「三菱マテリアル アルミ」タグアーカイブ

【非鉄】三菱マテリアルの業績と株価

非鉄大手 三菱マテリアルの業績と株価

 

今回は伸銅品で国内トップシェア、非鉄金属業界大手、三菱マテリアルの業績と株価についてみていきます。

まずは三菱マテリアルの会社説明からはじめましょう。


三菱マテリアルとは?

 

三菱マテリアルとは、三菱グループの非鉄金属事業会社です。

その事業は多岐にわたり、銅地金の生産、伸銅品の生産、多結晶シリコンの生産、電子デバイスの生産、飲料用アルミ缶事業、アルミ圧延、アルミ加工品事業、超硬工具、セメント事業など多岐にわたります。

 

三菱マテリアルの沿革

1990年に金属事業の三菱金属と、セメント事業の三菱鉱業セメントが合併して三菱マテリアルになりました。

三菱鉱業はもともと三菱合資会社の大夕張炭鉱、高島炭鉱、生野銀山などの運営をしていた会社です。

 

三菱マテリアルの業績リスク~寡占度の低い事業の寄せ集め

三菱マテリアルは以上のように事業が多岐にわたり、事業の集中と選択が進んでいないことが経営上の問題になっています。

多くの事業が業界シェアの寡占度が低く、価格競争力がないためマージンの低い商売をしています。

景気がいい時は利益を出せるのですが、景気後退すると途端に三菱マテリアルの業績は落ちこみます。

 

 

 

三菱マテリアルの業績リスク~不祥事の続発

三菱マテリアルはしょっちゅう不祥事を起こす事でも有名です。

大宮原子炉跡地土壌問題、休廃止鉱山鉱害防止工事費補助事業補助金不正受給問題、大阪アメニティパーク(OAP)土壌汚染問題、秋田精錬所公害防止協定違反・水質汚濁防止法違反問題、四日市工場高圧ガス無許可使用問題、三菱マテリアル四日市工場爆発事故、三菱アルミニウム品質不正問題など、上げればきりがないくらいに、三菱マテリアルでは不祥事が続発しています。

しかも、三菱アルミにおける品質問題に関しては、不祥事を隠蔽し、不正発覚後も発表を見送っていたとのことで非難を浴びました。

ちなみに、その後三菱伸銅、三菱電線などでも品質不正が発覚しますが、もはやこういった一連の流れをみると、三菱マテリアルという会社が根本的な部分でちょっとアレなんじゃないかと思わざるをえません。

事業が多岐にわたりすぎて経営陣が隅々まで目が届かない、、、というより、三菱マテリアルという会社自体がそういう会社なのではないかと感じます。(これは私見です)

 


三菱マテリアルの業績

 

ここからは三菱マテリアルの業績を同社の公表している決算資料や会社説明資料などをもとに読み解いていきます。

(この記事は2018年11月7日に書きました。)

 

三菱マテリアルの2019年3月期第2四半期決算の業績は、対前年比で売上高17.9%増、営業利益24.4%減、経常利益16.4%減、四半期純利益26.3%減、一株あたり四半期純利益113.39円

となりました。

売上は伸びたのに営業利益以下が大きく減少しています。

三菱マテリアルのいつもの悪い癖がでた決算になっています。

 

三菱マテリアルの業績をセグメントごとにみたのが以下になります。

 

三菱マテリアルの業績をセグメントごとにみると、対前年比で増益になったのが超硬工具などが含まれる加工事業だけであることがわかります。

三菱マテリアルの加工事業は品質不正問題に伴う事業損失が発生しているはずですが、それでも増益なのですから、かなり好調なのでしょう。

ただ問題は、下期以降は各社の生産活動が落ちてきていますから、超硬工具の需要も減ることが予想されます。

この事業は2Qがピークだったと思います。

 

三菱マテリアルのセメント事業が減益

首都圏では急ピッチに五輪向け建設が進み、セメント需要が旺盛です。

にもかかわらず、三菱マテリアルはその追い風をしっかりキャッチできていません。

セメントの売り上げは伸びていますが燃料費の上昇で利益は逆に減っています。

ここまで酷いのはちょっと情けない。稼ぐ気がないんじゃないかと思います。

三菱マテリアルの他の事業に関しては、まぁ、いつもの三菱マテリアルらしい、マージンの薄い商売やってるなぁという感じです。

まったくネガティブな決算です。

 

三菱マテリアルの株価

 

 

三菱マテリアルはひどい業績です。

それでも三菱マテリアルの株価は暴落しません。

市場の三菱マテリアルに対する眼は既に冷め切っていて、そんじょそこらの不祥事や業績悪化は当然とみています。

期待のない銘柄ですから、変化が起きれば大きくあがるはずです。

でもそれは、当分先な気がします。

 

 

とりあえず、今回は三菱マテリアルの業績と株価について見てきました。

なお、上記はあくまでも中卒くん個人の見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資にあたっては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。