韓国をホワイトリストから削除するのは当然か~北朝鮮などに戦略物資を密輸出していた可能性が報じられる~
ホワイトリスト対象だった韓国から、フッ化水素などが密輸出されていた
FNN(フジサンケイグループ)の報道によりますと、韓国はこれまで北朝鮮やアラブ首長国連邦などに戦略物資を密輸出してきたとのことです。
具体的には、FNNの入手した韓国政府作成のリストによると、2015年から2019年3月までの4年間に、計156件の密輸出案件があったとのこと。
このなかには、先日、日本政府が輸出時の審査を強化すると発表したフッ化水素ガスなども含まれていたとのことです。
また、こうした事実を韓国政府は把握していながら、これまで黙って非公表にしていたとのことです。
https://www.fnn.jp/posts/00420563CX/201907101145_CX_CX
貿易におけるホワイトリストとは?
貿易におけるホワイトリストとは、当該国が安全な国、同盟国であるとみなされた場合に、軍事的転用などが可能な輸出品の一部について輸出規制を緩める措置をとられたものをいいます。
逆に、輸出禁止措置をとられた企業や国は、アメリカの場合はエンティティ・リストといいます。
アメリカにおけるエンティティ・リストは、当該国、当該企業は危険なので、あらゆる製品の輸出には特別の許可が必要・・・というもの。
たとえば通信機器のファーウェイなどがこれに当てはまります。
(本当にファーウェイが危険な企業なのかどうかは不明ですが。)
日本政府、韓国をホワイトリストから除外
これまで日本は、韓国をホワイトリスト対象国に含めてきました。
これは韓国がアメリカの戦略的重要国であり、日本もアメリカと同盟国であるということが背景にあります。
韓国と日本の取引は検査体制・規制が緩和されており、これが両国の企業活動を円滑にしていました。
ですが、ここもと日韓関係は徴用工問題※1や従軍慰安婦問題※2がこじれており、これを理由として日本政府は韓国をホワイトリスト対象から除外すると表明。
多方面に波紋を広げました。
※1・・・第二次世界大戦中およびその以前に、日本企業によってコキ使われてちゃんと給料を払われていない朝鮮人労働者の問題。日本側は韓国政府に解決金を渡していると主張していますが、当時の全斗煥政権が労働者側にカネを渡していないので、元徴用工はほとんど補償を受け取れていません。
※2・・・第二次世界戦争中に、自発的に日本軍相手に売春婦として活動した女性および、騙されて売春婦として働かされた朝鮮人たちが日本政府を相手に補償を求めています。なお、従軍慰安婦は上記徴用工と異なり報酬を渡されているのがほとんどです。一説によれば、ほとんどが自発的売春婦だと言われていますが、子や孫たちに自発的売春婦だったと言いづらいこともあり、皆が「騙された」と言って被害者ぶっているのではないかとも言われています。
韓国のホワイトリスト国からの除外は当然との声
今回のFNNによる報道が真実かどうかは今後の検証が必要でしょうが、こうした報道を受け、
「韓国のホワイトリスト国からの除外は当然」
「再度のホワイトリスト指定は難しくなった」
との声があがっています。
日本政府としては、ちょっとしたオシオキ程度のつもりでホワイトリスト国から韓国を外したのでしょうが、
ホワイトリスト指定を復活させにくい状況がいろいろと広がり始めているかもしれません。
関連⇒韓国へのフッ素製品(フッ化水素・フッ化ポリイミド)の輸出制限は単なる選挙対策だと思います
韓国のホワイトリスト国除外で苦しむサムスンとハイニックス、潤うマイクロンとウェスタンデジタル
なお、今回の韓国のホワイトリスト国からの除外は、おもにフッ化水素に大きな影響を与えると思われています。
他のホワイトリスト除外製品と異なり、フッ化水素は反応しやすく、性質が変化しやすい。
そのため、長期の保管ができないことが問題です。
韓国のホワイトリスト除外により、手続き上、どうしても1か月程度は高純度のフッ化水素を韓国は手に入れられなくなるのではないかと言われています。
となると、サムスン電子やSKハイニックスなどのような半導体大手は生産が滞ることになりそうです。
一方で、こうした企業とDRAMやNANDで競合するウエスタンデジタルやマイクロンは潤いそうです。
とりあえず、そうした事実を受けてかどうかはわかりませんが、ここもと両社の株価がやや強含んでいます。
さて、今後どうなるか。
楽しみですね。
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