中国のEVスタートアップ『奇点汽車(Singulato Motors)』~トヨタ、伊藤忠、インテルなどと提携

中国のEVスタートアップ『奇点汽車(Singulato Motors)』

 

今回は中国のEVスタートアップ企業『奇点汽車(Singulato Motors)』についてみていきます。

『奇点汽車(Singulato Motors)』は先日、トヨタ自動車と提携。

トヨタ自動車がかつて販売して大コケした電気自動車eQをベースにした新しいEVを開発するとともに、トヨタ自動車に対して環境規制クレジットを優先販売する契約を結ぶ方針だと報じられています。

今回はそんな『奇点汽車(Singulato Motors)』についてみていきます。

 

『奇点汽車(Singulato Motors)』の事業内容

『奇点汽車(Singulato Motors)』は2014年12月に中国・北京で設立されたEVメーカーです。

EVメーカーとしては後発ですが、インテルなどの支援を受けており、また日本の伊藤忠商事も出資をしているとのことです。

まだラインナップは乏しく、製品としては

Singulato iS6

Singulato iM8

の二つしかありません。

https://www.youtube.com/watch?v=ciWu5Dr2poM

結構ゴツい自動車を販売しているのがわかります。

 

 

『奇点汽車(Singulato Motors)』は商用EVを生産か

なお、『奇点汽車(Singulato Motors)』は商用車EVにも乗り出すと伝えられています。

計画によると、新設した湖南省の工場で2020年までにEV商用車工場を稼働、年産5万台を目指すとのこと。

大きさはハイエース程度の大きさの、主に市内での配送利用を計画しているとのこと。(ロイター 2018年11月22日)

商用EVは自家用EVと異なり、決められたルートを決められたとおりに移動するためにバッテリーの利用が予測しやすいことがメリットです。

また、燃費も電気の方が圧倒的に安いため、導入コストが高くてもランニングコストが低下して総コストが低下する可能性が高い。

さらには24時間稼働で利用される場合が多く、EVはむしろ商用利用の方がメリットが高いのではないかと言われています。

こうした点をふまえ、『奇点汽車(Singulato Motors)』はEV商用車に乗り気だとのこと。

 

 

『奇点汽車(Singulato Motors)』はトヨタ自動車から「eQ」のライセンスを購入

なお、昨日2019年4月15日に報じられたところによりますと、『奇点汽車(Singulato Motors)』はトヨタ自動車と提携。

トヨタ自動車が過去に販売して失敗した「eQ」のライセンスを購入するとのことです。

金額は数十億円クラスになるとのこと。

『奇点汽車(Singulato Motors)』はこれを最新のバッテリー技術などと組み合わせて走行距離を伸ばすとのこと。

(eQは走行距離が短く街乗りを想定しましたが、それで失敗しました。)

また、『奇点汽車(Singulato Motors)』はトヨタ自動車にNEV規制に伴う環境規制クレジットを優先的に販売する契約も結んだとのこと。

すでに出資している伊藤忠を介しての取引と思われますが、『奇点汽車(Singulato Motors)』が日本企業の中国EV事業戦略における重要なポジションにつきつつあり、興味深い展開を示しています。

 

とりあえず、『奇点汽車(Singulato Motors)』に関しては今後も動向に注目が集まるかと思われます。

以上。