トーヨーカネツの業績と株価~LNGタンク、物流向け仕分けシステム大手
今回は、LNGタンクおよび物流向け仕分けシステム大手のトーヨーカネツの業績と株価をみていきます。
まずはトーヨーカネツの会社説明からはじめましょう。
トーヨーカネツとは?
トーヨーカネツとは、LNG(液化天然ガス)タンクおよび、空港・工場・倉庫などの物流システム・仕分けシステムを製造する企業です。
トーヨーカネツの沿革
1941年に工業用の炉を製造販売する東洋火熱工業を設立
1959年に店頭公開
1969年に現社名であるトーヨーカネツに変更
トーヨーカネツの物流システム事業
トーヨーカネツの物流システム事業は、空港や物流倉庫、工場などの仕分けシステム(ソータ)、搬送システム(ローラーコンベヤ)、ピッキング、保管などのシステムを構築、納入、保守管理する事業です。
トーヨーカネツの物流システムは特に空港向けが強く、国内65か所、海外17か国に納入。国内シェアは9割を超えます。
また、生協の物流システムもトーヨーカネツが手掛けており、シェア7割となっています。
物流システム事業はトーヨーカネツソリューションズとして一度分社化したのち、再度トーヨーカネツに取り込みました。
トーヨーカネツのタンク事業~LNG極低温貯蔵タンクで世界2位のシェア
トーヨーカネツは原油貯蔵タンク、LNG貯蔵タンク、LPG貯蔵タンク、高圧球形タンクなど多種多様なタンクを世界中に作ってきました。
トーヨーカネツの手掛けたタンクは世界中に5700基、LNGタンクのシェアでは国内2位、メンテナンス事業では1位になっています。
とくに極低温タンクなどの高度な製品に強みを持ち、日本のLNG調達の中心的な企業となってきました。
トーヨーカネツの業績
ここからはトーヨーカネツの業績を会社説明資料や決算関連資料などを利用しみていきます。
(この記事は2018年11月11日に書きました)
トーヨーカネツの2019年3月期第2四半期決算の業績は、対前年比で売上高22.6%減、営業利益赤字転落、経常利益87.2%減、四半期純利益91.8%減、1株当たり四半期純利益13.32円、自己資本比率65.7%、1株当たり純資産3876.09円
になりました。
業績が急降下しています。
原因をみていきましょう。
下記はトーヨーカネツの業績をセグメント別にみた表になります。
上が前年、下が今年になります。
物流システム事業、機械・プラント事業(タンク)ともに大きく売上が減少しています。
トップラインが減少して、それがボトムにそのまま響いています。
純粋に、売れなくて固定費賄えずに赤字転落、ということのようです。
以下はトーヨーカネツの業績(受注状況と受注残高状況)です。
昨年通期に比べてトーヨーカネツの受注高、受注残高は回復しています。
前年同期(2Q段階)の受注残高と比較しても
物流システム14561→23008
機械・プラント5778→7718
となっており、トーヨーカネツの受注残は回復傾向となっていることがわかります。
あとは、これがどの程度の利益率で受注しているのか、という問題ではありますが、そこは残念ながらわかりません。
トーヨーカネツの株価
トーヨーカネツ 日足株価
トーヨーカネツの株価はここもと下方修正が相次いだことで大きく下落してきています。
まだ下げ止まり感がなくズルズルといきそうな雰囲気を漂わせています。
とくに、株主還元姿勢の変化を受けてトーヨーカネツ株が大きく買われた2016年~2017年には、高配当を期待して購入した方も多いとみられ、シコリ玉が大量に溜まっている可能性には要注意です。
トーヨーカネツはとりあえず、こういった処分売りをこなすまで難しい展開が続きそうにみえます。
とりあえず上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資においては自己責任、自己判断で行っていただきますようお願いいたします。
以上。