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王将フードサービスの業績と株価~餃子の王将~

王将フードサービスの業績と株価を決算報告書をもとに見てみよう

 

今回は、餃子を中心に大衆向け中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する王将フードサービスについてみていきます。

まずは王将フードサービスの会社説明をします。

 

 


王将フードサービス(餃子の王将)とは?

 

王将フードサービスとは、大衆向け中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する企業。

同社は1967年に京都市四条大宮に最初の店舗を出店、その後京都市内を地盤に、日本各地に「餃子の王将」ブランドのチェーン店を展開しました。

王将フードサービスは1995年に大阪証券取引所第二部、および京都証券取引所に上場。2006年に大証一部に指定替え。その後、大証と東証の合併で、2013年に東証一部上場企業となりました。

同年2013年12月19日、同社社長の大東隆行が何者かに銃撃され死亡。使われた武器が小型で殺傷能力の限られたものであったことから、一撃必殺をするためにはかなりの能力が必要とされ、プロのヒットマンに狙われていたことが疑われています。

2016年には、この王将社長射殺事件を受けて同社の取引関係を調べていた第三者委員会が、1990年半ばから王将フードサービスが特定の企業グループに200億円もの資金を流出させていたことを明らかにしました。(反社会的勢力、いわゆる反社、ヤクザ、暴力団といった連中との王将フードサービスとの繋がりを調査したそうです。)

この利益供与の件と射殺事件との関係性は不明ながら、王将フードサービスという会社のコンプライアンス体制、反社勢力との付き合いによるイメージ低下は著しく、株価は10%以上下落することになりました。なお、ここを起点に株価は長期上昇波動を辿っております。

 

王将フードサービス(餃子の王将)の特徴

王将フードサービス(餃子の王将)の特徴としては、オープンキッチン方式へのこだわりが強いことにあると思われます。

餃子や餡などの食材はもちろんセントラルキッチン(工場生産)で作られますが、最終工程までの多くはオープンキッチン(各店舗での調理)方式で作られます。

これによって、客は出来立てのアツアツのものを食べられる、満足度が高くなるというわけです。

餃子の王将は、各店舗ごとに味付けや調理レベルにバラつきができますし、もっというと各店舗ごとにメニューもバラバラです。

その独自色がかえって好まれ、一部で根強い人気を持ったチェーン店となっています。

なお、アサヒビールが筆頭株主であり、ビールやドリンクは当然アサヒビール、アサヒ飲料系列のものとなっています。

 

 


王将フードサービスの業績

 

ここからは王将フードサービスの発表している決算短信や決算補足説明などをもとに業績についてみていきます。

 

(以下は2018年10月17日に書きました)

 

 

王将フードサービスの2019年3月期第1四半期連結業績は売上7.6%増、営業利益77.7%増、経常利益74.7%増、四半期純利益79.3%増、一株あたり四半期純利益54.14円、自己資本比率73.2%

非常に好調です。

外食産業の他社がことごとくダメダメななか、王将フードサービス(餃子の王将)の業績好調ぶりが際立ちます。

王将フードサービスの好調の要因は、ひとつには過度なセントラルキッチン依存をしていないことがあげられると思います。

あまりにセントラルキッチン依存してしまうと、現場が求めている味と開発部の求めるものが乖離してしまう。

そこを克服するためには、商品開発部との密接な連携が必要になりますが、わかっていてもなかなかできないのが商品開発の難しい所だと思います。

王将フードサービスは、ここを上手いこと克服できている、と個人的には見ています。

 

 

また王将フードサービスは下手にブランド展開をせずに、餃子の王将いっぽんで勝負をしています。

今でこそ連結決算になりましたが、つい去年までは単独決算しか発表していない企業でした。

多数の飲食ブランドを展開してポートフォリオとしての安全を図る外食企業が多い中、同社の事業展開は一本足打法です。

これによって現場の声を集めやすくなり、顧客の求める水準のものを、顧客の求める価格帯で提供し続けられています。

 

 

もう一つ、王将フードサービス(餃子の王将)が好調な要因は、他社のような値上げをしていないことかなと思われます。

値上げで客を減らす同業が多いいっぽうで、餃子の王将は主力の餃子の値上げをしていません。

これによって王将フードサービス(餃子の王将)は集客が伸びています。

餃子の王将の月次来客数などをみてもこれは明らかです。

消費者のコスト意識は間違いなく高く、ちょっとやそっと賃金が増えた程度ではこのコスト意識はかわりません。

 

 

こちらは王将フードサービスの2017年通期決算の損益計算書です。

ざっくりと、売上原価は30%程度

給料・賞与・雑給なども30%程度

ほか、運送費や光熱水費などで30%+α

のこりが営業利益というかんじでしょうか。

 

 

王将フードサービス(餃子の王将)の株価

 

王将フードサービス (9936.T) 日足株価

 

王将フードサービスの株価は好業績を囃して大幅上昇しています。

また、外需の影響を大きく受けないことから、国内飲食業界の勝ち組である同社に資金が集まる展開となっています。

 

 

 

王将フードサービス(餃子の王将)のバリュエーション

王将フードサービス(餃子の王将)のバリュエーションは2020年通期決算終了時点を基準にしたアナリストコンセンサスベースでPER28倍もあります。

これは非常に割高感があります。

 

 

 

王将フードサービス(餃子の王将)の株主優待と配当

王将フードサービス(餃子の王将)の配当は、2017年通期が一株あたり120円でした。

王将フードサービス(餃子の王将)の株主優待は100株が半期で2000円(通期4000円)分の食事券

さらに株主優待として、100株以上の株主(3月末確定)には飲食代金の5%割引カードが送られてきます。

保有株式数 優待内容
100株以上 200株未満 2,000円分 500円券×4枚
200株以上 500株未満 3,000円分 500円券×6枚
500株以上 1,000株未満 6,000円分 500円券×12枚
1,000株以上 12,000円分 500円券×24枚
100株以上(3月末のみ) 「株主様ご優待カード」1枚
(会計時提示で利用代金から5%割引)

 

なお、近くに餃子の王将がない株主のために、王将フードサービスの株主優待チケットは商品との交換も行っているとのことです。

コース名 交換内容
2,000円コース ラーメンパック 14食
3,000円コース ラーメンパック 24食
6,000円コース ラーメンパック 40食
王将辣油 1本
王将マジックパウダー 1パック
ゆず風味餃子のたれ(360ml) 1本
12,000円コース ラーメンパック 80食
王将辣油 2本
王将マジックパウダー 2パック
ゆず風味餃子のたれ(360ml) 2本

 

王将フードサービス(餃子の王将)の株価は7500円くらいですから、100株投資するためには約75万円かかります。(他に手数料など)

王将フードサービス(餃子の王将)株100株の所有で得られる配当+優待は

12000円(配当)+4000円(優待)=16000円

王将フードサービス(餃子の王将)の(配当、優待利回り)の最大値は

16000/750000=2.13%

ということになります。

なお、餃子の王将での飲食が多い方は株主優待カードで5%の割引を受けることができるので、その点でみるともう少し利回りがあがるかもしれません。

 

 

以上、王将フードサービス(餃子の王将)の短評を終わります。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資にあたっては自己責任、自己判断でお願いいたします。