タクシン派『タイ国家維持党』の解党を憲法裁判所が命じる~ウボンラット王女擁立を受け
ウボンラット王女擁立をめぐりタクシン派『タイ国家維持党』の解党を命令
タイの憲法裁判所が7日、タクシン派政党『タイ国家維持党』に解党を命じました。
これは、『タイ国家維持党』が2月8日にウボンラット王女を首相候補として擁立しようとしたことが理由とのこと。
ウボンラット王女はワチラロンコン国王の姉であり、王族を政治に利用する行為は許されない、との憲法裁判所の判断です。
タクシン派『タイ国家維持党』の党員被選挙権をはく奪
今回のタイ憲法裁判所の命令では、タクシン派『タイ国家維持党』の党員は、被選挙権がはく奪されるとのことです。
つまり、立候補ができないということ。
政党の解体だけではなく、被選挙権すら奪われるとの内容で、非常に厳しいものとなっています。
タクシン派『タイ国家維持党』は新たな政党として登録することも不可能
また今回のタイ憲法裁判所の決定によると、タクシン派『タイ国家維持党』は新しい政党として登録する権利すらはく奪されるそうです。
今までタクシン派は、解党命令が出ても新しい政党に移動しながらのらりくらりとやってきました。
それが、今後は一切許されないということ。
本当に厳しい命令といえます。
今月24日に選挙を控えた段階での『タイ国家維持党』の解体
今回のタイ総選挙ですが、タクシン派『タイ国家維持党』の勢いが依然として農村部で強く、普通選挙を行う部分においては過半数をかなり超えるとの見通しが出ていました。(今回のタイ総選挙では、自由選挙分以外に軍部が抑えた議席数があります。)
タイ総選挙は3月24日
直前に控えてのタクシン派『タイ国家維持党』の完全な解党命令は波紋を広げそうです。
タクシン派『タイ国家維持党』への弾圧からみる、日本とタイとの関係
日本は、タイへ非常に多大な投資を行っています。
日本の自動車メーカー、自動車部品メーカーはタイをASEANの中核地点として捉えて投資をしており、日本政府としてもタイとの関係は重視しています。
しかし、タイは民主主義国家とは程遠い軍部独裁政権による人権抑圧国家です。
果たして、こうした国と今後も仲良くやっていけるのか。
距離感の測り方が難しい局面がいずれくるのではないか、という点については考えておいた方がよさそうです。
タクシン派『タイ国家維持党』への弾圧を繰り返すタイはESG投資に不向き
また、ESG投資/社会的責任だとかなんだとか言っている連中は、タイに工場を作る自動車メーカーを組み入れから外すことを真剣に考えるべきではないでしょうか。
まさか、トヨタをESG投資に適した企業だなんてみてませんよね。
タイへの投資に関しては、トヨタは非常に積極的です。
トヨタを組み入れておきながら、ESG投資なんて言ってるファンドがあったら、それは偽善です。
⇒ESG投資に転機~旗振り役カルパースのプリヤ・メイサー氏が退任へ
とりあえず、今回の件はいろいろと重要な転機になりかねないものとなっています。
注目していくと良いと思います。
以上。