中国で新エネルギー車規制(NEV規制)開始
中国でNEV規制/新エネルギー車規制の影響が表面化
以前お伝えしたように、中国では2019年1月から自動車の環境規制が強化されました。
各メーカーに対し、販売する乗用車の比率に対して電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの新エネルギー車(NEV)を販売するように強制する法律が始まっています。
この影響で、全体の自動車販売は下押しの影響を受ける一方、新エネルギー車(NEV)の販売には急激な後押しとなっています。
⇒中国で自動車販売が急減速~2018年通年で前年を割り込む可能性も~NEV規制にも注意
今回はこの件についてみていきましょう。
新エネルギー車(NEV)とは?
新エネルギー車(NEV)とはプラグインハイブリッド車PHVや電気自動車EV、燃料電池車など低公害な自動車を総称して呼ぶ中国の自動車カテゴリーです。
これは、アメリカのカリフォルニア州のZEV、Zero Emission Vehicleの真似としてつけられた名前であり、カリフォルニア州がZEV規制をしたのと同様に、中国も全国土でNEV規制を導入しようというのが、2019年から始まった動きです。
新エネルギー車規制/NEV規制とは?
新エネルギー車(NEV)規制とは、中国が導入した新エネルギー車を普及させるための規制です。
これまでも都市部への乗用車の流入を避けるために、電気自動車などにだけナンバーを発行するなどの方法が地方政府によってとられてきましたが、今後は国主導で、新エネルギー車(NEV)の規制と普及が図られることになります。
新エネルギー車(NEV)規制では、各メーカーごとに販売台数(排出量?)に応じて乗用車を売っていい車両台数が決められるとのこと。
この規制をやぶれば多額の補償金を支払う必要があり、各メーカーともに必死になって新エネルギー車(NEV)を生産、販売しようと躍起になっています。
新エネルギー車(NEV)の販売実績を買いたい既存メーカー
とりあえず、新エネルギー車(NEV)を安く売って既存車種の販売可能量を確保することが、各社の戦略になっています。
また、それができない企業は、電気自動車EV専業のメーカーから、販売台数枠を購入しようとしています。
これがEVメーカーの業績下支えとなることが期待されています。
新エネルギー車(NEV)の補助金は低減傾向に
なお、新エネルギー車(NEV)の販売に関して、これまでつけられてきた補助金は削減されていくことが決定されています。
とりあえず、自動車メーカーがそのぶん新エネルギー車(NEV)のメーカーにカネを流すだろう、という政府の目算です。
この方法がどうなるかはわかりませんが、補助金頼みから脱却できれば、中国は補助金に頼らない自動車メーカーの創出という点で大きなアドバンテージを持つことになると思います。
新エネルギー車(NEV)の普及で日本の電装部品・電子部品メーカーにも恩恵
なお、新エネルギー車(NEV)が普及すれば爆発的に電子部品の使用量が増えることになります。
これは日本の関連企業にとっても悪い話ではないと思います。
この傾向が長く続くようでしたら、日本の電子部品銘柄にはそのうち特需が表れるように思います。
【統計】2019年1月の中国自動車販売台数~NEV(新エネルギー車/電気自動車&プラグインHV車の売上急増)
以上。