【6723】ルネサス・エレクトロニクスの減産による工場停止&リストラ報道について
ルネサス・エレクトロニクスが国内6工場を最大2カ月停止、リストラも
日の丸半導体のルネサス・エレクトロニクスが国内6工場を最大2カ月停止すると伝えられています。
また数日前にはリストラ策も発表されており、同社の業績の行方に暗雲が漂っています。
市場では「そんなに市況が悪いのか」との驚きの声もあるようですが、なぜこんなことになっているのでしょうか。
個人的な憶測になりますが、軽く書いていきたいと思います。
ルネサス・エレクトロニクスのリストラ策、技術部門35歳以上対象に5%の希望退職募集
ルネサス・エレクトロニクスのグループ全従業員は20000人。
5%にあたる1000人を対象にリストラをするとのこと。
対象となるのは35歳以上の技術部門、総務、経理など。
6月末を退職日として労働組合と話し合いをしているとのことです。
はっきりいって、2万人もいる・・・というのが驚くべきところですね。
雇いすぎでしょう。
しかもこれは間接部門と技術部門であって、生産部門じゃない。
ルネサス・エレクトロニクス 需給調整のため生産部門6工場を2カ月停止
そして今回のこの報道。
こちらは生産部門の停止。
生産部門のリストラまでは踏み込んでいませんが、6工場を2カ月停止はかなりのインパクトです。
停止対象になるのは、半導体前工程の工場
高崎工場(群馬県高崎市)、那珂工場(茨城県ひたちなか市)、西条工場(愛媛県西条市)、滋賀工場(大津市)、山口工場(山口県宇部市)、川尻工場(熊本市南区)
ほかに、マレーシアと中国の4工場も停止とのこと。
なお、停止は5月と8月にそれぞれ1カ月ずつの予定。
ここらへんは従業員のことを考えてのことでしょう。
ルネサス・エレクトロニクスは世界半導体市場好調時にも売上0.1%減、大リストラ不可避か
ルネサス・エレクトロニクスは2018年の1-9月期に0.1%の売上減となっています。
しかしこの期間、世界の半導体市場は13~14%台で伸びたと業界団体は予測しています。
つまり、世界中の多くの半導体企業が好調だったのに、ルネサス・エレクトロニクスだけこんなに弱かったのです。
しかもこれ、直近の買収先なども含む数字ですから、オーガニックの成長力でいったら大きなマイナスだったはずです。
ルネサス・エレクトロニクスは通年で3%減収、NXP自動車部門は5%増収
ここで、自動車向けなどで競合する同業のNXPをみてみましょう。
NXPの自動車部門は、Q4前年比比較こそ1%減程度となっていますが、1~12月通年の前年比では5%程度増収です。
かたやルネサスは2.9%減です。
どうでしょ?
ルネサスひどすぎません?
つまるところ今回の減産にしてもリストラにしても、ルネサス・エレクトロニクス自体の問題が大きいように思われます。
ルネサス・エレクトロニクスはファウンドリからの調達を増やし過ぎ、もはや自社で減産、リストラするしかなくなった可能性
ルネサス・エレクトロニクスは今回、半導体製造前工程を中心に工場停止に踏み切ります。
じつはルネサス・エレクトロニクスですが、前工程はファウンドリにも発注しています。
去年夏からだいぶキャンセルなどを入れているようですが、さすがにファウンドリの方もこれ以上のキャンセルは飲めないのじゃないかと思われます。
もはやルネサス・エレクトロニクスは自社で減産、生産調整、リストラに踏み切るしかなくなってきているようにみえます。
ルネサス・エレクトロニクスの減産、リストラは経営陣の無能によるものか
というわけで、個人的に今回のルネサス・エレクトロニクスの減産報道、リストラ報道ですが、全体的に見てマネジメントの問題が大きいようにみています。
どうでもいい会社を高値で買い漁るようなことをして、拡大傾向一本でやってきたことのツケが出ているようにみえます。
もっとしっかりとリストラして、筋肉質の会社になるために使っていたら、こんなことにはならなかったんじゃないかと。
ぶっちゃけ、ルネサス・エレクトロニクスにはお父さんの可能性も出てきていると思います。
今すぐではありませんが、あきらかに、負け組になってきています。
しかしなんですね。
米国のどうでもいい企業を高値で買収して倒産危機っていうのはいくつも見てきましたが、背景に何かあるんでしょうかね?
もしかして米政府と日本の経産省ルートとか、なにかで口利きとかあったりするんですか?自分はよくしらないんですが。
なおこの記事は、質問箱にいただいた以下の質問に対して書きました。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1103452866608422912
いつも質問箱のご利用ありがとうございます。
こんな内容でよろしかったでしょうか。
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