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米政権人事変更は対イラン制裁拡大への地ならしか?

ここもとの米政権人事変更によって

イラン核合意から米国が離脱するのでは?

との憶測が高まっています。

 

 

 

 

ポンペオ新国務長官 イラン核合意「破棄」懸念

原油先物は上昇 イラン核合意「破棄」懸念でショートカバー(16日)

 

とりあえず整理してみますと

つまり、対イラン強硬派のメンツばかりになることになります。

このことから、2015年オバマ政権時にイランと結ばれた核合意から、米国が離脱するのではないか?経済制裁(具体的にはエネルギー輸出の制限)をより厳しくするのではないか?

との思惑から、ここもと調整色を強めていた原油価格が、今日のところは堅調に推移しています。(2018年3月17日現在)

 

ベイカーヒューズ社が発表している米石油リグ数は増加傾向にあります。

http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=79687&p=irol-reportsother

 

今日は独立系石油会社を中心にエネルギー株およびエネルギー関連サービス企業が上がっています。

 

米国はエネルギー輸出国であり、原油価格上昇は悪い話ではありません。

 

また、米国の同盟国サウジも、

サウジアラムコ上場

を控えて原油価格上昇を期待しています。

 

いやむしろ、このサウジアラムコ上場を控えて、わざと中東の地政学的リスクを高めているのでは?という気がします。

イランの原油輸出を邪魔することで潤うのは、サウジアラビアと米国の独立系エネルギー企業、それからハリバートン(Halliburton HAL)やシュルンベルジュ(Schlumberger SLB)などのエネルギー関連サービス会社です。

また今回はサウジアラムコの上場がありますから、このIPOに伴うお手伝いで米系金融機関にはデカいカネが落ちることになります。

 

 

ここにきてマクマスター後任候補にあがっているボルトンが、北朝鮮に対する強硬姿勢を変えてきているのでは、との憶測も流れています。

もしそうだとすると、北朝鮮に厳しい態度をとってきたマクマスターが去り、北朝鮮との会談に消極的だったティラーソンが去り、北朝鮮よりイラン問題の方に強硬なポンペイオが着任し、ボルトンが対北朝鮮政策で軟化するということになります。

つまり、トランプ政権の目線の先が、北朝鮮から中東に移ることになるわけです。

たぶん、北朝鮮問題の解決は難しいと悟ったのでしょう。地方選挙での敗北や支持率の低下を受け、トランプ大統領は政治的に失敗が避けられない状況に追い込まれています。リスクをとりたくないと思っているのかもしれません。

 

 

以前の記事でも書きましたが、米国と北朝鮮の交渉はたぶんうまく纏まりません。

北朝鮮のケツ持ちをする国が見当たらないからです。

北朝鮮に対しては、このまま兵糧攻めを続けるのではないかと思われます。

とりあえず、トランプ大統領の目線は対イランに移っています。

北朝鮮は、そのことを目聡く察知しているはずです。

 

対イラン制裁によるエネルギー価格上昇は、対中国の600億ドル知財制裁関税や労働市場の逼迫とともに、インフレ懸念を産む可能性があります。まだ大きくエネルギー価格が動いてきているわけではありませんが、注意してみていく必要があるように思います。

 

 

 

by中卒くん