中国の自動車販売が予想通り急減~10月単月は13%減~CPCA調べ
中国の乗用車販売が予想通り急減しています。
全国乗用車市場信息聯席会(CPCA)によると、中国の10月乗用車販売は13%減、1-10月累計でも2.5%の減となり、今後2カ月も減少がみこまれることから、今年は自動車販売が20年ぶりに減少する可能性が高まっています。
CPCA:中國10月乘用車銷量年減13%、1-10月縮減2.5%
中国国家発展改革委員会の呉衛氏も、今年の自動車販売が3000万台に達しない見通しを示しており、中国の自動車販売は本格的に冬の季節に突入しています。
China’s Car Market May Contract This Year, Official Warns Bloomberg
中国の自動車販売減少の背景にスラム街再開発計画向け融資の停止か?
中国は、スラム街再開発計画への融資をストップすると発表。
これは年始のデレバレッジ傾向を推し進めたものでしたが、この影響がじみに出てきている可能性があります。
6月27日に書いた記事です。
デレバレッジ開始か?中国開発銀行がスラム街再開発計画向け融資を停止
個人的には、米中貿易問題による影響よりも、この影響の方が多いのではないか?と思います。
貧乏な農民工でも、立ち退きで泡銭を得る機会が今までありました。
デベロッパーは、スラム街に住んでいる貧しい農民工などを金銭で立ち退きさせ、高層マンションをたてて、販売する。
貧しい農民工は、そのカネを使って郊外に家を買い、余った金で自動車を買ったり、海外旅行に行ったりしていた。
それがストップしてしまって、自動車販売が落ち込んでいるのではないか。
自分は中国に行ったこともないのでよくわかりませんが、どうも話に聞こえるのもそういった内容が多いように思います。
中国では、乗用車販売が落ち込む一方、電気自動車は売れている。
なお、電気自動車などの新エネルギー車(NEV)は今年100万台を突破。
販売量も前年比50%超の増加を示しており、全自動車販売に占める割合も上がってきているとのこと。
とりあえず、次の成長の芽は育ってきていますが、この分野に関しても補助金の削減が議論されており
(NEV規制が入るので、そのぶんガソリン車メーカーから稼げるはず、という理屈)
年明けからもう一段の混乱がやってくるのではないか?
と、個人的には思っています。
日本も含め、世界中の自動車株の株価は割安感が漂っていますが、世界一の消費大国となった中国の自動車販売が落ち込むことは非常に大きなリスクです。
十分に注視していく必要があると思われます。
以上です。