シンプルに考えよう。
わけのわからない線をごちゃごちゃ引く奴はへたくそ
いちばん重要なのはかたまりでみること
これは日経平均
上昇をかたまりで表示
今回の上昇が、過去の上昇時と比べて規模がデカかったことがよくわかります。
この20年でみてみると、大きなアゲのあと大きなサゲを経験せずに大きなアゲに移行できたのはただ一回。
2012年から13年のアゲのあと、2014年からチャイナショックまでのアゲくらいなもの。
他はつねに大きなサゲに移行しているのがわかります。
よって、短期的な戻りが仮にあったとしても、高値更新を目指して買い上がるような力はないのではないか?
むしろ、大きなサゲを期待する方が説得力があるのではないか?
と現時点では思います。
もしも再度の大幅アゲを経験できるとするなら、よほどのまぐれ。
戦後70年のなかでただ一度、バブル経済に突入する際にあっただけです。
82年の終わりころを起点にして、6波(もしくは7波)のアゲを経験
1989年12月29日の大納会の日、史上最高値3万8957円44銭をつけました。
そんなチャンスが日本の前に転がっているでしょうか?
日本のバブル経済
それはひとえに、東西冷戦構造のあだ花だったにすぎなかったと、おいらは考えます。
かつて日本には、防衛費1%枠という言葉がありました。
自国の軍事費を削って米軍に多くを任せ、経済政策に邁進していきました。
それが許されたのも、マルタ会談で東西冷戦構造が崩壊した1989年まで。
冷戦終結と共に、それまで軍事予算に多くの資源を割かねばならなかった国々が軍縮に向かい、経済政策に本腰を入れられるようになりました。
その中心こそが米国であり、欧州やアジアの国々もその恩恵を受けます。
要するに、日本の競争相手が増えました。
これがこの30年くらいのあいだに起きたことです。
そしてこれからの日本をみると、安全保障コストはますます増加する見込みです。
逆に、多くの国では安全保障コストがそれほど増加しないように思われます。
米国は、もう日本をひとり立ちさせる時期だとみています。
相応の負担をするように求めてくるでしょう。
軍事予算をGDP対比で引き上げるよう圧力が増すはずです。
すぐ近くに軍事予算対GDP比が1/4近いといわれる常識外の国があるのですから当然です。
また、米国に次いで軍事予算第二位の国との間では国境を巡る争いもあります。
米国は日本に対し、米国製兵器の購入を強く促すと思われます。
そうやって、日本の対米貿易赤字を減らそうとしてくるはずです。
トランプの頭の中は
「今まで俺たちの軍事力に頼り切っていい思いしやがって。いつまでも騙せると思ったら大間違いだぞ。自分たちの身は自分で守れ。俺たちの兵器を売ってやるから。」
そんなところじゃないかと思われます。
これで潤うのは、ボーイング(Boeing ティッカー:BA)、ロッキードマーティン(Lockheed Martin ティッカー:LMT)、レイセオン(Raytheon ティッカー:RTN)、L3(ティッカー:LLL)など米国の軍需産業です。
金曜日の暴落のなかでも、これらセクターは上昇していました。(右下のほうです)
各国軍事予算の推移などについては長くなりますのでまたそのうち書きますが、とりあえず日本の軍事費とGDPの比率について載せておきます。(https://www.sipri.org/databases から軍事予算データhttp://www.worldbank.org/よりGDPデータをいただきました)
とりあえず言えることは、GDP比1%を切る軍事予算はさすがに低すぎるということ。
今後、軍事予算がフツーの水準に変化していく環境下で、日本の経済発展が高い伸びを期待できるかというと、甚だ疑問であります。だって、兵器はどうせアメリカからの輸入ですし。
少子高齢化問題による社会保障費負担だけでなく、安全保障コストの増大についても、今後は懸念の材料になるはずです。
とりあえず、長くなりましたので一旦切ります。