中国国家統計局発表の2018年9月の製造業PMI、非製造業PMI
中国国家統計局が2018年9月の製造業PMI、非製造業PMI、総合PMIを発表しました。
前回はこちらです。
中国国家統計局 製造業PMI
中国国家統計局発表の製造業PMIは前月から5ポイント低下の50.8に急減。
これは春節による季節要因的な落ち込みを見せた2月を別にすると今年最低。
というか、ここ数年で最低です。
かなり急激に中国の製造業が悪化していることが見えます。
とりあえず要因をみてみましょう。
項目の説明します。左からPMI、生産、新規受注、原材料在庫、雇用、サプライヤー納期、輸出、輸入、購買数量、購買価格、製品出荷価格、完成品在庫、受注残、期待指数
今月のPMI低下に大きく寄与した項目としては、原材料在庫、雇用、輸出、輸入、受注残
などとなっています。
輸出と輸入が低下しているという事実からみて、米国との貿易戦争が影響し始めたことがみてとれます。
また、雇用が大きく減少してきており、この点から見て米中貿易戦争が人々の生活にヒットし始めてきている可能性がみえます。
逆に上昇に寄与した項目は原材料購買価格となっており、これは原材料在庫の低下とあわせてみると、マージンが削られて辛くなってきている企業の様子がみてとれます。
というわけで、9月製造業PMIはまったくいいとこなしのネガティブなものでした。
次に非製造業PMIも見てみましょう。
こちらは製造業PMIと異なり大幅に上昇。
こちらも左から解説します。事業活動、新規受注、購買コスト(投入価格)、サービス販売単価、雇用、期待指数、
新規事業数、受注残、棚卸資産、納期
※下の段は解釈が間違っているかもです。
全体的に好調ではあるのですが、手放しによいとも言い切れません。雇用が落ちています。
製造業で余った人員を非製造業で吸収できるか?というと、そういうわけではなさそうです。
充足率は十分なもよう。
とりあえず、これらをあわせたコンポジットPMIは以下のようになっています。
非製造業PMIのおかげでまぁまぁ順調を保っていますが、製造業の落ち込みはやはり深刻だと思います。
なお、財新CaixinもPMIを発表していますが、こちらも相当ひどくなっています。
China September factory growth grinds to a halt as export orders tumble: Caixin PMI
とりあえず、今のところ米中貿易戦争にかんしてはアメリカの圧勝状態です。
株価も中国だけが一人負け状態となっています。
問題は、この中国経済の落ち込みがいつまで続くか。
そして、中国経済の落ち込みが世界に波及するのはいつか、です。
まったく波及しないはずはありません。いつかは波及します。
中国の製造業が落ち込めば、中国への輸出で潤っている資源国が影響を受けます。
対中国貿易比率が高い国は、オーストラリア、チリ、ニュージーランド、ブラジル、インドネシア、マレーシア、ロシア、南アフリカ、メキシコです。
このうち通貨問題を抱える国、他の貿易対象に切り替えが即できすにない国は厳しいことになるかもしれません。
とりあえず、そういった部分に注意が必要だと思います。
以上です。