医療用大麻製造販売ティルレイ(Tilray/TLRY)~カナダは10月から大麻・マリファナ合法化
Nasdaq上場の大麻企業ティルレイ(Tilray/TLRY)~医療用大麻(medical cannabis)で初めてGMP認可を受けた大麻(マリファナ)メーカー
今回は医療用大麻メーカーのティルレイ(Tilray/TLRY)についてみていきます。
まずは会社説明からいたします。
ティルレイ(Tilray/TLRY)とは?
ティルレイは医療用大麻(medical cannabis)を製造・販売するカナダの企業です。
ティルレイは医療用大麻事業を目的として2013年にブリティッシュコロンビア州ナナイモにおいて創業した若い企業です。
その後ティルレイ(Tilray)は、ピーター・ティール氏の出資するプライベートエクイティファンド、プライバティア・ホールディングス(Privateer Holdings)傘下に入りました。
ピーター・ティール氏の出資するプライバティア・ホールディングス(Privateer Holdings)はティルレイの他にも大麻(マリファナ)関連銘柄へ投資をしており、大麻関連産業における最初の機関投資家と位置付けられているそうです。
※ちなみにPrivateerとは私掠船のことです。私掠船とは大航海時代にどこぞの国の国王から、他国の船を襲ってもいいよという私掠免許をうけた者の船を言います。ようするに、国内的には合法で、国際的には違法な存在・・・大麻(マリファナ)産業も似たような部分があります。カナダでは合法だけど、アメリカでは(連邦レベルで)違法。その網の目を掻い潜って、相手の国に損失を与えながら私腹を肥やす・・・なんとも上手いこと言ったもんだな、と思います。
なお、プライバティア・ホールディングス(プライベーター・ホールディングス/Privateer Holdings)はティルレイ(Tilray)の76%を保有する大株主となっています。
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話をティルレイ(Tilray)に戻します。
ティルレイ(Tilray)は世界で初めてGMP(Good Manufacturing Practice)を取得した大麻関連企業
だそうです。
GMP(Good Manufacturing Practice)とは、アメリカ食品医薬品局が定めた製造品質管理基準です。
世界中の国はこのGMPを参考にして基準を設けている、いわば基準の中の基準のようなものです。
ティルレイ(Tilray)は現在、カナダ国内のほか、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、ポルトガルなどで医療用大麻の供給をおこなっているとのことです。
また、カナダではレクリエーション向け/娯楽向け大麻(マリファナ)が合法化されましたので、今後は医療向けだけでなくこういった民生分野でも販売を増やしていきたいようです。
ティルレイ(Tilray)の業績
ここからは2018年Q2のティルレイ(Tilray)社決算内容についてみていきます。
まずはティルレイの業績を確認
売上は前年に比べて二倍くらいの勢いでのびています。
利益は、上場したばかりで投資も先行しており赤字体質が悪化しています。
上場に伴う株価上昇でStock-based compensation expense(株式を利用した従業員への支給)が大幅に伸びています。
なおカナダでは2018年10月17日から大麻が合法化されることになっています。
これに伴い、ティルレイは医療用だけでなく娯楽用大麻(マリファナ)産業にも乗り出すのでは、と市場からは見られています。
もし娯楽用大麻(マリファナ)にも参入するならばもっと利益は伸びる・・・という前提で市場にみられていますから、現時点での利益はあまりあてにされていない部分があります。
ティルレイ(Tilray)のキャッシュフローもみてみます。
投資キャッシュフローの赤字、つまり投資がすごく大きい状態です。
ティルレイ(Tilray)の売上はカナダ国内向けがほとんどであり、設備なども同様にカナダが中心になっています。
大麻の生産量に比べて販売量が多くなっています。
単位グラムあたりのコストも上昇しています。
これはつまり、大麻製造農家が高値で売却をするようになってきた、ということでしょうか。
ティルレイ(Tilray)の株価
ティルレイ(Tilray)の株価とバリュエーションについても見ていきます。
浮っついた動きしてますねw
まともな動きじゃありませんね。
上場して二か月で15倍とか、ほとんどオモチャ株なノリ
まだ医療用マリファナの製造販売が主であり、利益がまともに出ていないのはまぁベンチャーだから許すとして、年間売上2800万ドル程度の会社が時価総額 107億ってのはどうなんでしょうか。
いくらベンチャーといえど、時価総額との乖離がありすぎる。
医療用大麻事業だけでなく、娯楽用大麻(マリファナ)などを販売することを前提にした株価としてなら許容できる?
いや、それにしても高すぎると思います。
とりあえず、現在のティルレイ(Tilray)株は、ファンダメンタルズとかそっちのけの仕手株相場だと思ってます。
重要なのは、多くの人がこういう銘柄で遊びたくなるような相場環境だということじゃないかと思います。
短評は以上です。
なお、上記はあくまでも中卒くん個人の見解であり、ティルレイ(Tilray)株に対して特定の投資スタンスをおすすめするものではありません。ティルレイ(Tilray)株への投資にあたっては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。