イセ食品創業者『伊勢彦信(いせ ひこのぶ)』~パナマ文書で7億円脱税発覚
今回は「森のたまご」でおなじみのイセ食品創業者『伊勢彦信(いせ ひこのぶ)』についてみていきます。
80年代にアメリカで「エッグキング」と紹介された伊勢彦信氏、このたび国税当局から7億円の申告漏れを指摘されたそうです。
なお、今回の脱税は伊勢彦信氏個人のものですが、イセ食品としても2011年に脱税事件をおこしています。
伊勢彦信氏といえば、世界中から美術品や工芸品を収集し、それを無償で美術展などに貸し出す「イセコレクション」の運営者としても知られています。
けっして金儲け一辺倒な人ではないと思うのですが、いったい何があったのでしょうか。
イセ食品創業者、伊勢彦信会長の経歴
ここで、伊勢彦信氏の経歴についてみていきましょう。
- 1929年 富山県出身
- 旧制富山県立福野農学校(富山県立南砺福野高等学校)卒業
- 父親が経営する伊勢養鶏人工孵化場に入社
- 1952年イセ設立
- 1971年 イセ食品株式会社設立
- 1980年 米国進出 (大ヒットし同社の業績を支える)
- 1990年 森のたまご発売開始 (国内トップブランド)
- 1992年 イセグループ会長に就任
- 2011年 関東信越国税局など6国税局からイセ食品関連各社が税務調査を受け所得隠しを指摘される。報道によれば隠した額は10~15億円とのこと。
- 2018年 スーパー玉出を買収
- 2019年 7億円の所得隠しを指摘される ←いまここ
イセ食品創業者『伊勢彦信』氏は工芸品・美術品収集家として有名
イセ食品の『伊勢彦信』氏ですが、美術品・工芸品の収集家としても有名です。
そのコレクションはイセコレクションとして多方面の展示会に無償で貸し出されるなどの貢献をされています。
ピカソなどの収集家としてアメリカで注目されたことから、伊勢彦信氏は主に近現代の絵画の収集家として見られることが多いですが、もともとは中国陶磁の収集がメインのように思われます。
非常に素晴らしいコレクションをされていて、東洋陶磁美術館でも2017年に一斉に公開される機会がありました。
(自分も非常に行きたかったんですが、妻の妊娠中なこともあり、遠方なため行けず・・・非常に後悔しています。)
伊勢彦信氏、パナマ文書で7億円申告漏れバレる
今回、伊勢彦信氏はニューヨークマンハッタンのビル売却益の一部を受け取りながら申告しなかったとして、国税から7億円の申告漏れを指摘されたとのことです。
構図としては単純で、
- まずNYマンハッタンのビルを所有する合同会社LLCを設立
- そのLLCが米出版社にビル売却で200億円の売却益を計上
- LLCからイセ食品の米国グループ会社「イセヒヨコ」へ19億円の配当
- イセヒヨコから伊勢彦信氏に7億円の配当(これが申告漏れ)
というもの。
伊勢彦信氏は朝日新聞の取材に対し
「ビルの売却益は米国で課税して納税されている。日本では税金はかからないと聞いていた」
と説明しているとのこと。(2019年4月19日付)
・・・構図からして、ちょっと無理がありますよね。
どう考えたら無税になると思うのか?(LLCがパススルーで無税になることと勘違いした?)
とりあえず、この件が発覚したのは、ウィキリークスによって行われた、かの有名なパナマ文書の流出によるものだったとのことです。
パナマ文書で秘匿しようとしていたような案件です・・・たぶん、関係者もいろいろわかっていたんじゃないでしょうか。
ご本人がどうだったかはしりませんけれど。
伊勢彦信氏の脱税事件で思うこと
今回の伊勢彦信氏の脱税の件。
自分は、もちろん脱税を良いことだというつもりはありませんが、ただ、少し同情もします。
伊勢彦信氏は、これまでの行動をみるかぎり、決してケチな業突く張りの爺さんというわけでもないでしょう。
ただ、自分が一生懸命稼いだカネが、税金でとられて、無駄遣いされるのが嫌だったのではないか?と感じます。
まぁ、あくまでも憶測ですけれど。
納税義務はフルに果たしていきますので、もう少し税金の使い方をマシにしてほしいなぁと思います。
とりま、以上です。