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ボルソナロ下院議員をルラ元大統領の代役アダジ候補が追い上げ~ブラジル大統領選2018~

ルラ元大統領の代役フェルナンド・アダジ元サンパウロ市長が、軍人出身の右派候補ジャイル・ボルソナロ下院議員を急速に追い上げ~ブラジル大統領選挙2018~

 

ルラ元大統領の代役候補として労働者党から出馬したフェルナンド・アダジ候補(元サンパウロ市長)が、軍人出身で極右とされるジャイル・ボルソナロ候補(下院議員)を急速に追い上げているとロイターが伝えています。

Brazil’s Bolsonaro leads presidential race but Haddad closing gap: poll

 

調査機関Ibopeの大統領選前世論調査によると、右派のボルソナロ候補は支持率28%で前回と変わらず。

対して左派フェルナンド・アダジ候補は22%とボルソナロ候補よりも低い支持率ながら、前回よりも3ポイント上昇しており勢いがあるとのことです。

なお、第1回投票で過半数を獲得する候補が現れない場合は決選投票になりますが、これにかんしてはアダジ候補が43%、ボルソナロ候補が37%と逆転するとのこと。

ボルソナロ候補は不支持率が46%と高く、たいしてアダジ候補は30%の不支持率とのことで、このあたりが影響しているようです。

 

なお、中道左派ゴメス候補(元財務相)の支持率は11%で前回と変わらず。

アルキミン候補(前サンパウロ州知事)は8%

マリナ・シルバ候補(元環境相)は5%

だったとのこと。

上記の3人は汚職まみれのブラジル政界において元閣僚であったことから、さまざまな汚職疑惑などに巻き込まれており、それが支持率の低下につながっているようです。

 


 

なお、フェルナンド・アダジ候補は汚職の罪で収監中のルラ元大統領の代役候補として出馬しており、ルラ元大統領の人気を利用して選挙戦を有利に戦っているとのこと。

ルラ元大統領は貧困層へのバラマキ政策によって支持率を高く維持してきた大統領です。

もしフェルナンド・アダジ候補が当選した場合には、この支持層に媚びる必要がありますから、ルラ元大統領と同じような南米独特の左派的なバラマキ政治が繰り返されると思われます。

これに対して果たして軍部が黙っているかどうか、そこらへんが問題になってくると思います。

 

 

たいして、ジャイル・ボルソナロ候補は軍部の支持を受けています。

ボルソナロ候補は極右候補と言われますが、それは例えばLGBT差別などの言動をもとにしたものであり、ボルソナロ候補の政策をみれば、欧米が好みそうな政策が並んでいることがわかります。(たとえば民営化拡大、小さな政府指向など)

 

個人的には、ブラジルはボルソナロ候補が大統領になった方が安定すると思いますし、これ以上南米的な左翼的バラマキ政策を繰り返したら大変なことになると思います。(ベネズエラやアルゼンチンと同じ道を歩むことでしょう)

ブラジルは経済規模もデカいため、何かあったらベネズエラなどの比ではないのですが、本人たちに問題意識がないあたりが非常に困ったものだと思います。

 

とりあえず、ボルソナロ候補は暴漢に襲われたあとの回復が遅いのがやや気がかりです。

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なにはともあれ、遅くとも10月28日の決選投票ですべてが決まります。

あと約1か月、ブラジルの政局は要チェックです。