威勢がいいわりに5%しか対中国報復関税を行わなかったトランプ大統領
中国が米国からの輸入関税を引き上げ
2019年8月23日金曜日、中国は米国からの輸入品に追加関税措置を導入すると発表しました。
これは米国が中国からの広範な輸入品の関税を引き上げたことへの対抗措置ですが、
農産品を特に狙っているなど、いかにもトランプ大統領へのイヤガラセ的な措置となっていました。
⇒中国の報復関税はトランプ大統領への挑発~米製品750億ドル分に追加関税措置
これに対してトランプ大統領は即座にtweet
中国からの輸入品に報復関税をさらにかけると言いました。
そのために、午後に経済閣僚があつまって議論することになりました。
ですが、その後発表された報復関税は、たった5%でした。
トランプ大統領が発表した対中関税はたった5%の引き上げ
トランプ大統領は、中国側の10%の関税措置に対して、5%の報復関税措置で対抗すると発表しました。
ここで重要なのは、トランプ大統領のこれまでのやり口です。
やられたらやり返す、がトランプ大統領の基本スタンスです。
しかも1やられたら2やり返すのがトランプ大統領のやり方です。
相手が折れるまでやるのがトランプ大統領のやり方です。
そうやってディールに持ち込むのが今までの方法でした。
ですが今回、中国が10%関税を引き上げるのに、米国側は5%しか引き上げません。
もちろん、貿易額を考えれば米国側の5%関税は中国側の10%関税に匹敵するとは思いますが、しかしそれでも、インパクト的にはやや小粒だったように思います。
個人的には10%以上の報復関税はあるだろうとみていましたので、かなり意外感はあります。
トランプ大統領が対中関税措置を経済閣僚に諭された可能性
今回の件、たぶんですが、経済閣僚の一部からトランプ大統領を諫める発言があったのではないかとみています。
このままでは米国経済がもたない、と言われているのではないかと思います。
トランプ大統領はきっと、もっと多額の関税措置を導入したかったはずです。
しかし、米国民の購買力を著しく削る関税引き上げをこれ以上やるわけにはいかない事情が、米国側にあるのは誰の目にも明らかです。
今後は、関税ではなく、別の次元の争いになるほかないでしょう。
これについて、為替を利用するのではないかと指摘する声がでています。
為替をドル安にして貿易不均衡を是正するのではないか、という指摘です。
しかしこれは、かなり最悪の事態に向かう可能性があります。
何にとって最悪かというと、米国の消費にとってです。
これについてはまたいずれ、機会があれば書いていきます。
今回はとりあえず以上です。