粉飾疑惑のサムスンバイオロジクスと韓国証券取引所に家宅捜索~背景に創業家一族の資産移転

粉飾疑惑のサムスンバイオロジクスと韓国証券取引所に家宅捜索

サムスンバイオロジクスにようやく家宅捜索

以前、当ブログでも紹介したサムスンバイオロジクスの粉飾疑惑、ようやく韓国の検察が動き出しました。

【韓国】サムスン・バイオロジックスの粉飾を証券先物委が認定~李在鎔体制の中核も揺るがす~

ぶっちゃけていうと、サムスンバイオロジクスの粉飾っていうのは、サムスングループの創業者一族による資産移転目的の行為です。(リンク先参照)

今回はそのことについて書いていきたいと思います。

 

 

サムスンバイオロジクスと韓国証券取引所を検察が家宅捜索

サムスンバイオロジクスの粉飾事件をめぐり、いよいよ韓国の検察が動き出しました。

サムスンバイオロジクスをめぐっては以前から粉飾疑惑が流れていたのですが、韓国の金融当局の決定が先延ばしにされており、検察も動けない状態でした。

これがようやく決着。

金融当局がサムスンバイオロジクスの粉飾疑惑について「完全にクロ」と認定したことを受け、検察は今回、サムスンバイオロジクスと、同社の上場を認可した韓国証券取引所を家宅捜索することになりました。

 

 

サムスンバイオロジクスの粉飾はサムスン創業家一族の資産移転のため

サムスンバイオロジクスの粉飾事件の背景は詳しくは以下を参照していただきたいのですが

【韓国】サムスン・バイオロジックスの粉飾を証券先物委が認定~李在鎔体制の中核も揺るがす~

簡単にまとめてしまうと、サムスン創業家一族の資産を次世代に承継させるためのもの、と言えると思います。

事業承継を息子にスムーズに行うために、サムスン創業家の資産管理会社が多く保有するサムスンバイオロジクス株の決算を弄って黒字化。

その決算内容を利用して韓国証券取引所にサムスンバイオロジクスを上場させ、その親会社である第一毛織の株式価値を上昇させる。

そして、サムスングループの中核会社であるサムスン電子を多く保有するサムスン物産と、第一毛織を合併させる。

第一毛織の企業価値はサムスンバイオロジクスの粉飾のおかげで高まっていますから、サムスン物産との合併も有利な比率で行われました。

そうしてサムスン物産と第一毛織の合併でサムスンC&Tが設立され、ここがサムスン電子の大株主として君臨している・・・という話です。

どうでしょう?わかりにくいですかね。

解説が難しいですね。。。

つまるところ、サムスン・バイオロジクスの粉飾会計っていうのは、李健熙(イ・ゴンヒ)会長から李在鎔(イ・ジェヨン)副会長へ資産承継をめぐる問題

なわけですね。

創業者と企業との関係が密すぎることが問題なわけで、ここらへんにメスが入るのかどうか、今回はそこが注目となっています。

なお、サムスンバイオ株は粉飾にあたるため、本来なら証券取引所において上場廃止にされるはずですが、今回そうならなかった。

その決定は昨年12月に行われましたが、どうも個人的にここが気になっています。

 

韓国証券取引所はサムスンバイオロジクス株式を上場廃止にしなかった

そう、、、韓国証券取引所はサムスンバイオロジクスを上場廃止にしないという決定を、昨年12月に行ったのです。

まだ金融当局の結論が出ないうちに、その判断を行いました。

サムスンバイオロジクスの上場審査を行ったのも、もちろん韓国証券取引所です。

つまり、なにかここらへん、

サムスンバイオロジクスもサムスングループの創業家一族も、みなグルなんじゃないか?

という声が韓国国内の左派系労働団体などから上がっていたようです。

今回、そういう声を無視できなくなって来ている部分があるため、もしかするとこの、サムスンバイオロジクスの上場問題が蒸し返される可能性はあります。

韓国はご存知の通り、一度決定したことでも簡単に覆す民族です。

ちょっと気分が悪いと、すぐほじくり返してイチャモンを繰り返す。

それが韓国のやり方です。

決して彼らが悪い人なのではなく、これは韓国人のメンタリティの問題です。

基本的な部分で法の支配とか、一度決めた契約は覆さないとか、そういう約束の文化がないんです。

今回、一度は火が消えたはずのサムスンバイオロジクスの上場問題にも発展する可能性は十分にあります。

そして、それは次にサムスンC&Tやサムスン電子の問題につながる可能性すらあります。

ここら辺の火の移り方には注意が必要です。

下手をすると、日本にも影響が出てきかねませんので。(半導体製造装置メーカーなど)

 

とりあえず、あまり注目を浴びていないサムスンバイオロジクスの粉飾疑惑ですが、そういった意味で要注目だと思います。

以上です。