【002456】深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/Shenzhen O-film Tech)の業績と株価
今回は中国深セン市場に上場しているタッチパネル、カメラモジュール、指紋認証センサーの大手、深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/O-film Tech)の業績と株価についてみていきます。
まずは深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/O-film Tech)の会社説明からはじめます。
深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/O-film Tech)とは?
深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/O-film Tech)はスマートフォンやタブレット端末などのタッチパネル、カメラモジュール、指紋認証センサーなどのパーツを製造するメーカーです。
どの部門も世界的なシェアが高く、iPhoneの主要サプライヤ―の一社にも数えられているようです。
深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/O-film Tech)と取引先~アップルサプライヤー上位200社のひとつ
主な取引先はアップル、ファーウェイ、レノボ、サムスン、シャオミなどとなっているようです。
アップルサプライヤー上位200社にも2018年から入っており、技術力の高さと供給力の安定性に定評があることがわかります。
深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/O-film Tech)のカメラモジュール、指紋認識センサー、タッチパネルシェア
世界における深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/O-film Tech)のタッチパネルの市場シェアは26%、指紋認識センサーの市場シェアは34%とのことです。
また、カメラモジュールも中国国内大手とのことです。
(アイザワ証券調べ)
深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/O-film Tech)は日本企業からの技術導入に積極的~ソニー、富士フイルム、ジャパンディスプレイJDIなど
深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/O-film Tech)はソニーや富士フイルムなどからカメラモジュール部門やレンズ特許を買収するなど、技術の蓄積を進めてきました。
最近ではJDI(ジャパンディスプレイ)が有機EL事業の協力相手に選ぶのでは?と報じられており、今後の動向が気になるところです。
深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/O-film Tech)とジャパンディスプレイ(JDI)
12月13日付NHKおよび12月14日付日経朝刊によりますと、ジャパンディスプレイが中国企業数社と有機ELパネル事業で提携する方針と伝えられています。
そのジャパンディスプレイJDIの提携相手のひとつとして挙げられているのが、深セン欧菲光科技(オーフィルム/O-film Tech)です。
タッチパネル技術に強みをもつ深セン欧菲光科技(オーフィルム/O-film Tech)と有機ELパネル事業を伸ばしたいジャパンディスプレイJDIとはお互いに補完しあう部分が多くあり、最適な提携先と個人的には思いますが、中国企業への技術移転に対してアレルギー反応を持つ人々も多く、今後の方向性についてはさまざまな曲折がありそうです。
深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/O-film Tech)の業績
ここからは深セン欧菲光科技(オーフィルムテック/O-film Tech)の業績について会社説明資料、決算資料などをもとにみていきます。
(この記事は2018年12月14日に書きました)
深セン欧菲光科技(オーフィルム/O-film Tech)2018年Q3決算の業績
売上高:128億9000万元(前年同期比38.1%増)
純利益:6億3300万元(同57.5%増)
1~9月累計
売上高:311億4600万元(前年同期比27.4%増)
純利益:13億7600万元(同34.7%増)
EPS:0.5133元(前年同期は0.3764元)
となっています。
非常に高い伸びを示していますが、内訳がよくわかりません。
また、利益率はあまり高くなさそうです。
深セン欧菲光科技(オーフィルム/O-film Tech)の株価
深セン欧菲光科技(オーフィルム/O-film Tech) 日足株価
深セン欧菲光科技(オーフィルム/O-film Tech)の株価はここもと大きく下落してきています。
世界の株価が調整色を強めたのは2018年に入ってすぐあたりからですが、深セン欧菲光科技(オーフィルム/O-film Tech)の株価は先んじて11月あたりから下げ始めていました。
深セン欧菲光科技(オーフィルム/O-film Tech) 週足株価
こちらは週足でみたものですが、いかがでしょうか。
米中貿易戦争の行方を嫌気して中国株が売られる動き、そしてiPhoneの不調、ファーウェイへの制裁強化、スマホ販売の不振などを受けて電子デバイス株を売る動きが加速しており、深セン欧菲光科技(オーフィルム/O-film Tech)の株価もここもと大きく下落してきました。
深セン欧菲光科技(オーフィルム/O-film Tech)は過去のトレンドラインの延長線上付近まで下落してきています。
深セン欧菲光科技(オーフィルム/O-film Tech)のバリュエーション評価
なにぶんシクリカルセクターですからバリュエーション面での評価は難しいところですが、過去の5~6年の業績トレンドがこのまま続くとして仮定するなら、2019年通期でPER10倍、21年でPER7倍程度となります。
これはさすがに売られ過ぎの水準と個人的にはみています。
何かのきっかけでアメリカ株が暴落するときがあれば、ここらへんの中国株も一緒に売られるでしょうが、そのときは魅力的な買い場になるのではないか、と眺めています。
もちろん、今後の貿易戦争の動向にはいろいろと注意すべきところもあります。
また、トレンドが下向きな状況で買いで入る必要はないと思います。
しかし、チェックリストには入れておいていいように思います。
以上です。
なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資は自己責任で行うようお願いいたします。