2018年5月鉱工業生産指数速報 電デバと輸送用機器に要注意信号 マシニングセンタに軟調の兆し?
2018年5月の鉱工業生産指数速報がさきほど発表されました。
毎月詳細を書いていますが、ちょっと時間がかかりすぎるので詳細を後回しにして、さきに短評だけ書いておきます。
まず数字は以下のようになっています。
生産、出荷とも前月から下落です。
中国の旧正月を挟んで、年始から大きく振れた日本の鉱工業生産ですが、
前年からは出荷、在庫がプラス圏ですから、在庫循環的には今のところ
「意図した在庫増局面」
です。
株価の急落などのトリガーで最終需要が一気に落ち込むようなことがなければ、しばらくはこのあたりで推移すると思われます。年末にかけては若干要注意ですが。
で、とりあえず、詳細は後回しにして、変化の兆しがみえるものだけピックアップしてみました。
以下は、前年同月からの出荷の伸び率を百分率で示したものになります。
ここ一年以上好調を続けてきたマシニングセンタですが、5月は前年同月比でマイナスに転じました。
理由はたぶん、生産能力の限界(リニアガイドなど部材の逼迫)ではないかと思われますが、詳細はわかりません。
工作機械受注統計などをみると、国内の設備投資は回復してきましたが中国などは逆に減ってきています。そこらへんの影響もでているかもしれません。
ほかには、
- 大型バス、二輪車、タイヤコードなどに悪化の兆しが見えます。
- 低圧開閉スイッチが悪化し始めています。用途が広いのでどこに変調が出ているのかよくわかりません。富士電機とか三菱電機とかその他いろいろ。
- 単層誘導電動機、いわゆるモーターも悪化し始めています。理由がよくわかりません。日電産、マブチなど。
- 整流素子(ダイオード)は改善し始めています。EV普及の影響かもしれません。ローム、サンケンあたりでしょうか。
なお、前月比の出荷ベースでみると
減少の大きなものは
普通乗用車が13.1%減
小型乗用車6.5%減
マシニングセンタ27.3%減
半導体製造装置8.7%減
自動車用エンジン11.0%減
半導体メモリ11.3%減
一方で増加が目立つものは
ガスふろがま6.5%増(高効率の風呂釜が商品化されたことが影響)
H形鋼4.3%増(都市部の再開発需要)
乳液27.7%(インバウンド需要)
柔軟仕上げ剤26.2%(輸出需要?)
となっています。
とりあえず、のちほどまとまった時間があるときに詳細をみていきます。