以下、読んでもあまり役にたちません。
たんなるコラムです。
個人的なノスタルジーを含めて書いています。
相場にあまり関係ありませんので、興味のない方は閉じましょう・・・
5月31日に破産申請をした花園饅頭のスポンサーに銀座千疋屋が決定したそうです。
「日本一高い、日本一うまい」のキャッチコピーで有名(?)な、花園饅頭が5月31日に破産しました。東京商工リサーチサイト
江戸時代(天保5年1854年)に金沢で創業された花園饅頭ですが、当初は「石川屋本舗」と名乗っていたそうです。(Wikipedia)
三代目の時代に東京青山に移転、その後赤坂に移転、火災にあって新宿花園神社のそばに移転、花園饅頭と名付けたそうです。
ちなみに花園饅頭、むかしは東京の山の手の庶民にとってはメジャーな手土産でした。
誰でも価値を知っているから、贈り物によく使われていました。カネはそこそこあるけれど情報感度が高くない、無知な庶民向けのブランドでした。
ちょうどバブル前くらいの時代でしょうか。
鶴屋吉信か花園饅頭か虎屋か塩瀬か岡埜榮泉・・・そこらへんが、老若男女誰でも知っている和スイーツブランドだった時代がありました。
自分の家も花園饅頭は手土産でいただくことがありました。祖父母の家にいくと「ぬれ甘納豆」をよく出されました。
たしかバブル経済前の小学生時代で、花園饅頭は一つ200円弱くらいだったと思います。それが大人になった時には一つ300円弱くらいになっていて、最終的には400円になっていたようです。
ここらへんの値上がりは記憶が曖昧ですが、とにかく、バブル崩壊後にも価格上昇していた稀有な商品だな、と個人的には思っていました。
と同時に、さすがにその価値はないな、と思ったのも確かです。
おなじ薯蕷饅頭なら、味は劣りますが塩瀬で十分だなと思っていましたし、もっというと、一元屋のきんつばの方が、コスパも味も上だと思っていました。
で、今回の花園饅頭の破産の件、理由はバブル期に建てた自社ビルの有利子負債が重たかったから・・・とのことらしいです。
バブル当時は、土地を担保に融資を引っ張って、自社ビルを建てて、そこにテナントを入れて家賃収入で本業の足しにする・・・みたいな投資が流行りました。
多くの老舗企業が、これで傾きました。
本業の売り上げはどんどん落ちるし、不況で空室になって家賃収入も入らない。銀行への返済だけが重たくのしかかる・・・そんなかんじですね。
そうこうしているうちに、ようやく景気も回復傾向になりました・・・でもその頃には、知名度もぜんぜんない、過去のお菓子になっちゃっていたんですね。
実際、今の若い人で花園饅頭なんて食ったことある人、ほとんどいないでしょう?
駿河屋も、花園饅頭も千鳥屋宗家も倒産しましたが、倒産した時にはすでに過去の遺物扱いだったと思います。
テレビ広告をバンバン打ってたこれら企業よりも、口コミで広まる方が売れる時代です。
今の時代はみんなが知っているような手土産よりも、みんなと差をつける手土産が持て囃されますよね?
- 名古屋だったら両口屋是清より芳光の方が俺は好きです。
- 京都だったらナンチャラ八つ橋やナンチャラ宇治抹茶スイーツより出町ふたばの豆餅、鶴屋吉信より嘯月の方が好きです。
- 東京だったら虎屋より一元屋の方がいい。
- 花園饅頭より瑞穂の大福の方が好きでした。(過去形)
(ちなみに瑞穂は有名になってから値上げハンパないんでムカつきますw 俺が子供のころは120円?くらいだったんですよ。何年か前にふと懐かしくなって買いに行ったら、ひとつ240円くらいしました。二倍ですね。昔の花園饅頭と同じ値段です。昔にくらべて洗練された塩加減になってました。でも、より美味しくなったといっても、出町ふたばが170円ですからね?プラス70円の価値は・・・俺はないと思います。というか、ふたばのほうがうまいしな。)
なお、その場で食べる和スイーツを含めていいなら、人形町柳屋のたい焼きが最高に好きですね。
・・・っと、脱線してしまいました。
でね、これら美味しい店に共通することがあるんです。
名古屋の芳光をのぞいて、どこも店舗が古いんですわ。
こんなこというと怒られそうですが、とにかく店舗が小さくて古い。でも味は最高にうまいです。
とくにきんつばの一元屋なんて、つい10年くらい前までデイリーヤマザキでしたからね?今では看板こそ綺麗になりましたが、壁はボロボロの建物でやってます。
たいやきの柳屋だってそうです。ちいさな建物でひたすらたい焼き焼いてます。
逆に、倒産した店は、だいたいどこも事務所用のビルを持ってます。テナント収入を得ようとつくったはいいものの、借り手がいなくて自社で使っているところが多かったんです。本業で倒れたわけじゃありません。
で、何が言いたいのか、ですけどね
安定を目指すことは、実は危険じゃないか?
ってことです。
倒産したどこの会社も、本業を補うために投資をしたんですよ。
欲をかいて投資をしたというより、本業が水物だから、安定が欲しくて投資したんです。
それで逆に、不安定になりました。
そういった倒産した企業とは逆に、本業が水物だから一生懸命本業を磨いた会社は生き残っているんです。だんだんと客が増え、口コミで真面目な仕事ぶりが評価されて繁栄しています。
それをみると、安定を求める姿勢っていうのは、かなり危ないなって思います。
山師稼業でもそうですよね。
配当収入だとか期待しだすと、途端にあぶなっかしくなる。
スワップ狙いのFXとかもそう、オプ売りもそう。
よっぽど、投機で食うと決めて頑張って腕を磨いている方が安定している・・・そんな気がします。
これは自分に対しての戒めでもあります。
花園饅頭の一件で、そんなことを考えていました。
なお、再建スポンサーの千疋屋はご存知の通り高級果物屋です。
果物と和菓子・・・かなり異質なコラボレーションだなとは思いますが、共通点がなにかないかな?と探していたらありました・・・
両社とも〇ったくり・・・・・・もとい、高級路線なんですね。
花園万頭と共通点がありますね。よかったと思います。
以上です・・・
・・・というか、別途たべもの記事書きますかね。以前twitterでそんな感じのこと呟いたら、ちょっとは需要ありそうだったんですが、個人的に書きたい気持ちはありつつ、書くと某〇〇氏なみに毒舌になりそうで自分でも怖いんですね。まぁ彼ほど舌は肥えてないので、そこまで自信満々には書きませんけどね。とりあえず、書くとしても一生懸命ブレーキかけながらになります。身バレするの確実な店は外します。いろいろ伏字にしながらになりますね・・・。