トランプ支持派による2021年米議会乱入事件に想う
トランプ支持派が米議会に乱入 死者4名発生
2021年の新年早々、非常にショッキングなニュースが世界中を駆け巡りました。
トランプ大統領支持派による米議会への乱入事件のことです。
結果として4名の死者を出してしまったこの事件。
米国の歴史において非常に重要なだけでなく、世界の歴史においても重要です。
「民主主義の旗印で起きた汚点」として記録されるであろうことは、容易に想像がつきます。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN091O60Z00C21A1000000
トランプ支持派による米議会乱入事件を受けてtwitter、Facebookなどが大統領アカウントを停止へ
今回の事件を受けて、twitterやFacebookなどSNS大手はトランプ大統領のアカウントを一時停止するなどの措置をとりました。
(※のちに永久停止に切り替えています。)
これまで陰謀論を吹聴したり、暴力を助長するような投稿を繰り返してきたことが、今回の事件に繋がった・・・との判断がもとになっているようです。
これもまた、非常に重大なターニングポイントにきたことを示していると思います。
一国の大統領ですらも、SNS各社には逆らえないと言うこと。
これまでも、SNS各社の判断で投稿の善悪が判断される例はありました。
しかしそれは、一般の個人アカウント。
一国の元首、政府、報道機関などのアカウントはSNS各社の判断で削除されるなんてことはほとんどなかったはずです。
ましてや民主主義の大本山であるはずのアメリカの、その大統領のアカウントが停止されるなんてことは今の今までなかった。
トランプ大統領は今の今まで、直接的な表現で暴力をしろと唆したことはなかったはずです。
確かに、根拠の怪しい陰謀論を展開したりすることはありましたし、暴力行為をする団体を礼賛することはありました。
しかし「暴力を行え」と指示したわけではない。
少なくとも法律に触れるようなことはしていないはず。
2021年米議会乱入事件に対するSNS各社の対応は正当なのか?
もちろんSNS各社は民間企業ですから、法律よりも厳しい自社ルールを敷くのは問題ない。
しかしどうでしょう?
この投稿の削除に一貫性はあるんでしょうか?
自分は非常に疑問に思うことがあります。
それはつまり、
「今回の議会乱入事件が米国ではなく、ロシアや中国で起きたことならどうだったろう?」
ということです。
中国やロシアで起きたことであれば、米政府、米大統領は「民主活動家」を支持するような発言をするでしょう。
さて、それでSNS各社はこれら政府系アカウントを停止するのかどうか?
やっていることは2021年米議会乱入事件に対するトランプ大統領の対応と同じ次元のことなはずですが、たぶん、twitterもFacebookも当該アカウントの停止なんてしないと思います。
少なくとも、今までベネズエラ、香港などで起きたことに対して米政府およびその関係者が行ったtweetを削除するようなことはしてこなかったはずです。
ではなぜ、米議会乱入事件だけをそこまで特別視するのか?
それはつまり
「米国は特別だ」
という特権意識のようなものが、これら企業にあるからではないでしょうか。
米国(とその同盟国)における騒擾を煽るようなものは規制されるべきだが、第三国における騒擾を煽ることは正義である場合もある・・・という意識がここからは透けてみえます。
これ、非常に危険な選民思想だと自分は思う。
SNSに限らずすべてのメディア関係者は、「己が無意識のうちに危険な選民思想に染まっていやしないか」を自分の胸に手を当てて考えてみるべきではないかと思います。
以上。