日立製作所が不正問題に揺れる『日立化成』を売却し親子上場解消へ

日立製作所が不正問題に揺れる『日立化成』を売却し親子上場解消へ

 

日立製作所が日立化成の51%株式を売却する方向で調整しているそうです。

日立化成はかつては日立の中核企業のうちのひとつでしたが、近年は関係性が低下。

とくに、昨年発覚した日立化成のエポキシ樹脂封止財における検査不正問題以降、日立本体との関係が急速に悪化していたと伝えられていました。

今回、産経新聞など各紙が日立化成売却へ、と伝えています。

とりあえず、今回はその件について書いていきたいと思います。

 

 

 

日立製作所が売却を検討している日立化成とは?

日立化成は日立製作所のグループの化成品メーカーです。

詳しくはこちら⇒日立化成の業績と株価~エポキシ樹脂封止剤検査不正~

機能材料、先端部品・システム部門などにわかれていますが、特に機能材料の一部には世界シェアのニッチトップな製品がいくつもある、日立グループの優良子会社とされてきた企業です。

たとえば半導体ウエハの研磨用セリウムスラリーだとか、半導体封止用のエポキシ樹脂だとか、リチウムイオン電池の負極材だとか、ディスプレイなどに使われる回路接続用フィルムなどなど、縁の下の力持ち的な企業でした。

 

日立化成の業績は低迷

しかし、日立化成の業績はさほどよろしくありません。

非常にニッチトップな製品が並び、同社を選ぶ企業は大いにも関わらず、儲けは少ないビジネスを展開していました。

この理由は、もしかしたら日立製作所を相手にしてビジネスをしてきた癖が抜けていないからかもしれませんが・・・

なんともいえませんが、とにかく営業利益率が6%程度しかないビジネスを長年展開してきました。

 

 

日立化成による不祥事の連続

なお、先ほど書いた記事では日立化成のエポキシ樹脂不正のみしか書いていませんが、この記事を書いた後にも続々と同社は不正事実をゲロっています。

たとえば、産業用鉛蓄電池や樹脂材料で不正が発覚したほか、

1900社の納入している29製品でも品質検査に問題があったとしています。(産経新聞11月3日付)

ちなみに、国内7事業所すべてで不正が蔓延しているという状況。

会社がまるごと不正だらけという状態であることが発覚してしまいました。

 

 

日立製作所の事業整理、子会社整理のタイミングにばっちりな日立化成の不正検査問題

この日立化成による不正検査問題ですが、非常に間の悪いタイミングに発覚したと思います。

というのも、日立製作所は現在、ビジネスの入れ替えをドラスチックに行っている最中なのです。

日立工機を売却したり、日立国際電気、クラリオンなども売却しました。

当初は日立化成を売却するという選択肢は聞こえてきませんでしたが、この不祥事によって風向きが変わったのかもしれません。

とりあえず、非常に悪いタイミングで不祥事が発覚しました。

今回の日立化成の売却というのは、そういう伏線の上にあることだと思います。

 

 

とりあえず、そんなこんなの日立化成ですが、売却価格は3000億円を予定しているとか。

しかしどうでしょう、この金額まで達するかどうか。

時期的な問題もあり、2000億円台半ばくらいがいいところではないかと思われますが。

とりあえず、以上です。