【統計】中国201810固定資産投資
中国の固定資産投資の伸びがやや回復、政府による景気下支え効果が発現の可能性?
中国の固定資産投資の伸びがやや回復傾向、年始からの累計で5.7%成長となりました。
この数字、1月からの累計なので大幅な変化が見えにくいのですが、回復傾向にあることがわかります。
設備投資の伸びの多くは民間中心で8.8%増加
国有は1.8%増加
第一次産業が13.4%増
第二次産業が5.8%増
第三次産業が5.4%増
産業別にみると、主な上昇は
第一次が
農業、林業、畜産が12.1%と高い伸び
鉱山も9.4%と高い伸び
二次産業が
金属製品製造業 16.4%増
特殊製品製造業 15.8%増
道路輸送 10.1%増
電気機械製造業 11.6%増
コンピュータ、通信機器など製造業 19.5%増
自動車製造業 3.2%増
三次産業が
教育文化・スポーツ19.2%増
主な減少は
二次産業が
鉄道など輸送関連製品製造業 5.9%減
三次産業が
電力、熱、ガスなどの供給業 9.6%減
鉄道事業者 7.0%減
全体的に若干、回復傾向に転じていますが
とくに三次産業の教育・スポーツなど娯楽関連は高い伸びをキープしていることが特徴的。
鉄鋼などを大量に消費する鉄道セクターが弱い動きとなっている一方で、鉱工業生産などをみると鉄鋼の生産が活発なことは、ややチグハグなモノを感じます。
とりあえず、今回の固定資産統計からみえることは、中国政府による景気下支え策はやや顕在化してきている、、、が、まだ規模として大きなものに発達してきていない。
余りにも大きな逆風のなかで政策が小粒にとどまっているというもの。
また、政府が国有企業を通じた固定資産投資を行わせることは構造改革路線に逆行する行為であり、なかなか今後のかじ取りは難しいのではないか、と感じます。
なお、9月の固定資産投資は【統計】中国2018年9月固定資産投資
10月のその他中国関係の統計は
2018年10月 中国新規人民元建て融資~貸し剥がしに政府はどう対処するか?
とりあえず、以上です。