トルコリラの暴落をキッカケとする世界株価下落~やや過剰反応だが、ハイテク売りが混じっていることには注意が必要~
先日のトルコリラの暴落により、世界的にリスク回避指向が高まっています。
この記事を書いている段階(2018年8月13日引け後)で日経平均は約2%の下げ、マザーズ指数は4.13%安と、閑散相場の中を損失回避の手仕舞売りに押される形で大きく下落しました。
日経平均 日足
お盆休みで閑散相場となっているなか日経平均、TOPIXは大きく下落しました。ただ、前回安値はまだ割っていません。
日本のように大きく下げたのは香港、台湾、韓国です。
個人的には、半導体、ハイテクへの売りがこの下げには混じっているとみています。
トルコで売り、ではなく先週後半のアメリカ市場のハイテク売りが影響してきています。
日本や台湾、韓国が下げている一方で、上海総合は0.32%安と影響が限られていました。
本当に金融問題で下げるなら、たぶん逆になっていたはずです。
ここは分けて考えた方がいいです。
ドル円は、今回も2015年6月安値の125円台からのトレンドを抜けられずに円高方向へ向かっています。
ドル円 週足
ただし、110円近辺から下には大きな買い物があるようで(生損保などの外貨運用資金?)、今のところはそこそこ固い動きとなっています。少なくとも、トルコリラ安を受けての大幅なトレンド転換とはなっていません。
ただし、問題はここがブチ抜けた場合です。センチメントが一気に悪化するでしょうから、いっきに102円近辺に行く可能性が高いと思います。
そのときにはたぶん、アメリカで利上げ継続の是非が話される環境に移行しているはずですが、まだそこまでは考えなくていいでしょう。
欧州市場の株価は、(この記事を書いている最中は)全体的に落ち着いた動きになっています。
FTSE、DAX、CAC40、SMI、MIB、IBEXなど概ね1%以内の下げで、トルコリラ安による誘爆は起きていない状況です。
個人的な相場観
とりあえず、トルコリラ安は確かにリスクですが、もう見えたリスクです。
今後は、まだ見えていないリスクと、すでに見えているけれど軽視されているリスクの方により焦点が移動すると思われます。
前者はまだみえていないので何ともいえませんが、後者の見えているけれど軽視されているリスクは、ハイテク株・ネット株のリスクです。
これが今夜の米国市場でみえてくるかどうかが重要なポイントになりますが、60%~70%くらいの確率でそういう展開になるのではないか?と見ています。
リスクが単独で存在するのでなく、二つ、三つとある場合、サイクル的に悪材料に目が向かい続ける可能性があります。そうなる可能性には注意が必要です。
逆に、今夜のアメリカで、とくにハイテクセクターなどに資金が集まるようならば、とりあえず市場は落ち着きを取り戻したとみていいです・・・が、そうなるようにはあまり期待しない方がいいです。
とりあえず、ここらへんは明日の朝には結果がみえるでしょう。