【政策】日本政府による消費増税時ポイント還元策は脱税対策が目的
来年2019年10月に消費税は10%に引き上げられます。
それにあわせて政府は、「景気下支え策」として、中小小売店でのキャッシュレス決済時に数パーセントのポイント還元をする方向で調整しているとのことです。
ポイント還元導入、全商品 中小店舗での買い物2%分 政府検討「お得感」強調 毎日新聞
これに対してtwitterなどの反応をみていると
「クレカ作れない人はどうするんだ!」
「子供は対象外か!」
などといった見当違いのコメントが多くみられます。(デビットカード使えばいいじゃないの。)
テレビのニュースなどでも、キャッシュレス決済のお得感を煽るだけで、この政策の意図をきちんと理解して説明するメディアが少なすぎます。
この消費増税時のキャッシュレス決済ポイント還元策の本当の目的は、脱税対策であることは明白です。
第一生命経済研究所の調べによれば、日本の金融資産1800兆円のうち約930兆円が現預金。そして、そのうちの43兆円がタンス預金と言われています。(現金と消費 ~巨大化するタンス預金の理由~ 熊野 英生 – 第一生命保険)
このタンス預金は、おもに富裕層高齢者が相続や贈与などにむけて、税務当局に資産を把握されないように蓄えているものが中心です。
これを炙り出そうというのが今回の消費増税時キャッシュレス決済ポイント還元策のひとつの目的。
もうひとつは、中小小売店による消費税脱税手口の撲滅です。
先日も、3年間で5億円を売り上げていた大阪城のタコ焼き屋が摘発されましたが、日本には意外と税務当局が把握していない小売店などが存在する可能性があります。
また、1000万円を越えなければ消費税の納税義務もありませんから、客から消費税分をとっておきながら、納税していない不届きものも少なからずいるはずです。
こういった連中を炙り出すのも、今回の消費増税時キャッシュレス決済ポイント還元策の目的じゃないかと思われます。
レジを刷新して最新式のものにしてしまえば、脱税手口は塞がれてしまいますから。
とりあえず、今回の消費増税時キャッシュレス決済ポイント還元策は、消費者のため、景気下支えのため、というよりも、日本の決済手段を電子化させていくことで、財務省が国民の消費行動を把握しやすいようにし、脱税の芽を摘み取ることが目的である、と自分は考えています。
これは決して悪いことではなく、個人的には賛成です。
しかし、国民があまりよくわかっていない状態で、おためごかしな言葉で「あなたの得になるから」とキャッシュレス決済を勧めるやり口がいけすかんです。
ちゃんと正々堂々と、これをやることによってズルい奴らが消えるよ、と説明すればいいものを。
それをやると反対勢力がうるさいから、説明をせずに突っ切ろうとする。
こういうあたりからして、日本にはコンプライアンスなんてものは全く根付かないのだろうなぁと感じます。
政府ができないことを、民間企業にやれと言っても無駄ですから。
以上です。