中国が米国をWTO提訴へ~米中通商協議に楽観的な人達は間違ってると思う件
中国が米国をWTO提訴へ
米国が1100億ドルぶんの中国製品に9月1日から15%の追加関税を課しました。
これに対して即座に中国は報復関税を課すとともに、米国の関税措置をWTOに提訴すると発表しました。
これを受けて、市場は
「9月初めに行われる予定だった米中貿易協議は実現が危ぶまれる」
などと各種報道機関が報じています。(日経9月2日夕刊)
何を今さら・・・という感じです。
米中通商協議が実現困難なのはわかっていた
ここ数日、米中通商協議が好転するとみる市場関係者が増えていたように思います。
つい数日前も、米国市場の上昇の理由を「中国側が米国との通商協議を望んでいる」と解説する向きがありました。
これに対して自分は以下の記事で
2019年8月29日 米国株式市況概況~米株ヒートマップ・S&P500・米国債・WTI原油チャート~
市場では米中貿易協議への期待などという解説もあるが、あれは嘘っぱちだろう。むしろ中国側の発言は、米国に対して関税措置の応酬をやめて元の水準に戻してから話し合いをしろ、というものでありこれを好材料視するのは絶対におかしいはず。
と書きました。
やっぱり、この通りだったと思います。
中国は米国に対して、5月会談時(?)まで関税措置を戻すことを求めています。
関税措置を戻すことが、通商協議実現の条件だと言っています。
逆にいうと、それをしなければ話し合う気がないよ、というわけです。
米中通商協議の破談は織り込み済みか?
日経やロイター、ブルームバーグなどは、こうした中国政府側の報道官の声をちゃんと伝えていません。
どう考えても通商協議が破綻に向かっているのに、上手くいくかのように報じています。
これらのメディアを鵜呑みにすると阿呆になると思います。
しかし、市場関係者の多くは・・・少なくとも影響力を持つ人々の多くは、こんなメディアに頼らず、独自にソースを確認しているはずです。
株価はここもと、半導体関連、市況関連を中心に安定して推移しています。
米中貿易協議はもはや手垢がつきすぎた情報ソースであり、これを怖がり過ぎるのもまた、阿呆だと思います。
常に周回遅れでニュースチェックする人はいつの時代にもいます。
そういうオッサンは無視した方が良いと思います。
以上です。