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コンブチャ(紅茶キノコ)のブーム再来~コカ・コーラが豪Mojoを買収

コンブチャ(紅茶キノコ)が世界的にセレブにブーム~Mojoコンブチャを展開する豪オーガニック&ロウ・トレーディング社をコカ・コーラが買収

 

 

日本でも昭和40年代~50年代頃に流行った紅茶キノコですが、いま海外のセレブにコンブチャ(昆布茶)の名称で大ヒットしているのだそうです。

 

先日は、米清涼飲料メーカーのコカ・コーラ社が豪州でMojoコンブチャ(Mojo kombucha)を展開するオーガニック&ロウ・トレーディング社(Organic & Raw Trading)を買収するなど、ビジネス的にも注目のセクターになりつつあるようです。

CocaCola acquires Organic & Raw, maker of Mojo live-culture …

 

というわけで、今回はこのコンブチャについてみていきましょう。


 

コンブチャ(Kombucha)とは?

 

コンブチャとは、日本で昭和40年代から50年代にかけて流行した「紅茶キノコ」と同じものだそうです。

日本で紅茶キノコを味わった英語圏の外国人が、その食感を海藻の昆布と誤解して「コンブチャ」という名称で海外に普及させたのではないか?と言われています。

2010年代半ばあたりから海外セレブの間などで流行になり、「ダイエットやデトックスにオススメ」などと紹介されて爆発的なヒットになったそうです。

 

以下に、「コンブチャ」でネット検索すると出てくるコンブチャの効能紹介ページ(主に女性向け)の記事の内容を要約して書き出してみます。いろいろ突っ込みどころが多いですが・・・

 

コンブチャにはビタミンB1、B2、B6が豊富にある
コンブチャに含まれる乳酸菌が腸内環境(腸内フローラ)を整えて、毒素や老廃物を除去して体内デトックスができる
コンブチャの善玉菌で腸内環境を整えて肌トラブル改善・便秘解消・コレステロール値が低下
コンブチャで冷え性改善
コンブチャに含まれる酢酸は、代謝されるさいにアデノシンを生成し、それが血管拡張効果を持つためカラダぽかぽか、基礎代謝アップでダイエット効果もある
コンブチャは活性酸素の発生を抑制
コンブチャには肌や血管、内臓の老化を防ぐポリフェノールやビタミンCなど抗酸化成分が豊富
コンブチャは美容にいい。アンチエイジング効果がある。リパーゼを阻害して脂肪抑制効果ばつぐん。多くのモデルさん、有名人、セレブも愛飲している。
コンブチャを飲めば体重が減って痩せる。
コンブチャにはビタミン・ミネラル・アミノ酸が豊富。複合的に摂取することで効果アップ
コンブチャは低カロリーでロカボ。食べても太りにくい。ファスティング(短期集中型の絶食ダイエット)にもおすすめ。
1日の食事のうち夜だけをコンブチャに切り替えるなどの置き換えダイエットもオススメ。豊富な栄養素を含むことから海外セレブなども実践。

 

とりあえず、女性が好みそうなキーワードが並びますね。

そりゃヒットしますね。こういうのだれがマーケティングしているんですかね。上手ですね。

ダイエットは現代女性の永遠のテーマですね。

 

 

コンブチャの起源

コンブチャの起源は東モンゴルもしくは中国東北部にあるとされている文献も多いようですが、実際のところははっきりわかっていないそうです。

なお、少なくとも1900年より以前にロシア極東部でコンブチャ(紅茶キノコ)が消費されていたとの報告はあるとのことです。

この紅茶キノコが日本で1970年代に流行り、その後に韓国を経由してアメリカに伝播する過程でコンブチャという名前に変化したとの説があるそうです。

アメリカでは2010年代あたりから人気に火がつきはじめ、今ではヨーグルトと同じくらいの陳列をしているスーパーもあるのだとか。

そのブームが日本にも再上陸し、道端アンジェリカさんや山田優さん、紗栄子さん、後藤真希さんなどがコンブチャを愛飲していることをアピールしたそうです。

「コンブチャは美容や健康に効果的」「コンブチャを飲んで体重減少、ダイエット効果抜群」というふれこみで業者がブームに火をつけたようです。

なんだかいつもの商法な気がしますが、そこは突っ込んだらダメだとおもいます・・・

 

 

 

 

コンブチャの原料および作り方

 

コンブチャの作り方はいたって簡単とのこと。

紅茶やウーロン茶などのお茶に砂糖を入れ、酵母菌とバクテリアでできた菌塊(スコビー/Scoby)を入れて数日置き、発酵させて適度に酸味がでたところで飲み頃になる・・・とのことです。

発酵の過程で産膜性酢酸菌がセルロースゲル状にかたまり、このようにしてできたスコビーがキノコのように見えるようになるため「紅茶キノコ」と呼ばれるようになったそうです。

このように簡単に作れてしまうため、業者としては稼ぎ方を単なるスコビーの販売ではなく、別の手段にみつけたようです。

 

 

 

コンブチャのおすすめの飲み方

 

コンブチャの飲み方は自由だそうです。

そのままコンブチャを飲んでもいいし、炭酸で割ってサッパリと飲んでもいい。

牛乳などにコンブチャを入れて飲むヨーグルトのようにしたり、

ダイエットアイスにコンブチャをかけてシロップのように使ったりもできるとのこと。

グラノーラやシリアルとともにコンブチャを摂取すると、より栄養バランスのいい食事になるとのことです。

 

ちなみに、コンブチャは水素イオン指数でph2.5~2.6程度のものが一般的とのこと。

これ、かなり強烈な酸ですが、そのまま食べるとか大丈夫なんでしょうか。

そうした製品への不安と、面倒臭がりなユーザー(えてしてダイエットをしたがる人は面倒くさがり屋が多いこと)に上手く対応するため、業者はコンブチャを品質管理して販売することでビジネス上の成功を得る方法を開発しました。

 

 

コンブチャクレンズ・ダイエット?

 

コンブチャによるダイエットが流行していることは上で書きましたが、このコンブチャを工場のラインで衛生管理、品質管理し、フレーバーなどを添加したドリンクとして販売されているのがコンブチャクレンズというものだそうです。

しかしこれ、どうにもビジネスの匂いがします。

ただ菌種であるスコビーを売っているだけでは儲からないと思った業者たちが、ドリンクに仕立てて売ることで儲けようとしているだけのような・・・

 

コンブチャクレンズで検索してみると、

「コンブチャクレンズでファスティングをするには?」

「ミランダ・カーも紗栄子もコンブチャクレンズ愛飲中」

「コンブチャクレンズによる好転反応とは?」

「コンブチャクレンズを飲めば基礎代謝が上がって脂肪が燃えて体重が減ってダイエットできる。」

みたいなワードが並びます。

 

 

コカ・コーラ社が今回買収するオーガニック&ロウ・トレーディング社(Organic & Raw Trading)もこういった謳い文句を書いています。

以下は2018年9月26日現在のFood south australiaの会社紹介ページに書かれている内容です。

 

オーストラリアのプロバイオティク飲料のマーケットリーダーであるMOJO社は健康にいいオーガニック炭酸飲料を製造販売しております。
MOJO社のコミットメントは最高のプロバイオティクス炭酸飲料を提供することです。   少量生産で、最高の原料を使用し、健康機能性に特化したプレミアムな商品を製造しています。お客様にプロバイオティックスが豊富な飲料をご提供できるよう注力しております。

弊社のコンブチャ飲料は活性酵素、有機酸、ビタミンB及びプロバイオティクスが詰まった機能性飲料です。MOJOコンブチャは皆様の健康に役立つように作られていますが、決して特異な発酵飲料ではありません。MOJOトニックはソフトドリンクに変わる栄養の詰まった、低糖のプロバイオティクス飲料です。

 

健康にいい、オーガニック、プロバイオティクス、最高の原料、健康機能性に特化、活性酵素、有機酸、ビタミンB、低糖

などのワードが並んでいます。

 

 

近年、コカ・コーラ社は炭酸飲料や清涼飲料の市場が縮小気味なこともあり、勢いの良い新興メーカーの買収に積極的になっています。

今回のオーガニック&ロウ・トレーディング社(Organic & Raw Trading)の買収もその一環として行われたものです。

こうしたものにまで手を出さなければならないほど、本業が苦しいということでしょう。

バフェット銘柄であるコカ・コーラ、だいぶ色あせてきているな、という気がします。