【化粧品株】資生堂の業績と株価【コスメ株】
今回は化粧品大手の資生堂の業績と株価を見ていきます。
とりあえず、まずは資生堂の会社説明から始めます。
資生堂とは?
資生堂とは、国内化粧品業界最大手
化粧品事業では国内シェア1位であり、世界シェアでも5位に位置する企業です。(2018年時点)
資生堂の沿革
資生堂は1872年、福原有信が東京・銀座に資生堂薬局を創業したことに始まります。
当初は育毛剤を販売していましたが、その後歯磨き、化粧水、ソーダ水などを販売。
1902年にはソーダファウンテン事業を始め、それがのちに資生堂パーラー(ロオジエも含む)となります。
資生堂の主なブランド
- Actea Heart(アクテアハート)
- Ag+(エージープラス)
- ANESSA(アネッサ)
- AUSLESE(アウスレーゼ)
- AQUALABEL(アクアレーベル)
- BEAUTY VOLTAGE(ビューティーボルテージ)
- BENEFIQUE(ベネフィーク)
- BRAVAS(ブラバス)
- clé de peau BEAUTÉ(クレ・ド・ポー ボーテ)
- clé de peau BEAUTÉ synergique(クレ・ド・ポー ボーテ シネルジック)
- d Program(ディー・プログラム)
- de Luxe(ドルックス)
- ELIXIR PRIOR(エリクシール プリオール)
- ELIXIR SUPERIEUR(エリクシール シュペリエル)
- ELIXIR WHITE(エリクシール ホワイト)
- EUDERMIN(オイデルミン)
- HAKU(ハク)
- HG(エイチジー)
- IN&ON(インアンドオン)
- INOUI(インウイ)
- INTEGRATE / INTEGRATE GRACY(インテグレート/インテグレート グレイシィ)
- KIRYO(キリョウ)
- LORDES(ロードス)
- MA CHÉRIE(マシェリ)
- MAJOLICA MAJORCA(マジョリカ マジョルカ)
- MAQuillAGE(マキアージュ)
- Naturals(ナチュラルズ)
- MG5(エムジーファイブ)
- Paradigm(パラディム)
- PRIOR(プリオール)
- qiora(キオラ)
- REVITAL(リバイタル )
- REVITAL GRANAS(リバイタル グラナス)
- SEA BREEZE(シーブリーズ)
- SHISEIDO(シセイドウ)
- SHISEIDO MEN(シセイドウ メン)
- SINOADORE(シノアドア)
- SUPER MILD(スーパーマイルド)
- TACTICS(タクティクス)
- The Makeup(ザ・メーキャップ)
- TSUBAKI(ツバキ)
- uno(ウーノ)
- VINTAGE(ヴィンテージ)
- Zen(禅)
- & Face(アンドフェイス)
Wikipedia参照
資生堂とインバウンド需要
資生堂の業績はここ数年の中国、アジア経済の発展による購買力の上昇から恩恵を受けています。
日本に来た中国人たちが爆買いで資生堂の化粧品などを買い漁ってくれることで、資生堂の売上が好調に推移しています。
資生堂の欧州、米州事業はなかなか赤字体質から脱することができませんが、中国やアジアパシフィックでの事業は既に黒字化しています。
資生堂は、アジア人のためのハイブランドとして君臨しています。(2018年11月時点)
資生堂の業績
ここからは資生堂の業績を決算関連資料や会社説明資料などをもとにみていきます。
(この記事は2018年11月9日に書きました)
資生堂の2018年第3四半期決算の業績は売上10.2%増、営業利益43.5%増、経常利益45.9%増、潜在株式調整後1株当たり四半期純利益160.04円、自己資本比率47.5%
となりました。
好調な決算にみえますが、どうでしょうか?
対前期比でみてみましょう。
前期は、売上12.8%増、営業利益105.1%増でした。
つまり、資生堂の3Qの業績の伸びはかなり鈍化しているということになります。
資生堂の業績をセグメントごとに見ていきましょう。
資生堂3Q セグメント別業績
資生堂2Q セグメント別業績
資生堂の業績は、みごとにモメンタムが悪化していることがわかります。
2Qと3Qを比較すると
日本事業の売上増減率は14.0%→9.5%
中国事業は35.3%→33.4%
アジアパシフィックは17.0%→14.9%
となっています。
資生堂の業績を営業利益面からみると、業績のモメンタム悪化はより顕著です。
日本事業34.0%増→11.4%増
中国事業212.3%増→110.3%増
アジアパシフィック44.3%増→6.1%増
など、この資生堂の稼ぎ頭の事業がモメンタム鈍化。
なお、資生堂の化粧品は日本人やアジア圏の人々にはウケていますが、米州事業、欧州事業は赤字体質からぜんぜん脱することができません。
欧州米州の資生堂ではDolce&Gabbanaブランドの香水などは好調に推移していますが、その他のフレグランスはほとんどヒットしていません。
高額で買収したbareMinerals社は大赤字を垂れ流しており、資生堂はM&Aの下手さも露呈しています。
資生堂の日本およびアジア・パシフィック、中国事業
中国、アジアパシフィックでは高級プレステージブランドの「SHISEIDO」、「クレ・ド・ポー ボーテ」、「イプサ」などが伸長。アネックスやエリクシールも好調に推移。
どれも化粧水のちっちゃなボトルが数千円するような高級品ですが、それでも売れるアジア市場、ずいぶんと彼らは羽振りがいいようです。
資生堂のトラベルリテール事業も利益率が低下しています。
資生堂のトラベルリテール事業(空港免税店などでの販売)は好調ですが、利益率は低下しています。
これについて資生堂は「社内取引価格を変更しているため」と説明していますが、なぜ社内取引価格を変更したのかがいまいちよくわかりません。
なんらかの決算向け対策のような気がします。
資生堂の株価
資生堂 日足株価
資生堂 週足株価
資生堂の株価はここもとの中国景気悪化懸念を受けて何度か急落する日が続いています。
資生堂の株価は高値から大幅に調整してきており、やや危険性を感じる展開です。
また株価は調整したとはいえ、まだバリュエーション的には相当高い水準であり、業績のモメンタムの悪化次第によっては、より一層の下落が想定されます。
そのことには要注意かな、と思います。
というわけで、今回は化粧品大手の資生堂の業績と株価をみてきました。
なお、上記はあくまでも個人的な見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資においては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。