China’s Geely buys a $9 billion stake in Daimler, reports Bloomberg
中国の吉利汽車(Geely、ジーリー)が、ドイツの自動車メーカー ダイムラー株をここ数週間で買い進め、約10%の持ち株比率(90億ドル)になったそうです。
ダイムラーと言えばメルセデスベンツの親会社、日本でもオッサン世代に人気です。また、トラックやバスなどの商用車分野でも世界的に大きなシェアを握る企業です。
かたや吉利汽車は、経営不振に陥っていたスウェーデンの自動車メーカーVOLVOを見事に再建。
昨年発売されたミドルサイズSUV二代目ボルボXC60は
第38回『日本カー・オブ・ザ・イヤー2017-2018』
2018北米ユティリテイ・オブ・ザ・イヤー
2017欧州NCAPでセーフティ賞
を受賞するなど、大ヒットを記録。
ノリにノっている状態です。
そんな吉利汽車が、ディーゼルエンジンの不正で揺れているダイムラーに手を伸ばしています。
来る時が来たな・・・という感じです。
世界のラクジュアリーブランドのひとつが、いまにも中国の手の中におちそうなのです。
アメリカの象徴的な企業を日本が買い漁った80年代を彷彿とさせます。
以前紹介した、家電メーカーの美的集団(記事1、記事2)が独ロボットメーカーのKUKAを買収した時と同じようになるのでしょうか。あのときはドイツ企業が中国でビジネスしにくくならないようにと、あっさりと買収が認められてしまいました。もしも吉利がダイムラーを買収する方向になると、ドイツで生まれたインダストリー4.0の最重要企業2社が中国企業の傘下に入ってしまうことになります。それはつまり、日本の輸出産業で唯一生き残っている工作機械、ロボットメーカーの立場が大きく揺らぐことにも繋がるのです。
さて、ダイムラーもKUKAとおなじ展開になっていくのかどうか・・・EUがダイムラーの不正行為に対してどれだけ厳しくあたるかによっては、吉利によるダイムラー買収もありえない話ではないのではないか、と個人的に思います。溺れる者は藁をもつかむといいますし。極めて政治的な案件になるでしょうから、まだまだ不透明ではありますが。50%くらいの確率でありうるのでは、と思います。
とりあえず今回のニュースは、ダイムラー株にとってはかなりのポジティブ材料です。
by中卒くん