電動のこぎりで「キックバック現象」による死亡事故発生~マキタやリョービに影響か~
消費者庁、電動のこぎりの「キックバック現象」に関して注意喚起
消費者庁は7月5日、電動のこぎりのキックバック現象について注意喚起を行う発表を行いました。
この発表によりますと、今年6月26日、電動工具(丸ノコ)を使用していた北海道在住の方が、
何らかの理由により大腿部(ふともも)を切断し、出血多量で死亡したというもの。
これを受けて、消費者安全法第 12 条第1項の規定に基づいて、消費者庁は注意喚起を行ったとのことです。
電動丸ノコ、チェーンソーにおけるキックバック事故は非常に多い
上記重大事故を受け、消費者庁が医療機関ネットワークの参画機関からの情報提供を集計したところ、非常に多くの事故が発生していたことが判明したとのことです。
具体的には、電動のこぎりに関する事故情報は平成22年12月から令和元年6月末までに87件寄せられているとのこと。
年代別には、被害者の61%が60代以上とのこと。
年齢が上がるほどに被害が増える傾向にあるとのことです。
また、けがの60%弱は手、指を切ったというものですが
10%強は大腿部、下腿部の切断とのこと。
さらには、目や口、足指、足首から先んどという洒落にならない事故も多々あるようで・・・もうホント、これ見てたら怖くて電動工具なんて触れなくなりますね。
電動工具のキックバック現象による被害実例もエグい・・・
また、この消費者庁の集計ですが、具体的な事故事例についてもいろいろと纏められています。
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【事例1】電動のこぎりの操作を誤り、右大腿部だいたいぶを切った。(2019 年4月 70 歳代 男性)
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【事例2】発泡スチロールを電気のこぎりで切断中、誤って右手指を切断した。(2019 年4月 50 歳代 男性)
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【事例3】板を電動のこぎりで切断中に、電動のこぎりが跳ねて、誤って左手の親指を切断した。(2018 年6月 70 歳代 男性)
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【事例4】庭の木を電動のこぎりで伐採中に、誤って左手の薬指を切断した。(2016 年 10 月 70 歳代 男性)
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【事例5】自宅で木材を電動のこぎりで切断中、木材の固定が甘く、切断中に木材が跳ねてしまい、木材の角が左手小指に当たり骨折した。(2016 年3月 50 歳代 男性)
以上、消費者庁のサイトより引用
なかなかにエグいです。
指が切れたら、やくざ者と間違われてしまうでしょう。
電動工具のキックバック現象の問題、一番は丸ノコが原因か?
なお、今回のキックバック現象ですが、先ほどリンクを貼った消費者庁の資料でも触れられていますが、その事故のほとんどは電動丸ノコによるもののようです。
丸ノコは基本的なことを守る限りは安全な道具ですが、握力、腕力がない人には非常に辛い道具です。
とくに高齢者や女性には、あまり向いていない道具だと思います。
最近の電動工具はいろいろと安全装置も充実してきていますが、それでも握力の強い男性向け商品であることは間違いありません。
普通に切るだけなら握力なんて要りません。
問題は、いざ撥ねた時。
キックバック現象が起きたときに握力がちゃんとあるか無いかは重要です・・・
そして、もう一つの問題は、高齢者と女性は説明書をちゃんと読まない人が多い・・・
マニュアルを無視する人に、丸鋸は危険すぎます。
電動工具自体はとても便利なものです。
価格も安くなり、普及もしてきています。
最近、何気なくみていたNHK教育テレビのDIY趣味番組などでも、丸ノコなどの電動工具などを利用し、紹介していました。
その日の特集は女性向けの洒落乙な部屋を作るみたいな企画だったのですが、
出演者の素人の女性でも電動工具は使いこなせる、みたいな感じで紹介されていました。
個人的には、番組を見た人たちが気軽な気持ちで真似したら怖いなぁとは思っていたのですが・・・
キックバック事故が発生した電動丸ノコ、価格低下が普及を後押しか
近年、電動工具の価格は非常に下がっています。
大手の製品ですと、マキタで一万円くらいから、リョービで6000円くらいからのものがあります。
(ファンドに買収された日立工機も作っています。)
リョービ(RYOBI) 丸ノコ MW-46A 610509A
昔なら丸ノコはもっと重たくて、もっと価格が高かったのですが、いつのまにやら6000円くらいから販売されているようになりました。
まさにデフレって感じですね。
価格の低下とともに、いままでこういった機械を使ったことのない人々も使い始めています。
しかも説明書をちゃんと読まない。
読めば、真後ろに立たないこととか、当たり前のことが書いてあるわけですが、それを守らない。
そりゃ怪我します。
丸ノコは、とても仕上がりがキレイです。
しかも速く切れる。
使いたくなる気持ちもわかるのですが、身の丈を知らない人には不向き・・・
それは相場でも言えることのような気がします。
低PERのディフェンシブ銘柄だけ触っていればいいものを、欲ばって小型の値動きのいいところを狙ってしくじった人は数知れずいます。
どことなく、似たものを感じたりしています。
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