アメリカ政府、シリア民主軍(SDF)による原油盗掘支援のためシリア油田地帯に軍事駐留へ
エスパー国防長官、シリア民主軍(SDF)によるシリアでの原油盗掘を正当化
10月28日、北大西洋条約機構(NATO)国防相会合でベルギー首都ブリュッセルを訪問中のエスパー米国防長官が会見。
この中で、非常に重要な発言をしました。
なんと、対ISなどで共闘するシリア民主軍SDFの資金繰りを支援するため、シリア民主軍が原油を盗掘することを軍事支援すると発表したのです。
もしシリア民主軍SDFへシリア正規軍が攻撃しようとしたりすれば、「圧倒的な軍事力で対抗する」とのことです。
さらには、シリアのアサド政権と繋がっているロシアが油田に近づいてきても対抗するとのことです。
シリア民主軍SDFが盗掘している油田地帯はシリア政府の施政下ではないのか?
いやはや、困ったものです。
アメリカ政府は、対ISで重要な役割をしてくれたシリア民主軍SDFがシリアの国内で盗掘することにお墨付きを与えてしまっています。
これは、主権国家であるシリアという国の中で、アメリカの軍事力を使って強盗を行うようなものでしょう。
これまでももちろん、米軍はそういった行為を行ってきました。
最近でもイラクのなかにおけるキルクークの扱いなどはかなりそういった論功行賞的な意味合いがあったと思います。
しかし、ここまであからさまに主権侵害を口にするようなことはありませんでしたし、
少なくともその地域の施政権を持つ者との対話を通じて(半ば強引に)、自分たちの意見を通すなどのプロセスは踏んできました。
ある程度の自重はあったように思います。
しかし、今回の国防長官はそんなことはおかまいなしに、プロセスふっとばして利権まみれの世界をみせつけてきました。
凄まじいことです。
アメリカ人が納めた税金によって作られた軍隊が、他国の領土で強盗を行っている者を支援しているんです。
これを正義だというなら、中国がやっていることは神々しいまでに正義でしょう。
少なくとも、あちらはカネで買っているんですから。
米国は、中国のことをあれこれ言えたタチなのかどうかは、よくよく考えた方が良いと思います。
以上。