日立化成の業績と株価~エポキシ樹脂封止剤検査不正~

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エポキシ樹脂封止剤の検査不正に揺れる日立化成の業績と株価を短評

 

今回は、エポキシ樹脂封止剤の検査不正問題に揺れる日立化成の業績と株価をみていきます。

まずは日立化成の業績をみるまえに、大まかな会社説明からしておきます。


日立化成とは?

日立化成とは日立グループの化成品メーカーです。

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日立化成の事業は、大まかに機能材料部門と先端部品・システム部門にわかれます。

とくに機能材料部門には世界シェア上位の製品がいくつもあります。ちょっとみてみましょう。

 

日立化成の機能材料部門

日立化成の機能材料部門は、主に電子材料、無機材料、樹脂材料、配線板材料、その他機能材料などを扱います。

主だったものとしては、

CMPスラリー「GPX」・・・化学機械研磨(CMP)用の酸化セリウム(Ⅳ)を用いた研磨用スラリーを日立化成は販売しています。

ダイボンディングペースト「EPINAL」・・・半導体をダイボンディング(固定すること)するための材料を日立化成は供給しています。

ダイボンディングフィルム「HSシリーズ/FHシリーズ」・・・Stacked MCPなどで利用されるボンディング用フィルムを日立化成は供給しています。

半導体用エポキシ樹脂封止材「CEL」・・・リードフレーム用、オーガニックパッケージ用のモールド樹脂を日立化成は供給しています。

液状封止材「CEL-Cシリーズ」・・・COF、FC-BGAなどの実装方法の変化にも日立化成はついていっています。この分野におけるトップ企業として、今回の不正問題は実際の業績にはあまり影響しないように個人的には思います。

リチウムイオン電池用負極材・・・日立化成はリチウムイオン電池向けの負極剤でも高シェアです。

ディスプレイ用回路接続フィルム「ANISOLM」・・・フレキシブル配線板と液晶パネルなどを接続するための導電性フィルムなども日立化成の製品です。

 

 


その他、日立化成の事業

その他、いちいち書くのが面倒なものはまとめて書いておきます。(ここは読む必要ないと思う)

日立化成は感光性絶縁膜用塗布材料AHシリーズ、半導体封止金型用クリーニングシートN-CSシリーズ、高耐熱コーティング材HLシリーズ、HPシリーズ、一括封止成形用テープRTシリーズ、半導体モールド用離型フィルムRM-4000、RM4100シリーズ、ダイシングテープHAEシリーズ、転写形透明導電フィルムMKシリーなど半導体の上工程、下工程で利用される製品を幅広く用意

量子ドットフィルムQF-2000、QF-3500シリーズ、導電フィルムCFシリーズ、粘着フィルム「ヒタレックス」、ディスプレイ表面保護用・薄物キャリア用粘着フィルム「ヒタレックス」、ダイシングテープ、めっきマスキング用テープ「ヒタレックス」、調光フィルム 「LCF-1103DHA」、HF帯RFID『非接触ICカード』、UHF帯RFID、超小型パッケージタグ、金属対応タグ、架橋化発泡ポリエチレン「ハイエチレン」、災害緊急避難用マット「マイルディ」シート、蒸着フィルム、包装用フィルム「ヒタパックス」、農業用フィルム「ポリシャイン」、カーボンブラシ、炭化ケイ素(SiC)セラミックス「ヘキサロイ」、アルミナセラミックス「ハロックス」、ジルコニア強化アルミナセラミックス「ハロックス-Z」、カーボンしゅう動部品「ヒタロック」、キャパシタ用活物質ペースト「ヒタゾル」、UV硬化型樹脂、機能性アクリレート「ファンクリル」、エポキシ樹脂硬化剤、アミノ樹脂「メラン」、飽和ポリエステル樹脂「エスペル」、アジピン酸系ポリエステル樹脂 「テスラック」、硬質ウレタンフォーム用芳香族系ポリエステル樹脂 「ファントール」、剥離ライナー用樹脂 「テスファイン」、HPLC用充填カラム、フェノール樹脂成形材料・ジアリルフタレート樹脂成形材料「スタンドライト」、フラン樹脂「ヒタフラン」・シェルモールドレジンなども日立化成は供給しています。

また、日立化成は電気絶縁用のワニス製品でも有名です。

日立化成の電気絶縁用材料としては、ポリアミドイミド樹脂HPCシリ-ズ、ポリアミック酸型ポリイミド樹脂HCIシリ-ズ、電子・電気部品注型用ウレタン樹脂KUシリーズ、ボイドレスFRP、フレキシブルプリント配線板用支持板KEL-GEF、KEL-9383N、FPD用防湿絶縁材料「タッフィー」、ソルダーレジストSNシリーズ、SRシリーズ、高耐熱絶縁感光性樹脂KA-130シリーズ

接着剤「ハイボン」も日立化成の製品です。ダンボールやフロアカーペット、PP板や飲料用パック向けまで幅広く用意されています。(いま見ていて知ったのですが、床版コンクリに対応した商品もあるそうです。)


日立化成の業績

ここから先は日立化成の業績についてみていきます。

 

 

日立化成の2019年3月期第2四半期の連結業績は、売上7.4%増、営業利益4.3%増、四半期利益2.1%減、四半期包括利益10.8%減、一株あたり四半期利益78.82円、株主持ち分比率57.4%

となりました。

前年の減益が大きかったため、日立化成に対しては業績の大幅な回復を期待した向きも多いと思いますが、どうもそうはなっていないようです。

とりあえず、日立化成の業績をセグメントごとにみてみましょう。

 

 

日立化成のセグメント別業績

日立化成の業績をセグメント別にみればわかるのですが、機能材料はしっかり稼げているのに、先端部品・システム部門が赤字を垂れ流しています。

今年は、機能材料部門が減益となる一方で、先端部品システム部門の赤字が減少することで損益は改善していますが、機能材料部門が減益となるというのは、日立化成としては主力が不振ということですからあまり好ましいことではありません。

 

ウォーターフローチャートで日立化成の業績をみたのが以下になります。(日立化成の決算補足説明資料より)

 

 

これをみると、販売量はふえているにも関わらず、そして売価変動もほとんどないにもかかわらず、日立化成の業績はほとんど回復してきていません。

日立化成は固定費の増加が多いようですが、これについての詳細な内容は資料に載っていないためよくわかりません。

日立化成の業績は利益率が低いことが特徴的で、この傾向は未だ変わりません。

 

 

なお、日立化成の業績は主に半導体業界の動向の好不調をみる場合に参考になります。

今回の日立化成のコメントによると、半導体用ダイボンディング材料はスマホ向け売上が減少。半導体回路平たん化用研磨材料CMPは3DNANDフラッシュメモリ向けに好調。

自動車の電装化進展で絶縁用ワニスが好調。

カーボン負極剤が好調(リチウムイオン電池が好調)

日立化成のディスプレイ用回路接続フィルムはスマホ向け売上減、タッチパネル周辺材料も減、粘着フィルムも減

日立化成の子会社関連では、自動車部品、樹脂成型品はISOLITE子会社化で増、蓄電デバイスはThai Storage Battery Public Company Limited子会社化で増、診断薬分野は協和メデックス子会社化で増とのこと。

 

日立化成の株価

 

 

日立化成の株価はここもとの不祥事、半導体用封止材料(エポキシ樹脂)における検査不正と世界的な株安を受けて暴落してきましたが、昨日、今日はリバウンド狙いで上昇しています。

 

なお、日立化成の株価を週足でみると上記のようになります。

かなりツッコミすごいなぁと思います。これ、反発して当然でしょう。(いまさら言うなよって言われそうですが)

ちなみに、半導体パッケージの封止剤におけるシェアから考えると、日立化成が受けるダメージはそんなに大きくないんじゃないか、という気がします。

納入先の米国企業などが訴訟したら別ですが。

 

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とりあえず、以上になります。

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資にあたっては自己責任でお願いいたします。