ユナイテッドアローズのZOZOへの外部委託解除について~撤退はZOZOARIGATOのせいではない

ユナイテッドアローズのZOZOへの外部委託解除について~撤退はZOZOARIGATOのせいではない

 

今更ですが、ユナイテッドアローズのZOZOへの外部委託解除についてみていきます

先日、大手アパレル企業のユナイテッドアローズが、ゾゾタウンの運営するEC向けサービス『ZOZO』との提携を解除する、との発表がありました。

ユナイテッドアローズは今後、千葉県流山に作った自社物流倉庫を利用したECサイトの構築に向けて舵をきることになります。

なお、これは今になって決定されたことではなくて、実はずっと以前から計画されてきたことです。(昨年5月にはわかっていました。)

ちょうどタイミング的に、オンワードやライトオンなどがゾゾタウンから撤退しているときにブチあたったため、

「ゾゾタウンはZOZOARIGATOのせいでユナイテッドアローズにも切られた!」

と騒ぎになりましたが、実際にはZOZOARIGATOは何の関係もありません。

昨年5月の時点、もっというと流山の物流センターの計画をユナイテッドアローズ側が計画した時点で、ZOZOへのECサイト委託は変更されることが決まっていました。

 

 

ユナイテッドアローズが撤退したのはZOZOTOWNではなくZOZO

また、今回ユナイテッドアローズが撤退したのは、ゾゾタウンの運営するアパレルショッピングサイトZOZOTOWNではなく、あくまでもアパレル向け自社EC構築を手伝うZOZOです。

ユナイテッドアローズは先日の決算発表のなかでも、外部ECサイト(ZOZOTOWNなど)を新規顧客の集客の場として利用していく方針を示しており、今後も当分は利用し続けるものと思われます。

(ゆくゆくは自社内のみにしたいでしょうが)

 

 

ユナイテッドアローズがZOZOと契約解除した理由~ZOZOARIGATOのせいではない

今回、ユナイテッドアローズはなぜZOZOと契約解除したのでしょうか。

これについては、「商業界」の「小島健輔の視点 ユナイテッドアローズのZOZO離れに何を見る」がうまく書いてくれていますので参考にしますと、

大手セレクトショップで比較した場合、

ベイクルーズグループのEC売上は335億円、EC化率は28.2%

アダストリアが333億円

ワールド308億円

TSI289億円

ユナイテッドアローズはTSIに次ぐ5位だが、自社EC構築をしていない

ビームスはEC売上160億円、EC化率20.1%で、店舗運営との絡みでいくとユナイテッドアローズよりも上手くいっているとのこと。

このあたりの実際はよくわからないのですが、とりあえず、今までユナイテッドアローズはゾゾタウンのEC構築サービスに頼り切ってきたため、自社開発のECが育っておらず、これが今後の成長のネックになっていた、という解説です。

自分も、この点にまったく同感です。

なお、商業界の記事によると、売上300億円を超えなければユナイテッドアローズはZOZOに委託し続けた方が得なはず、と書いています。

個人的にこのあたりの損益分岐点がどこら辺にあるかはわかりませんが、とりあえず、300億円までならさほど時間はかからないでしょう。

今の伸び方なら、遅くとも5年後くらいにはEC売上300億円を突破できるはず。

とりあえず、ユナイテッドアローズが自社開発EC化に乗り出すというのは、上記のような事情があると思われます。

決して、ゾゾタウンがZOZOARIGATOを始めたからではない、ということは踏まえておく必要があると思います。

以上。