中国ライドシェア大手・滴滴出行(ディディチューシン)の相乗りサービス順風車(ヒッチ)がサービス停止
度重なるレイプ事件発生を受け、中国ライドシェア大手の滴滴出行(ディディチューシン)が相乗りサービス順風車(ヒッチ)を中止~中国国家発展改革委員会(NDRC)が規制強化に乗り出す可能性
ロイターが以下のように報じています。
China clamping down on transport sector after Didi passenger’s …
要約すると、以下のようになります。
- 滴滴出行(ディディチューシン)を利用した女性がまたもや強姦され殺された。
- これは滴滴出行(ディディチューシン)にとって5月以来二度目の強姦殺人事件
- 中国国家発展改革委員会(NDRC)はこれを深刻に捉えており、ライドシェアサービスなど輸送セクターにおける不正行為、不法行為を厳重に取り締まると発表。
- また、中国の警察と運輸省によると、乗客に起こったことについて滴滴出行(ディディチューシン)が責任を負っていると主張
- 今回の事件を受け、微博(ウェイボー、中国のSNS)上には批判が溢れかえっており、滴滴出行(ディディチューシン)の謝罪記事に対してはすでにコメントが5000件以上投稿されているとのこと(いつの時点?)
現在、滴滴出行(ディディチューシン)は以下のサービスを提供しています。
(この項目は書きかけです)
滴滴タクシー・・・タクシー
滴滴エクスプレス・・・通勤用乗り合いサービス
滴滴ヒッチ・・・ライドシェアサービス
滴滴ショーファー
滴滴エンタープライズソリューション・・・法人顧客向け
滴滴テストドライブ・・・主要自動車メーカー200社以上と提携、自動車のP2Pコミュニティ構築
滴滴カーレンタル・・・海外旅行に行く中国人旅行者向けの海外自動車レンタルサービス
滴滴バス
滴滴ミニバス
今回の滴滴出行のレイプ殺人事件、中国のニュースや新聞をみてもかなりヒステリックに騒いでいる感じがします。
滴滴出行(ディディチューシン)は5月の強姦殺人事件以降、こうした事件を防ぐために女性の利用時間を制限したり、運転手の履歴確認など強化していたのですが、やはり今回もこういった凄惨な事件が起きてしまったことに大きな衝撃が広がっています。
中国共産党政府もまた、国民が騒ぎ立てているのを見て放っておけない模様で、この調子でいくとかなりの規制強化が加わる可能性が出ています。
中国でこういった騒ぎ方をされると、だいたい規制がヤバいくらいキツくなります。
ついこないだの長春長生生物科技による狂犬病ワクチンデータ捏造事件もそうですし、
中国のワクチン大手 長春長生生物科技(長生バイオ/長生生物)に狂犬病ワクチンデータ捏造発覚
2011年の温州市鉄道衝突脱線事故もそうです。
これらでは、関係する監督省庁の幹部クラスの首がポーンと飛びました。
2011年の鉄道事故のあとは鉄道閥が一気に勢力を失い、その後の新規設備投資案件への影響が甚大でした。
中華人民共和国鉄道部(中国鉄道省)は中国でも最大級のカネをつぎ込まれた行政部門でしたが(リーマン後の世界に需要を追加したのは鉄道開発プロジェクトを中心とした中国の50兆円規模のインフラ投資です)、この中華人民共和国鉄道部(中国鉄道省)は温州市鉄道衝突脱線事故によって一気に力を失い、解体されてしまいました。(現在は行政部門は鉄道管理総局となり、交通運輸部に吸収されています。)
たぶん、今回も監督官庁の連中はヒヤヒヤしていると思います。
自分の保身を考えて、とてもじゃないけど滴滴出行をかばいきれない。さっさと規制強化しよう。仕事しているふりをしよう・・・そんなふうに考えてもふしぎではありません。
古代バビロニアではチグリス=ユーフラテス河の堤防が崩れたら、そこの管理者の首がとんだと言われています。(嘘歴史かも?)
それと同じような世界が中国です。
ある意味、韓非子や商鞅のような法家思想に近いと思います。
もとより、中国は賄賂あたりまえの国です。
これら監督官庁の連中も、叩けばホコリが出るはずです。
叩かれないうちに規制を強化しようって考えるのが普通です。
こういった、先走った規制強化策の拡大が、滴滴出行(ディディチューシン)にかぎらず、中国発のイノベーションを破壊していく可能性があります。
なお、滴滴出行にはアリババ(Alibaba)、テンセント(騰訊/Tencent)、バイドゥ(百度/Baidu)などBATのほか、中国人寿保険、アントフィナンシャル、Apple、ソフトバンク・ビジョン・ファンドなどからも出資を受け入れています。
自動運転や人工知能、ビッグデータの研究でも先進的な取り組みをしてきたのが滴滴出行(ディディチューシン)です。
2018年1月にはトヨタ自動車とも提携しています。
2018年2月には日産自動車、ソフトバンクとも提携
2018年4月にはトヨタ自動車、日産・ルノー・三菱、フォルクスワーゲンなどとライドシェア専用電気自動車の共同開発企業連合Dアライアンス「洪流連盟」を設立するなど、非常に多くの企業との連携を進めてきました。
これらの事業も停滞する可能性が出てきています。
まだ今後の報道を待たないとわかりませんが、今回の件が何事もなく火消しされるとは思えません。とりあえず、二度あることは三度ある・・・とみられている感じがあります。気を付けた方が良いと思います。