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ベトナムVN指数が大幅下落/今後の動向をチャラっと予測

ベトナムのホーチミン証券取引所株価指数(VN指数)とハノイ証券取引所株価指数(HNX指数)が大幅下落しています。

 

ホーチミン証券取引所株価指数(VN指数) 日足チャート

 

 

ハノイ証券取引所株価指数(HNI指数) 日足チャート

 

ホーチミンVN指数、ハノイHNI指数のどちらも、高値から20%以上の下落となっており、弱気相場入りしております。

 

ここで、ホーチミン証券取引所株価指数(VN指数)とハノイ証券取引所株価指数(HNI指数)について軽く解説しておきます。

 

VN指数・・・VN指数とは、ホーチミン証券取引所上場の全銘柄を時価総額加重平均した株価指数です。2000年7月に立ち上げられたホーチミン市場は、日本でいうところの東証一部にあたり、ベトナムの主要企業はほぼすべてがホーチミン市場に上場しています。後述するハノイ市場に比べて時価総額は約20倍。VN指数はまさにベトナムを代表する株価指数であり、ベトナム株価指数とも呼ばれています。

HNI指数・・・HNI指数とは、ハノイ証券取引所上場の銘柄で産出される株価指数です。2005年3月に立ち上げられたハノイ市場は、日本でいえばマザーズやジャスダックにあたります。上場基準もホーチミン市場より緩いため、外国人はあまり参加しません。どちらかというとあまり注目されない指数です。

 

VN指数、HNI指数ともに昨年後半のベトナム国有株売却イベント(ビナミルク、サベコ、ビナコネックスなど)をこなし上昇してきました。2月頃からの米中通商摩擦激化とそれに伴う中国本土株の下落にも逆らい、VN指数は一時1200を突破するところまで大幅に上昇しました。

「中国投資の次はベトナム投資だ!」

「ベトナムには対中国で警戒感を強める西側マネーが入るからまだまだ上がる!」

などと騒ぐ人も多くいました。

 

 

しかし、結果はごらんのとおりです。さすがに息切れています。そりゃそうです。ベトナム株は割高すぎます。2017年末ベースでPER20倍くらいです。

そして、ファンダメンタルズからみても、中国がポシャればベトナムもただでは済みません。ベトナムの貿易関係先をみてみましょう。アメリカと中国(+香港)は全輸出額の37.6%を占めています。外需主導の拡大を続けるベトナムは、米国、中国の経済が傾けば確実にダメージを受けることになります。また、アメリカのトランプ大統領が主導する保護貿易もベトナムにとってネガティブです。

 

ベトナム株は、2007年にも暴騰したことがありました。

2007年のあの頃も、やれBRICs(ブラジル・ロシア・インド・チャイナ)だの、やれVISTA(ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン)だのと騒がれました。

 

そうやって騒がれたエマージング市場・フロンティア市場の結果はどうなったでしょうか?

 

 

・・・ようするに、こういう囃し言葉には乗ってはイケナイということです。

 

とりあえず、もう一度ベトナムホーチミン・VN指数をみてみましょう。

 

ホーチミン証券取引所株価指数(VN指数) 週足チャート

 

上記はホーチミン証券取引所株価指数(VN指数)の2001年上場時からの週足チャートです。水色の線は単純に、過去の安値をベジェ曲線で結んだだけの曲線です。

非常に大胆なトレンドラインの引き方です。乱暴です。ただ、あながち外れてもいないと思います。

現状、ベトナム株のPERは歴史的な高水準です。2017年末PERでみて20倍程度です。エマージングはさまざまなリスク(政治的リスク・企業統治上のリスク・会計上のリスクなど)があるので平常時はその分割安になるものですが、いまはそれらエマージング特有のリスクに目を瞑り、リターンにだけ注目するような相場つきになっています。

上記VN指数のチャートと水色の線とは約40%ほどの乖離があります。つまり、水色の線はPER14.3倍くらいの線ということになります。どうでしょう?そんなに違和感のある数字でもないのではないでしょうか?

それに、見た感じも、直感的に違和感ないですよね?

 

 

個人的には、この水色のラインを割り込むこともありうるのではないか?と思っています。米国経済の行方次第によっては、それもありえます。相場はなんだってありえます。2007年の時点で、BRICKsやNEXT11やVISTAなどと騒いでいたあの時点で、今のアルゼンチンやトルコ、ロシア、ブラジルなどを予想できましたか?

おれはある程度予想できてましたけど(本当ですよ笑)、たぶん多くの人は予想できてなかったと思います。相場なんてそんなもんです。大多数の人は自分に都合のいいように、リスクを最低限に見積もりがちです。

 

とりあえず、俺ならもっと待ちます。先進国の人々の余裕が激減して、これらの国に資金が向かわなくなるのを待ちます。そのときに、ベトナムの本当の実力がみえてきます。(個人的には、ベトナムの政治リスクはかなり高いとみてます。多くの人は、ベトナムを西側の価値観を理解する国だとみているでしょうが、それはかなり甘いです。そんな思想なら、いまごろもっと発展してますよ。)

 

以上。

なお、上記はあくまでも個人的見解です。特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資に当たっては自己判断、自己責任でお願いいたします。

 


16時21分追記:なお、VN指数に関しては4月27日の段階でも書いています。

 

米金利上昇でベトナム、インドネシアがさがってる!

 

VN指数に限りませんが、アジア圏への嫌な予感はやっぱり的中しました。

もしかすると、為替が今よりも経常収支に左右される時代に入るかもしれません。

それが次のリスクだと思います。

その時に一番上昇するのは日本円です。

アジア圏への投資は、円建てで見た利益が激減する可能性があることに、注意が必要になってくると思います。日本の金融機関、銀行や生損保の戦略も含めて、アジアへの過大なエクスポージャーはいつか国内の金融システムに跳ね返ってくるんじゃないかと、個人的にはそこが非常に心配です。