【統計】フランスの2018年12月総合PMI速報値が49.3~『黄色いベスト運動』が影響というが・・・
フランスの2018年12月総合PMI速報値が50を割り込む~『黄色いベスト運動』の影響と指摘されているが・・・
フランスの2018年12月総合PMI速報値が49.3と50を割り込みました。
水準としては14年11月以来の低水準。
France PMI composite dropped to 49.3, 30-month low, first contraction …
この背景として、フランスで引き続き行われている「黄色いベスト運動」による破壊活動があると指摘されています。
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『黄色いベスト』による反マクロン抗議デモ~燃料税よりも労働法改革が問題~
コンポジットPMI低下は本当に『黄色いベスト運動』のせいか?
もちろん、『黄色いベスト運動』の影響がないとは言いません。
しかし、こればかりに原因を求めるのはちょっと無理があるのではないか、と思います。
この月は、フランスだけでなくドイツも総合PMIが52.2と前月52.3から低下。
ユーロ圏総合PMIも前月確報値52.7から51.4に低下しています。
なにもフランスだけが悪化しているわけではありません。
『黄色いベスト運動』があまり影響しないはずの製造業PMIも50を割り込む
フランスはテロまがいの抗議運動が起きているようですから、観光業には影響あるでしょう。
サービス部門PMIが50を割り込むのは理解ができます。
しかし、製造業PMIまで50を割り込むのは解せません。
別の要因が起きているとみるのが妥当です。
ひとつにはPMIのうち製造業新規受注、サービス業新規事業が落ちているとされています。(具体的な数字は登録しないと見られないので細かいことが言えませんが・・・)
とりあえず、自動車産業などが相変わらず不調な可能性があります。
WLTP前の駆け込みで数か月先のぶんまで喰ってしまっている可能性があり、夏場の景気の良さがちょっとブーストされ過ぎていた可能性があります。
フランスの総合PMIは夏場に55近辺を保っていましたが、じつは駆け込みがなければ51~53程度が妥当だったのではないか?という気がしています。
PMIの推移からすると、かなり深堀するようにみえます。
欧州には要注意と多くの人が見てきたと思いますが、その多くは政治的な要因だったと思います。
ここにきて、政治だけでなく実際のファンダメンタルズの悪化も目立ってきています。
用心が必要です。
以上。