相場サイクルの話~金融相場、業績相場、逆金融相場、逆業績相場
質問箱に以下のような質問がありました。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1079716160101208064
「相場サイクルから言ったら、今は金融相場、業績相場、逆金融相場、逆業績相場のどれにあたりますか?」
という質問です。
いつも質問箱のご利用ありがとうございます。
答えとしては、逆金融相場⇒逆業績相場の途中といったところでしょう。
もちろん、ここら辺は人によって読み解き方が違いますので正確な答えはありませんが、少なくとも金融相場や業績相場でないことは確かです。
とりあえず、今回はこの相場サイクルについて書いていきます。
相場サイクルとは?
相場には4つの相場があり、それが順々にサイクルしている・・・という見方があります。
4つの相場はそれぞれ、
金融相場⇒業績相場⇒逆金融相場⇒逆業績相場
となります。
そして、逆業績相場の次はまた金融相場に戻る・・・といったサイクルです。
そんな上手くサイクルしているのか?
と思った人も多いと思うのですが、実際、こう回っています。
現代にいたるまで、少なくとも自分が知る限りにおいては、このサイクルを回っています。
なぜ相場サイクルが生まれる?
なぜ相場サイクルが生まれるか?それは単純に
「金融政策がそういう風に定義づけられているから」
だと自分は思っています。
景気が悪ければ金融緩和して景気をよくしよう・・・そういう政策がとられるのが普通です。
つまり、「逆業績相場⇒金融相場」への移行です。
そして、金融緩和すればほぼ確実に景気はよくなりますから
(ここらへんは経済学の学派によっては違う主張をしていますが)
「金融緩和⇒業績相場」に移行します。
業績が良くなり過ぎれば金融引き締めしてブレーキをかけようと当局は動きますから
「業績相場⇒逆金融相場」になり
逆金融相場になれば、カネまわりが悪くなってほぼ業績は悪化しはじめますから
「逆金融相場⇒逆業績相場」になる・・・
そしてまた相場サイクルの最初に戻る・・・という感じです。
相場サイクルの各フェーズの期間
次に、この相場サイクルの各フェーズがどれくらいの期間ずつ続くのかについて話します。
ぶっちゃけていうと、どのからどこまでが金融相場で、どこからどこまでが業績相場で、どこからどこまでが逆金融相場で、どこからどこまでが逆業績相場なのか、、、なんてものを推し量ることはできません。
なので正確な各期間の長さを図ることもできません。
相場サイクルでは逆金融相場と逆業績相場は短め?
しかし、基本的には金融相場と業績相場はやや長めに推移し、逆金融相場と逆業績相場は短めに推移する・・・と個人的にはみています。
これは、市況全体がのぼる時はゆっくり、落ちる時は急に、という感じで動きがちなことと関係しているように思います。
ショックがおきたあと、すぐに金融緩和に動きたがるのが金融当局です。
なので、逆業績相場が顕著になると、金融相場に移行するまでには時間がかからない、と個人的にはみています。
ただし、これはその時、その時の状況によってかわります。
相場サイクルにおいて、金融相場への移行が遅れる場合はどんなとき?
相場サイクルにおいて、逆業績相場がきたあとは金融相場はまず必ずくるわけですが、しかしすぐに来ない場合もあります。
それはどういった場合か?
簡単に言ってしまうと、どこかにインフレの芽がある場合です。
金融政策を緩和したくても、いま緩和してしまうとインフレ傾向を強めてしまう・・・といった場合には、金融緩和が遅れます。
つまり、金融相場が遅れて株価上昇も起きにくくなります。
そして、インフレの芽を判断するのには、インフレそのものの推移もさることながら、労働需給の問題も重要なファクターになります。
ですから、失業率や労働参加率、失業保険申請件数なんかの統計が重要な意味を持つわけです。
2018年12月末現在、相場サイクルのどの位置にあるか?
で、この記事を書いている現在、2018年12月末ですが、相場サイクルのどの位置にいるか?
個人的には逆金融相場から逆業績相場への過渡期、もしくは逆業績相場入りしたあたりかなとみています。
米国の金融政策はすでに引き締めに入っています。
欧州は緩和をやめました。
日銀は緩和しています。
総計すると、世界の資金供給の三大拠点トータルでやや引き締め姿勢に入っています。
で、業績が悪化し始める企業が出始めました。
主にハイテク分野や設備投資分野、エネルギー各社から業績が悪化し始めていますが、先日の貨物輸送大手フェデックスなどの業績予想などからみても、運輸などの景気敏感セクターにも波及しはじめています。
逆業績相場と言えると思います。
相場サイクル理論から見た2019年の投資スタンス
相場サイクルから見た場合、2019年は金融相場への移行を考えるべきときです。
だいたい市場は一年先をみながら動きますので、2020年のFRBの利上げ停止、利下げがあるかどうかを眺めながらの一年になります。
Odds of a rate cut in Jan 2020 are now 30.3%, odds of a rate hike 6.5% https://t.co/F1JcUdiuD7 pic.twitter.com/pZ3TJkBabX
— zerohedge (@zerohedge) December 30, 2018
労働市場はひっ迫感を示していますから、よほど市況が荒れない限りは2019年中の利下げはないと市場はみています。
個人的には2019年中もありえないとは言い切れないと思いますが、まぁとにかく、2019年はどれだけ安く仕込めるかの勝負の年じゃないかとみています。
少なくとも、今の労働需給、賃金、インフレ率がこの程度なら、相場サイクルは健在とみていいはずです。
安心して、逆業績相場を利用すればいい、と思います。
以上です。