備忘録がわりにニュース記事をまとめます。
独断で掻い摘んで纏めます。
この記事は日中随時更新します。
14時25分
焦点:中国当局向け監視機器、地元企業が激しい開発競争
中国には、黒科技(ブラックテクノロジー)という言葉があるそうです。iPhoneやandroidなどのOSに侵入してデータを収集したり、スマホに残されたアプリ履歴を復元したり、各種プラットフォームのセキュリティを突破してデータを抽出したり、会話音声から文字起こしして反体制な意見がないかどうか調査したり、人混みの中から対象人物を探し出したり・・・こうした技術を中国の公安組織は積極的に購入していて、各社もそれに対応して開発を活発化させているとのことです。そして中国人はそうやって監視されることを嫌がりすらせず、むしろ安全が確保されるのなら構わないとすら思っている・・・オーウェルの描いた1984の世界が、まさに中国で実現してしまいそうな勢いです。
でも個人的に思います・・・おなじく古典的ディストピア文学として知られるハックスリーの「すばらしい新世界」こそは、今の西側先進国の姿なのではないかと。薬物(アルコール含む)とセックスと刹那的な楽しみを与えられて、ただただ漫然と無味乾燥に日々を生きる人々のいかに多いことか。
結局、どちらにしてもディストピアでしょう。個人的には、人間らしく生きるにはもっと小規模な集団で過ごした方が良いんだと思います。人って生き物は、大勢で群れれば結局ディストピアを作る生き物なんだと思います。
中国市場の開放をメルケル首相が要求
ベルテルスマン財団による調査によると、14~17年の4年間に中国企業がドイツ企業へ10%以上出資した175の案件のうち64%に当たる112件が中国製造2025で指定された重点10分野案件。そのうち21%が電動車、19%がエネルギー、16%がバイオ医療・ハイエンド医療機器、15%が数値制御装置・ロボットだったとのこと。
中国企業がドイツ企業をカネに任せて買収しているのに、ドイツ企業が中国で事業展開しにくいのはズルい。この調子なら中国企業の買収を認めないようにするぞ、と言いたいそうです。
個人的見解:こんなふうにドイツ側は言っていますが、実際には中国と組みたくて仕方ないというのが本音です。中国は人権無視、安全性無視で社会実験ができます。自動運転試験で事故が起きても、アメリカや欧州ほどの問題になりません。個人情報をかき集めてデータベース化し、個人の行動を追跡しても怒られません。そういう素晴らしいテスト環境が中国にはあります。
ドイツの姿勢は完全に前のめりです。
ドイツ人はアメリカを信用していない!ZDF調査
https://twitter.com/RidT/status/1004027220602638338
ZDFの調査によると、ドイツ人の米国に対する信頼度は14%が信頼、82%が不信。これが対中国では43%が信頼、43%が不信・・・信頼度で中国に負ける米国、どうしたことでしょうか。
ドイツのインダストリー4.0の旗振り役だったKUKAを中国の美的集団(Midea)があっさり買収できた理由がよくわかります。
ダイムラーやBMW、VWが中国企業とAI研究、自動運転技術研究を活発に行っている理由もよくわかります。
ドイツ人は中国を警戒していない。むしろ、ユーラシア大陸を舞台に、ともに成長してアメリカに追いつこうとすら考えていそうです。
中国、ロシア、ドイツが有機的に連携してしまうと非常に厄介です。資源のあるロシア、人権無視で壮大な社会実験が可能な中国、技術力と余資のあるドイツ、素晴らしいコンビです。そこにイランやトルコ、カザフやトルクメン、アゼルバイジャンなども加わるでしょう。アメリカ型の発展モデルに代わる、中国型発展モデルが提案されることになります。それは為政者側にとって非常に使いやすい手段ですから、すごい勢いで普及するはずです。ユーラシアモデルとでも名付けられるでしょうか。
これはイデオロギーの対立に留まらず、必ずや軍事的衝突として表面化するはずです。最初の舞台はたぶん、アフガニスタンかアフリカのどこか(コンゴ民主共和国かケニアあたり)だと思います。
15時11分
【電子版】米、OPECに日量100万バレルの増産要請 | 環境・エネルギー …
米政府がOPECに日量100万バレルの増産を要請しているそうです。
個人的見解:これは、対イラン制裁で市場供給量が減少することを見据えた要請だと思われます。サウジには余力がありますし、アメリカに恩を売っておきたいところですので、すなおに応じることでしょう。
Philippines’ Phoenix Petroleum, China’s CNOOC partner for LNG …
フィリピンのフェニックス・ペトロリアムと中国の中国海洋石油有限公司CNOOC子会社がフィリピンで液化天然ガスLNG受入基地建設を目指すそうです。
Earnings Watch: Navistar Reports Quarterly Profit of $55 Million
米トラックメーカーのナビスター・インターナショナルNAVのQ2決算。
売上は15.6%増の24億2200万ドル、希薄化後EPSは0.55ドル(前年は0.86ドルの赤字)
納入台数見通しをを38-41万台に引き上げ。(従来は36-39万台)
メキシコが報復関税で反撃、米国産の豚肉・鉄鋼・ウイスキーなど対象
メキシコがアメリカ産豚肉、ジャガイモ、鉄鋼、ウイスキーなどに対抗関税措置開始。
個人的見解:メキシコはもうすぐ大統領選ですから、安易に妥協するわけにはいかない事情があります。なお、現在選挙戦を優位に進めているロペス・オブラドール候補はかなりポピュリズム色の強い候補です。NAFTA交渉には暗雲が立ち込めています。
US: Services business activity growth accelerates to fastest since Apr …
5月米サービスPMI改定値56.8
5月米総合PMI56.6
とても強い。投入価格も伸びているが、産出価格も上昇しているのでまだ健全。中国とは異なる動き。
5月の米ISM非製造業景況感指数、1.8ポイント上昇 4カ月ぶり上昇
個人的見解:景気指数、価格指数、新規受注、雇用、すべてが強い。弱いところがみつからない。
17時39分
UPDATE 1-トヨタ自動車、5月の中国自動車販売は前年比+8.6%
ホンダの中国自動車販売、5月は15.3%減 4カ月連続で減少
日産の中国新車販売 5月は14.3%増
国内自動車各社の5月中国自動車販売が出そろった。CR-Vのリコール問題が長引くホンダがマイナス成長だった以外は各社販売増加。
個人的見解:中国の小売市場は好調なのかも?言われているほど落ち込んでいないようにみえる。
日産自動車も技能実習不正 45人に計画と異なる作業
技能実習制度を悪用して、本来教えるべきことを教えず、人手の足りない他の作業をさせていたそう。
9500%の株上昇、警備員や調理師もミリオネアに-中国の舜宇光学科技
舜宇光学科技集団(サニーオプティカル/Sunny Optical)はスマートフォンのカメラレンズなどを作っている企業です。近年は監視カメラや車載カメラなど様々な産業向けにユニットやレンズを供給しており、スマホ需要が減少した2018年第一四半期にも大幅増益を達成するなど業績が好調に推移しています。
1990年代に郷鎮企業から合資会社に再編されたこの会社は、おもしろいことに炊事婦や清掃作業員など様々な従業員に創業者が株式を分け与えてきたことで知られています。これら昔から勤めていて初期に株式を買った人の中には、なんと9500%もの投資収益を得た人もいるそうです。
創業者の王文鑒氏は「銭聚人散、銭散人聚」(お金が集中すれば人はばらばらになり、お金が分散されれば人は集まる)という言葉をのこしているそうです。いかにも中国らしい成功話だと思います。中国人は地縁血縁と恩義を大切に考えます。それがみごとに体現されたサクセスストーリー。まさにチャイニーズドリームだと思います。アメリカンドリームはとかく個人の能力・努力にフォーカスがあたりがちですが、中国ではそれとは違った成功体験が始まっています。
かつて日本で松下幸之助や本田宗一郎が崇められたように、中国でも中国らしい経営者が崇められるようになってきています。じきに、China as No.1 と多くの人が口にするようになると思います。そのときは好事魔多し。とても危険なタイミングです。
ホンダジェット、日本で販売へ 新型機を19年前半に納入
ホンダジェットがいよいよ日本でも販売されるそうです。アメリカ、中国につづいての展開です。ホンダにとって、もう日本は後回し市場ってことなんでしょうか・・・。
21時57分
UPDATE 1-Ethanol props up Brazil industry output more than …
ブラジルの4月の鉱工業生産、サトウキビを利用したエタノール生産が増加したことを受け前年同月比で8.9%増と大幅増加。昨年12月以来もっとも高い伸び。
Brazil May services activity falls for the first time in 2018 – Nasdaq.com
ブラジルの5月サービス業PMIは49.5に低下(前月50.0)。新規受注の伸びが1月以降で最低、コスト圧縮の動きにより人員削減も進む。
個人的見解:ブラジルはその後ストに突入していますので、6月はさらに悪化することが見込まれています。
Copper rises above $7000 a tonne on Escondida strike fears
個人的見解:チリのエスコンディーダ銅鉱山(BHPビリトン、リオティント、三菱商事、JX金属、三菱マテリアル)で労使交渉が始まっています。世界的にも有力な鉱山で、労使交渉のたびに紛糾してストが発生し、銅価格が跳ね上がってきました。今回も御多分に洩れず、銅価格が上昇しています。
もしも大きく跳ね上がるようであれば、これで潤うのは豪州のみで同鉱山を展開しているOZ Mineralなどだと思われます。
Short sellers and options traders bet on more Deutsche … – Reuters
ドイツ銀行の株式への空売りが、世界の銀行株の中で最大規模になっているそうです。同行株の約5%が貸し出されているとのこと。
23時08分
China’s debt crackdown to hurt emerging markets, oil, metals: Fitch
フィッチによると、中国企業債務の伸びが急減速(デレバレッジ)して民間投資が減速した場合、中国経済に大きな影響が及ぶ、という記事。ここまでは今までも良く言われていた内容。
個人的見解:その影響がコモディティの純輸出国に影響を与える、特にチリへの影響が大きいとのこと。チリといえば銅とチリウム。
またザンビア、モンゴルにも影響するとのこと。ザンビアといえばコバルト、金、ウラン、マンガンなど。あとは石油・ガス。
モンゴルは石炭。採掘したほぼ全量が中国向け。しかもモンゴル産の石炭は瀝青炭比率が2割しかない。あとの8割は発電用途だが、褐炭比率が高いので輸送コストがただでさえ嵩む。中国は石炭火力発電をやめて、風力や太陽光などの再生可能エネルギーにシフトしようとしているので、中国景気がどう推移するにしても、長期的にはモンゴルの資源輸出には影響が及ぶことになる・・・と思う。
なんにしても、デレバレッジが起きるスピード次第。今のところは大丈夫だが、注意深く見ていく必要はあるだろう。
<東証>ABCマートが急落 5月既存店売上高5.4%減
一年ぶりの前年割れだそうです。
Global dairy prices fall, muted by ramped up New Zealand supply
ニュージーランドの乳製品最大手フォンテラが実施した入札で、乳製品の国際価格GDT価格指数が1.3%下落。9カ月来の高水準から低下。ニュージーランド国内で乳製品の供給量が増加しているとのこと。
台湾半導体の父、張忠謀氏が引退 TSMCは2トップ体制に突入
ファウンドリー最大手TSMCの張忠謀(モリス・チャン)董事長が退任。
個人的見解:TSMCを立ち上げただけでなく、ファウンドリーという事業を立ち上げた偉大な創業者でした。今後は劉徳音氏が後継会長、魏哲家氏がCEOを務めるそうです。
第1四半期の豪GDP、前年比+3.1% ほぼ2年ぶり高水準
リセッションを経験していない(二期連続のGDPマイナス成長を経験していない)期間が27年目に入ったそうです。凄まじいですね。
コラム
新日鉄住金(日本製鐵)向け耐火レンガのサプライヤー 黒崎播磨が最高値更新
黒崎播磨(5352)の株価が最高値更新です。この会社、以前こちらの記事で紹介しましたが、新日鉄住金(日本製鐵)などに向けて耐火物を納入している企業です。
こちらの記事でおいらは、
- 新日鉄住金の生産がトラブル続きなのではないか?
- 今後、高炉の大規模修繕が必要になるのではないか?
- そのさいには、工業用耐火煉瓦の新日鉄住金向けサプライヤー黒崎播磨に恩恵があるかもしれない
と書きました。4月28日のことです。
以下はその後のチャートです。
真面目に決算や統計を読むと、ちゃんとヒントは落ちているものですね。