【J&J】ジョンソン・エンド・ジョンソン『ベビーパウダーのアスベスト混入』を意図的に隠ぺいか?

【J&J】ジョンソン・エンド・ジョンソン『ベビーパウダーのアスベスト混入』を意図的に隠ぺいか?

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)がベビーパウダーにアスベスト混入していた事実を知りながら隠ぺいか?

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)がベビーパウダーにアスベストが混入していたことを知りながら、意図的に隠ぺいしてきた可能性が浮上しています。

この疑惑は、14日付でロイターが報じたもの。

Johnson & Johnson knew for decades that asbestos lurked in its Baby Powder A REUTERS INVESTIGATION

いやはや、これは大スクープです。


 

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のベビーパウダーとは?

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のベビーパウダーは、おもに汗疹(あせも)やただれの悪化防止のために利用される粉です。

とくに女性や乳幼児に使われることが多く、世界中幅広く販売されています。

 

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のベビーパウダーの原料~タルク(滑石)

ベビーパウダーの原料はタルク(滑石)とコーンスターチなどのデンプンです。

タルク(滑石)は珪酸塩鉱物の一種で、水酸化マグネシウムとケイ酸塩が成分です。

タルク(滑石)は蛇紋岩の熱水変質によって作られますが、この時、熱水変質の温度と時間によっては変質が十分に進まず蛇紋岩が残る場合もあります。

ちなみに、蛇紋岩こそがアスベストの原料で、かつては蛇紋岩からクリソタイル(白石綿)をとりだしてきました。(日本にも富良野に野沢鉱山という有名な蛇紋岩鉱山があります。)

つまり、タルク(滑石)のなかには蛇紋岩の成分が少なからず残る可能性があり、タルクを利用したベビーパウダーにも蛇紋岩の成分が残る可能性があり、つまりアスベストはベビーパウダーの中に入っていてもおかしくない・・・という疑いが以前からずっと付きまとってきました。

しかし、関係するメーカーはこの噂を否定。

自社の製品はちゃんと管理しているから大丈夫、と主張してきました。

 

韓国ボリョンメディアンズやベビラなどが作ったベビーパウダーからアスベスト(石綿)が検出

しかし現実には生産管理はなかなか難しい問題があるらしく、以前からベビーパウダーにアスベストが混入してきたという問題は取りざたされてきました。

2009年4月3日には、中央日報が大手乳幼児用品メーカーであるボリョンメディアンズやベビラのベビーパウダーからアスベストが検出されたと報道。

これで一気にベビーパウダーの危険性に関する認識が、韓国内で共有されることになりました。

 

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のベビーパウダーを女性器に利用してきた女性ディーン・バーグさんに卵巣がんが発生

話をジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のベビーパウダーに戻します。

30年に渡りジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のベビーパウダーを女性器に塗ってきたディーン・バーグさんが卵巣がんになったとして、同社を訴える裁判がありました。

結果は原告側勝訴。

ジョンソン・エンド・ジョンソンのベビーパウダーの粒子が卵巣と子宮頸部の腫瘍から見つかり、関係性は高いと判断され、ミズーリ州巡回裁判所の陪審は7200万ドルの損害賠償を支払うように命じました。

この裁判のなかでジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、自社のベビーパウダーにアスベストは含まれていない。

タルクはしっかりしたところから調達していて、万に一つもアスベストが混入する可能性はない、と主張してきました。

 

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は70年代からベビーパウダーにアスベストが混入するリスクを認識か?

しかし、ロイターがこのたび膨大な資料や取引先などへの調査から発見したことは、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のこの主張を否定するものだったとのこと。

70年代から2000年代にかけてジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は自社のベビーパウダーにアスベストが混入するリスクを知りながら、それを明示することなく販売し、裁判でもリスクを過少に見積もって主張してきたことが判明したとロイターは伝えています。

 

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が、もしベビーパウダーにアスベストが含まれていたことを知っていたなら・・・

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が自社のベビーパウダーにアスベストが混入するリスクを知っていたのなら、偽証に問われかねませんし、それこそ懲罰的な罰金を科される可能性もあります。

また、正直な企業としてESG投信に好まれてきたジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)ですが、その評価も間違っていたことになり、市場での評価も変化することになります。

実際、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の株価は14日に10%をこす急落を示しています。

 

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)はベビーパウダーへのアスベスト混入を否定

今回も、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)はベビーパウダーへのアスベスト混入の可能性を全否定しています。

しかし、これは非常に難しい主張に思われます。

100%ない、を証明することは生産過程からして困難だからです。

いくらどんなに頑張っても、アスベストゼロは無理でしょう。

なんらかの生産ミスで混入する可能性はありえます。

 

とりあえず、今回の件は確率的にどの程度までを許容できるか、という問題を突き付けているように思います。

消費者からしたらゼロを要求、メーカーからは大目にみてよと要求

落としどころとしては、アスベストの混入の可能性を明示するくらいでしょうか。

もちろん、そんなことをしたら売れなくなりそうですが・・・・。

 

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のベビーパウダーだけでなく、化粧品にも幅広くタルクは使用されてきた

今回、アスベストの混入が疑われているタルクですが、タルク自体は幅広い場面で使われてきました。

たとえば学校のチョークもそうですし、ファンデーションの成分にも含まれています。

最近はタルクフリーを謳う商品もありますが、以前のファンデーションはタルクを利用していたものが多かったです。

そういったところにも注意が必要ということになります。

 

 

 

とりあえず、今回の件は幅広く影響しそうです。

他社への影響も含め、注意が必要と思われます。

以上です。