • ACSリース
    • イオン銀行
      • イオン保険サービス
    • イオン住宅ローンサービス
    • イオンプロダクトファイナンス
  • イオン・リートマネジメント
  • フェリカポケットマーケティング
  • 日本リテールファンド投資法人
  • イオンクレジットサービス(アジア)
  • イオンザナシンシップ(タイランド)
  • イオンクレジットサービス(マレーシア)

 

 

 

 

デベロッパー事業

  • イオンモール
    • OPA
  • イオンタウン
  • マリンピア
  • 松阪商業開発 /松阪ショッピングセンターマーム(MARM)
  • 津南郊ショッピングセンター/イオン津南ショッピングセンターサンバレー
  • 下田タウン/イオンモール下田
  • 日和田ショッピングモール /ショッピングモールフェスタ

 

 

 

 

 

サービス事業

  • イオンディライト
    • イオンディライトアカデミー
    • イオンディライトセキュリティ
    • カジタク –
    • イオンコンパス
  • イオンファンタジー
  • ツヴァイ
  • イオンイーハート
  • イオンエンターテイメント
  • イオンカルチャー
  • イオンライフ
  • リフォームスタジオ

 

 

 

専門店事業

  • ジーフット
  • コックス
  • タカキュー
  • アビリティーズジャスコ
  • イオンフォレスト
  • イオンペット
  • イオンボディ
  • クレアーズ日本
  • コスメーム
  • タルボットジャパン
  • ブランシェス
  • 未来屋書店 –
  • メガスポーツ
  • メガペトロ
  • ローラアシュレイジャパン
  • ATジャパン
  • R.O.U

 

 

 

デジタル事業

  • イオンドットコム

 

 

 

国際事業

  • イオンストアーズ香港
  • イオンチャイナ
  • イオン華南
  • イオン華東
  • イオン湖北
  • 北京イオン
  • 広東イオン
  • 青島イオン東泰
  • イオンアジア
  • イオンマレーシア
  • イオンビッグマレーシア
  • イオンインデックスリビング
  • イオンカンボジア
  • イオンタイランド
  • イオンインドネシア
  • イオンベトナム
  • ファーストベトナムジョイントスティック
  • ドンハン

 

 

 

 

資産管理会社

  • イオンストア九州

 

 

 

 

関係会社

  • やまや
    • やまや関西
    • チムニー
  • イオンアイビス
  • イオンアグリ創造
  • イオングローバルSCM
  • イオン商品調達
  • イオントップバリュ
  • イオンフードサプライ
  • イオンマーケティング
  • コルドンヴェール
  • 生活品質科学研究所
  • イオンデモンストレーションサービス

日本国外[編集]

  • タスマニアフィードロット

 

以上、非常に多くの子会社があることからセグメントを間違えて掲載しているものもあるかもしれません。

詳しくはイオンのホームぺージでご確認ください。


 

イオンの業績

 

ここからはイオンの業績についてみていきます。

使う資料はイオンが公表している決算短信や補足説明資料などです。

 

イオンの2018年Q3決算の業績

(以下は2019年1月10日に書きました)

ここもと改善傾向を示していたGMS事業はマイナスに転じる。

ヘルス&ウェルネスも傘下ドラッグストアの息切れで弱い。

金融事業とディベロッパー事業の成長で本業のマイナスを補う構図に逆戻り。

ASEAN地域で展開している国際事業は、まだ損益はマイナスだが、軌道に乗り始めている。

 

 

 

 

 

 


 

イオンの2018年Q2決算の業績

(以下は2018年10月16日に書きました)

まずは決算短信を確認してみましょう

 

イオンの2019年2月期第2四半期決算は、営業収益2.3%増、営業利益5.7%増、経常利益6.2%増、四半期純利益150.3%増、潜在株式調整後一株あたり四半期純利益は12.30円、自己資本比率11.4%、一株あたり純資産1332.34円

 

そこそこ好調にみえますが、とりあえず、各セグメントごとにみてみましょう。

 

 

イオンのセグメント別業績

 

イオンのセグメント別業績をみてわかることは、ディベロッパー事業が強い貢献をしていること。

このディベロッパー事業は、イオンモールの所有とテナントリーシング事業などが含まれています。

 

また、ドラッグストアのウェルシアなども好調で、これらが貢献しているヘルス&ウェルネス事業が売上、利益ベースでよく伸びていることもわかります。

イオンのSM事業(食品スーパーマーケット事業)は利益率が非常に低いですが一応は利益が出る状況。

イオンのGMS事業(総合スーパー事業)は赤字を出していますが、以前よりは改善。

なお、GMSはディベロッパー事業と対になる存在ですから、両社合わせて業績を見た方が良いと思います。

 

逆に、今まで稼ぎ頭であったイオンの金融事業が若干マイナスです。

また、イオンの専門店事業も不振となっています。

 

 

次に、イオンの業績を所在地別にみてみましょう。

イオンの業績を所在地別にみると、今期上期に特徴的だったのは、中国事業がようやく黒字化したことだと思います。

また、アセアン地域はとても好調で営業利益が47.1%上昇となっています。

日本事業は逆に、3.9%の減益要因となっています。

 

 

 

この結果、イオンの業績に占める海外比率は上昇中。

イオンの営業収益に占める海外比率は9.0%

イオンの営業利益に占める海外比率は19.1%

 

まで上昇しています。

この傾向は今後も続くとみられ、イオンの経営の軸足がアセアン、アジア諸国に移りつつあることが上記データからはみてとれます。

 

イオンの株価とバリュエーション

最後に、イオンの株価とバリュエーションについてみてみましょう。

イオン株価(8267) 日足

 

イオンは内需株物色への回帰もあり、このところ上昇をしてきました。

業績は以前ほど悪くはありません。改善しつつあります。

2020年2月期通期のアナリストコンセンサスベースでみると、イオンのバリュエーションはPERで52.3倍となっています。

イオンの株価は業績改善を先取りする形で上昇してきており、バリュエーションは相当高い水準になっています。

 

 

イオンの株主優待 (イオン株主優待カード・イオンオーナーズカード)

イオンの高株価の背景には、イオンが発効する株主優待カードの存在があげられます。

100株持っているだけで送られてくるイオンの株主優待カード(イオンオーナーズカード)を使うと、買い物の際に3%のキャッシュバックが行われます。

なお、イオンの株主優待カード(イオンオーナーズカード)は、500株以上で4%、1000株以上で5%、3000株以上で7%のキャッシュバックを受ける権利となりますが、一番お得なのはやはり100株買うだけでしょう。

とりあえず、家族4人、1か月の食費が10万円、他にイオンの系列店やモール、映画館などで月に5万円使うとしましょう。

すると、年間180万円をイオン系列に払うことになり、これをすべてイオンの株主優待カード(イオンオーナーズカード)で支払うと、3%だとしても5万4000円分がキャッシュバックされることになります。

イオン株を100株買うときにかかる金額は25万4000円くらいですから、だいたいこれだけで20%の優待利回りということになります。

イオンの配当がだいたい一株30円、100株だと3000円になりますから、あわせると

(54000+3000)/254000=22.44%

となります。

さらに、「イオンのお客様感謝デー」ならば5%の割引特典が受けられるため、イオンの株主優待カード(イオンオーナーズカード)を呈示するだけで大幅な割引を受けることができることになります。

さらに、1000株以上の保有の場合にはイオンの長期保有株主優待制度があり、年に一度、2000円分のイオンギフトカードが送られてくることになります。

 

というわけで、株主優待カード(イオンオーナーズカード)のようなシステムで「なかなか売らない株主」が存在しており、そのために株価がかなり高い水準に置かれている・・・ように自分は思います。

ぶっちゃけ、まっとうにバリュエーションだけでみたら、イオン株はこの半分でも割高だと思います。

 

 

というわけで今回はイオンの業績と株価、優待をみてみました。

上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資にあたっては自己責任、自己判断で行っていただきますようお願いいたします。