『トコペディア(Tokopedia)』にソフトバンク・ビジョン・ファンドとアリババが1250億円規模の追加出資
インドネシアの電子商取引最大手『トコペディア(Tokopedia)』にソフトバンク・ビジョン・ファンドとアリババが1250億円規模の追加出資
インドネシアの電子商取引最大手『トコペディア(Tokopedia)』にソフトバンク・ビジョン・ファンドとアリババが11億ドル(1250億円)規模の追加出資を行ったと報じられています。
『トコペディア(Tokopedia)』の発表によると、ソフトバンク・ビジョン・ファンドとアリババのほか、韓国の投資会社や既存株主なども参加したのとこのことです。
『トコペディア(Tokopedia)』の時価総額(企業価値)は70億ドル超に
今回の追加出資によって『トコペディア(Tokopedia)』の時価総額(企業価値)は70億ドル超になったとのことです。
ただし、このユニコーン企業における時価総額/企業価値というのはマヤカシが多いと思っています。このことについては以下をご覧ください。
スタートアップバブル・ユニコーンバブルの崩壊に注意~アリババ、ソフトバンクからみえること~
【中国】のれんの開示規則を厳格化へ~中国証券監督管理委員会(CSRC)
企業価値を引き上げるためだけに追加出資を繰り返す例もあります。
このあたりはしっかり見ていく必要があります。
『トコペディア(Tokopedia)』とは?
『トコペディア(Tokopedia)』はインドネシアの大手電子商取引運営企業です。
2009年に設立され、2010年ころから本格的にサービスを開始。
アマゾンというよりも楽天やヤフーショッピング、タオバオに近いサービス(店舗が出店する形式)をとっており、在庫を抱えるリスクの少ないビジネスモデルとなっています。
インドネシアEC市場における『トコペディア(Tokopedia)』のシェアは不明ですが、最大手クラスと思われます。
『トコペディア(Tokopedia)』に出資するアリババ
ソフトバンク・ビジョン・ファンドやセコイア・キャピタルなどから資金を調達してきた『トコペディア(Tokopedia)』でしたが、2017年には中国の電子商取引サイト運営アリババが11億ドルを出資。
アリババは東南アジアに積極的に乗り出すとともに、『トコペディア(Tokopedia)』もまた、中国への販路を確保することに成功しました。
『トコペディア(Tokopedia)』とラザダ(LAZADA)
『トコペディア(Tokopedia)』にはアリババが出資していますが、同時にアリババにはラザダ(LAZADA)という東南アジア地盤のECサイト運営企業があります。
かねてより、この2社が将来的にどう棲み分けていくのか、それとも統合するのか、いろいろな憶測を生んでいます。
米中貿易戦争の一方で上向く東南アジア経済と『トコペディア(Tokopedia)』
ここ2カ月ほどですが、米中貿易戦争の影響で下振れる先進国PMIと中国PMIを横目に、東南アジア各国のPMIが好調に推移しています。
中国からの輸入に高関税をかける米国側の方針は、ベトナムやタイ、インドネシア、マレーシアなどの東南アジアや、バングラデシュ、インドなどの南アジアへと投資の分散を促しています。
このことは、次の経済発展の中心地が東南アジアに移りつつあることの萌芽かもしれず、ソフトバンク・ビジョン・ファンドやアリババなどはこのタイミングでの『トコペディア(Tokopedia)』への出資を増やした可能性があります。
『トコペディア(Tokopedia)』とインドネシアEC市場
まだまだ規模的には他国のEC運営などよりも小粒なインドネシアEC市場ですが、今後は爆発的に発展する余地があります。
インドネシアにおけるホテル予約や配車サービスなどのネット関連サービスの市場規模は15~18年に年間50%近くの伸び率だったとのこと。
ネット通販は2025年には現在の約4倍、1000億ドル規模に達することが期待され、シェア争いが過熱化しているとのことです。
以上。