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NEC(日本電気)の業績と株価

NEC(日本電気)の業績と株価

 

今回はNEC(日本電気)の業績と株価をみてみます。

まず最初にNEC(日本電気)の会社説明から始めます。

 


NEC(日本電気)とは?

 

NEC(日本電気)とは日本の電機メーカーで情報通信分野に強いとされている企業です。

住友グループの一員で、おなじく住友グループの住友電気工業とは兄弟企業となります。

 

NEC(日本電気)と日の丸半導体~SX-2シリーズ~日米半導体貿易摩擦

NEC(日本電気)はかつて富士通などとともに、日の丸半導体銘柄と扱われていた時代がありました。

1980年代、日本の半導体企業は資本効率を度外視した設備投資を相次いで行いました。

折からの円安傾向も相まって、NEC(日本電気)や富士通などは世界でも有数の半導体企業となり、国産のスーパーコンピュータSX-2が世界最速になったり、PC-98シリーズ(後述)が日本市場で普及し始めたりしました。

しかしこのことが日米半導体貿易摩擦となって浮上。

ちょうど今の中国のZTE問題、ファーウェイ問題などと被るところがありますが、米国のレーガン政権から強い圧力を受けることになります。

その後、プラザ合意を受けた円高傾向で日の丸半導体の影響力は衰え、90年代の慢心もあって没落していきます。

 

 

 

NEC(日本電気)のPC-9800シリーズ

かつて1980年代当時、NEC(日本電気)はPC-9800シリーズという日本語に特化したパソコンを開発していました。

1982年に発売されたPC-9801シリーズは、Microsoft BASICのカスタマイズバージョンが動くように設計され、その後もMS-DOS、Microsoft Windows3.1、Windows95などもPC-98シリーズ向けにカスタマイズされたものが発売されました。

今現在主流のパソコンは当時PC/AT互換機と呼ばれていましたが、このPC/AT互換機向けとPC-98向けはアプリケーションの動作環境が違ったため相互にソフトを利用できない状況が発生。

このことNEC(日本電気)は最大限に利用し、それまでPC-98を利用してきたユーザーに向けてPC/AT互換機と同スペックのパソコンを二倍程度高い価格で提供し、ぼろ儲けをしました。

この当時が、NEC(日本電気)にとっての我が世の春だったと思われます。

(ここらへんは今のアップルとどことなく被ります)

 

NEC(日本電気)のパソコン事業撤退

しかしこうしたNEC(日本電気)の商法は、2000年を挟む時期くらいにはユーザーに飽きられてきました。

当初こそシステムが不安定だったPC/AT互換機ですが、次第にその性能と安定性を向上させ、十分に実用に耐えるレベルに達します。

もはや割高なNEC(日本電気)のパソコンなんて買う人はいなくなってきました。

またPC-98ネイティブのアプリがPC/AT互換機では動かないことが、当初はNEC(日本電気)の強みになっていましたが、じきに弱みに転じてきました(PC/AT互換機向けのアプリが充実したため)。

このころ、ちょうどゲートウェイ2000やらコンパックやら、海外からの格安パソコンのブームがやってきます。(スマホでいうところの、OppoとかHTCとかそういう感じです。)

ショップブランドのツートップやフェイスなどが台頭したのもこのころです。

有象無象が入り乱れてのパソコン販売市場のなかで、NEC(日本電気)は徐々に没落していきました。

 

 

バブル人材を大量に抱えるNEC(日本電気)

NEC(日本電気)は80~90年代の我が世の春を謳歌していた時期に大量に人員を採用しました。

このことが後々になって固定費の増大に繋がり、NEC(日本電気)の業績の悪化要因になりました。

NEC(日本電気)はトップラインでの業績が伸び悩む一方で労務費などの固定費が増大、巨額の赤字を垂れ流すことになります。

 

 

防衛庁からの受注に頼るNEC(日本電気)

NEC(日本電気)は民間事業で赤字を垂れ流す状況のなか、日本政府からの発注に命綱をみつけようとします。

NEC(日本電気)は昔から防衛産業を行っていて、レーダーやレーザー、通信分野、分析装置などの方面に強く、コンスタントに発注もそれなりにありました。

現在、この傾向はますます高まっており、直近決算では黒字化している事業のうちの営業利益の39%弱が防衛産業などが属するパブリック部門に頼る形になっています。

 

 

 

 

サムスン電子と組んで5G通信機器受注を目指すNEC(日本電気)

NEC(日本電気)はサムスン電子と組んで5G基地局向け受注を目指すそうです。

しかし注意が必要なのは、この業界、サムスンもそんなに大手でないことです。

中国ファーウェイ、フィンランドのノキア、スウェーデンのエリクソンが5G基地局分野には強いですが、ファーウェイが通商問題から西側での調達にハードルが上がってきており、それならばということでサムスンNECにもお鉢が回ってくるかもしれない・・・といった程度のものです。

そこのところは注意した方がいいかもしれません。

 

 

 


NEC(日本電気)の業績

ここからはNEC(日本電気)の業績について、同社の決算資料や会社説明資料などをもとにみていきます。

 

(この記事は2018年11月5日に書きました)

NEC(日本電気)の2019年3月期第2四半期決算は売上3.8%増、営業利益90.1%増、税引き前理系29.3%減、四半期利益51.3%減、希薄化後1株当たり四半期利益35.26円

となりました。

 

NEC(日本電気)の業績をセグメントごとにみていきます。

先ほども書きました通り、NEC(日本電気)の利益ベースでみるとパブリックとエンタープライズ事業がほとんどを占めています。

 

 

こちらはNEC(日本電気)の業績を国ごとにみたものです。

ごらんになってわかるとおり、日本国内では強く、海外では弱い、内弁慶な会社であることがわかります。

 

 

NEC(日本電気)の株価

NEC(日本電気)の株価は下値切り上げながら徐々に上昇しています。

チャートブレイクして上昇しそうにみえなくもないのですが、個人的にはそこまで強気にはなれません。

なにしろこの会社、マージンが薄すぎます。

NEC(日本電気)の営業利益率は1~2%程度です。

景気のいい状態でこれですから、景気悪化傾向になったら赤字転落するでしょう。

個人的にはそういう会社は、ボロボロに売られた時ならわかりますが、今買う銘柄だとはおもいません。

こういう銘柄を好景気に買うような癖をつけると、ろくなことにならないと思ってます。

 

というわけで、今回はNEC(日本電気)の業績と株価をみてきました。

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資行動をお勧めするものではありません。投資にあたっては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。