文教堂が事業再生ADR手続き開始~倒産・破産の可能性もある?
書店チェーン大手・文教堂が事業再生ADR手続き開始~このままなら倒産・破産の可能性も~
関東を中心に全国に161店舗(2018年8月31日現在)を展開する文教堂グループホールディングスですが、長年にわたり業績が低迷。
第2四半期末には債務超過に陥り、上場廃止が今年8月末に迫っていました。
こうした中、同社は事業再生ADR手続きを開始して延命を図っています。
しかし、これはうまくいくのでしょうか。
文教堂が事業再生ADR開始~しばらく上場廃止、倒産・破産は免れるが・・・
文教堂は債務超過で上場廃止が迫っていました。
こうしたなか、同社は一般社団法人事業再生実務家協会に事業再生ADR手続きの利用の正式申請を開始。
2019年6月28日、これが受理されたことで、今後は取引先金融機関とともに再生計画を実施していくことが決定。
東証への上場も当分は維持される見込みとなっています。
今後は取引先との関係を維持した状態で、金融機関との債務の調整を行いながら再生を目指していくことになります。
しかし、どうなんでしょうか・・・
短期的に債務の調整をした程度でどうにかなるような業績なのかどうか。
個人的には、同社の業績回復はかなり難しいのではないかとみています。
それは以下の点につきます。
文教堂の破産・倒産可能性はひとえに営業利益段階にかかっている
文教堂の事業再生ADRに対して、各金融機関は協力していくもようです。
しかし、個人的には非常に疑問に思っています。
それは、同社の業績が金融面での問題ではないことだからです。
一言で言えば、営業利益の段階で大きく赤字を出している、それが問題だと思います。
ごらんのとおりです。
売上が減って、売上総利益が減って、営業利益が大きく赤字になっています。
支払利息の問題じゃありません。
もちろんキャッシュフロー段階で息継ぎさせるためだけなら金融機関との調整で何とかなるでしょうが、
本業がこれではお先真っ暗ではないでしょうか。
一言で言ってしまえば、今の文教堂は延命治療中の重病人だと思います。
文教堂の破産・倒産可能性はAmazonが普及するなかで予想されてきたこと
ぶっちゃけた話、文教堂のような既存型の書店ビジネスが苦境に陥るというのは、Amazonの上陸と普及が進む中で十分に予想されてきたことです。
Amazonの本拠地アメリカでは既に書店大手のバーンズ&ノーブルの業績が低迷しています。
書店チェーン第二位のボーダーズ・グループは既に倒産しました。
日本でもこれと同じことが時間差で起きているにすぎません。
ある意味、文教堂の破産・倒産は十分にありうる事態として想定しておくべきことであり、この流れに逆らうのは愚かなことだと思います。
むしろ掉さしていくべきじゃないんでしょうか。
とりあえず、事業再生ADR手続きによって延命はされた文教堂ですが、先は暗いなぁと思います。
こういうところに金融支援する金融機関も、持ち合い関係をとっている取引先も、傷口を広げる判断をしているだけだと思います。
逆らっても仕方ないことには、逆らうべきではない、と思います。
以上。