ソフトバンク・ビジョンファンド発の大暴落が発生する可能性に注意が必要
ソフトバンクがウィーワークにIPO延期を要請~ソフトバンク・ビジョンファンドの資金調達にも影響か
シェアオフィス大手のウィーワークがIPOをしようとしています。
これに対して、大口出資者のソフトバンクがIPOを延期するように要請しているそうです。
どうやら、投資家からの引き合いが非常に弱く、IPO価格があまりにも低く決定されそうとのこと。
WeWork Is Said to Target IPO Valuation Far Below Last Round (3) Bloomberg
ソフトバンクが最終出資を行った際の評価額は時価総額470億ドル(5兆円くらい)をベースにみていましたが
いまIPOをしても200億ドル近辺にしかならないとのことです。
差額270億ドル・・・つまりIPO時点で約3兆円もの評価額の違いが出てしまいます。
スタートアップIPOが総じて暴落中~ソフトバンク・ビジョンファンドの資金調達にも影響
差額270億ドルというのは尋常じゃありません。
かつてソフトバンクを率いる孫正義氏は、
「数千億程度は誤差」
と語っていましたが、数兆円単位の誤差はさすがに飲み込めないでしょう。
もちろん、IPO後に株価が上昇すれば含み益に転じるのでしょうが、
ここもとIPOしている各種企業などをみると、SlackやLyftなど主要どころがどこも公開価格割れを引き起こしており、
たぶん、WeWorkを上場しても同じようになるのは目に見えています。
こうした赤字スタートアップ企業から資金が一斉に逃げ出しているのは世界的な流れであり、まさに大転換が起きている最中といえるでしょう。
ソフトバンク・ビジョンファンド発のソフトウェア関連大暴落は近づいている?
思うに、ソフトバンク・ビジョンファンドは常に新しい燃料を必要とする「かまど」です。
薪がなくなれば火を保てません。
赤字企業にずっと資金(薪)をくべてやらなければ、火が消えてしまうのです。
その薪が今までは豊富に手に入りました。
しかし、どうも気づいたら、薪を山に取りにいくには寒くなりすぎてしまったようです。
このままでは火が消えてみんな凍死してしまいます。
投資して凍死するとか笑い話にもなりません。
自分はこの展開になることをずっと以前から指摘してきました。
⇒スタートアップバブル・ユニコーンバブルの崩壊に注意~アリババ、ソフトバンクからみえること~ 2018年10月11日
⇒国際会計基準IFRS見直しでソフトバンクは大丈夫か? 2018年9月14日
上記は昨年10月の記事ですが、確かもっと前から書いていると思います。(テンセントやアリババに絡めて書いた記憶があります。)
とりあえず、2017年の中国スタートアップの熱狂っぷりは異常でしたが、やはり予想通り、今は中国スタートアップは秋から冬の時代に入ってきています。
⇒中国のIPO市場に天井感が台頭 2018年5月8日
アメリカも、2018年までは資金調達が容易でしたが、2019年半ばあたりになってから、どうも風向きがおかしいです。
最近はここ数年で上場した赤字SaaS銘柄などのなかに、突然急落するものが目立っています。
ソフトバンク・ビジョンファンドの資金調達失敗は、広範囲なソフトウェア関連株に影響する可能性があります。
足元、割高なソフトウェア株を売って、低バリューへ資金が流れる動きがあります。
潮目が変化している可能性があります。
以上です。
追記:9月11日10時
説明不足でした。
単純な暴落ではないと思います。
大きな資金の移動が起きている印象です。
割高なSaaSなどから、割安なハードウェア系、素材系、などに資金がシフトしているように感じます。
資本財はまだちょっと早いかもしれません。
とりあえず、以上です。