サウジアラムコ上場に向けて、無理やり原油相場を引き上げてくる可能性に注意~アブドルアジズ王子のエネルギー相就任を考える
サウジアラムコ上場に向けて原油価格が上昇か?
サウジがここもと非常に積極的な動きをみせています。
まず、OPEC+による協調減産を後押ししてきたファリハ前エネルギー相が解任されました。
(同時にサウジアラムコの会長職も解かれました。)
そして、エネルギー相ポストの後任にはアブドルアジズ王子(ムハンマド・ビン・サルマン王子の異母兄)が就任。
サウジアラムコの会長には政府系ファンドPIFのヤシル・アル・ルマヤン氏が就任しました。
どちらも、ムハンマド皇太子に非常に近い人物とされており、これを機にサウジアラムコ上場への道筋が本格化するものと予想されています。
サウジアラムコ上場に向けた地政学的リスク上場には注意が必要
なお、前任のファリハ氏はサウジアラムコ上場には否定的だったと伝えられています。
様々な規制上の問題、911テロをめぐる法的な問題、そもそものIPO価格が低すぎるなどの問題などを踏まえて、上場は無期限に延期されていました。
これにムハンマド皇太子が反対し、今回のIPOに向けた動きになっているそうです。
なにがなんでも上場させて、カネを得て、国民を宥めるためにカネをばら撒こう・・・そういう魂胆がすけてみえます。
現状は、協調減産の規模拡大などを通じて原油価格を引き上げようとしていきてます。
ただその政策も上手くいかなくなるでしょう。
そんなに簡単に協調減産は成立しませんし、かならずロシアがあれこれ言ってくるにきまってます。
なお、これまでは、サウジアラムコ上場が騒がれるたびに、なにか地政学的なイベントが発生して大きく原油価格が上昇する傾向があったように思います。
イエメン内戦やら、対イランでの動きは特徴的です。
先日、イランの核開発に対抗して、サウジも核を欲しいと、新しいエネルギー相が言いはじめました。
こんなのは序の口で、これからますますヒートアップしていく可能性があります。
以上です。