スマートキーの微弱電波を利用した「リレーアタック」による盗難が多発の兆し~自動車メーカーは事態を把握し報告すべき事案では?~

スマートキーの微弱電波を利用した「リレーアタック」による盗難が多発の兆し

 

 

リレーアタックによる車両窃盗が増加の兆し

新年早々物騒な話ではありますが、自動車のスマートキーが発する微弱電波を拾って増幅し転送、ターゲットとなる自動車を盗む手口、いわゆる「リレーアタック」が流行の兆しをみせているそうです。

 

https://youtu.be/VZcIVjCxei0

 

 

リレーアタックによる車両窃盗とは?

リレーアタックによる車両窃盗は、スマートキーの発する微弱電波を増幅して盗難に利用するものです。

各社の最新モデルであれば軽自動車にも搭載されているスマートキー・・・ドアに触れればすぐに開錠され、エンジンもかけられる非常に便利な装置ですが、これが悪用されるのがリレーアタックです。

本来、スマートキーは、スマートキーを持つ人の周囲70㎝程度までしか電波を発しないとされています。

その範囲に自動車がなければドアも開かないしエンジンもかからないとされています。

ところが、この電波をどうにかして傍受し、増幅して転送し、ターゲットのクルマを盗み出す手段が利用され始めているというのです。

 

 

リレーアタックの手口

このリレーアタックによる窃盗は主に二人で行われ、片一方がスマートキーを持つ人に近づき、電波を傍受し、電波を増幅し、転送。

もう片方の人物が、この電波を受信し、ターゲットの自動車のエンジンをかけ運び去る、、、というやり口だそうです。

このあたりは、動画を見ていただければ簡単にわかると思います。

 

 

リレーアタックで窃盗された車はどうなる?

リレーアタックで窃盗された車は、もちろん一度エンジンを止めてしまえば動きません。

ですから、そのままでは全く中古車として売ることはできません。

しかし、パーツをとることならできます。

分解して、パーツにして、海外に輸出して、補修部品として利用する・・・それが一般的な盗難組織のルートだそうです。

 

 

 

中国ではリレーアタック向け窃盗用装置が20ドル!?

自動車評論家の国沢光宏氏が2017年5月21日に書いた記事によると、中国ではリレーアタック用の窃盗用装置が20ドルで手に入るようになってきたのだとか。

そのころから日本でもちょろちょろとリレーアタックによる窃盗被害の可能性を示唆する事件はあったものの、確実にリレーアタックによる窃盗とは言い切れず闇のなかへ。

しかし、最近になってこういったリレーアタックを利用したと思われる事案が増えてきているとのこと。

 

 

とうとう家の中にあるスマートキーの電波まで増幅されてリレーアタックで盗まれる時代に?

これまた国沢光宏氏の2018年12月28日の記事によると、今度は家の中においておいたスマートキーの電波を利用されて、リレーアタックを利用してレクサスが盗まれる事案が発生したとのこと。

犯人は大きなアンテナを抱えていたとみられ、微弱な電波を集めて開錠していた可能性が高いということです。

このとき、スマートキーはオーナーの自宅の窓辺から1m以上離れていたとされ、本来ならば電波を外部から傍受されるはずがない・・・それなのにリレーアタックで盗難されてしまったとのことです。

 

もはや、ここまでされると自宅の庭先に駐車したクルマはすべて盗まれる可能性が高いということになります。

ほんと最悪な事態だと思うのですが、ここでふと疑問があります。

 

 

 

はたしてメーカーはリレーアタックによる被害を把握していたか?

ここで疑問なのは、果たしてメーカーはリレーアタックによる盗難被害が発生していること、または盗難被害が発生するリスクを把握していたかどうかという点です。

もし把握して売っていたのなら、消費者の利益を害する可能性を認識していたということになります。

消費者への販売時にリスクの開示をしていないのであれば情報の非対称性からして問題ですし、消費者保護のルールに反することになります。

 

 

メーカーはリレーアタックによる被害を把握していた可能性

どうやら、メーカーはリレーアタックによる被害の発生を把握、もしくは発生の可能性を把握していたような節があります。

それというのも、最新機種にはリレーアタックをされないように、不必要なときには電波を発しないモードを搭載しているスマートキーが増えているからです。

なお、メーカーはこれをリレーアタック防止とは謳っていません。

あくまでも節電モードという扱いです。

そりゃそうです、リレーアタック防止といったならば、それ以前に開発したモデルへの対応をしなくちゃいけなくなりますから。

そういうリーガルリスクを理解しながら、リレーアタック防止を盛り込んだスマートキーを「節電モード搭載スマートキー」と言い張るメーカー・・・

はっきりいって、往生際が悪いのではないでしょうか。

 

 

各メーカーにおけるリレーアタック窃盗への対応方針は、日本では通用するが、はたして欧米では通用するのか?

個人的に、こういった各メーカーにおけるリレーアタックに関する往生際の悪い言い訳ですが、果たして日本以外の欧米諸国などで認められるかどうか疑問です。

日本は産業界保護のためにナァナァで終わらせられそうな気もしますが、欧州などでは厳しい対応がとられる可能性があるのではないか、と感じます。

 

 

 

リレーアタック窃盗を防止するには?

とりあえず、各メーカーが対処するまでの間は、ユーザーがリレーアタック対応をとらねばなりません。

とりあえず微弱電波を遮るには、ブリキ缶などのなかにいれる、電波遮断ポーチなどの中に入れる、などの方法があるそうです。


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こちらの商品は1000円以下。

無骨なデザインですが、スマートキーを利用しているオーナーさんであればとりあえず利用してみる価値はあるのではないか、と思います。

 

とりあえず、各社が対応するまでは、利用しているユーザーが対応していくしかありません。

非常に面倒な話ですが、しかたないですね。。。

以上になります。