インドの格安ホテルチェーン『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』

インドの格安ホテルチェーン『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』

 

今回はインドの格安ホテルチェーン『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』について書いていきます。

とりあえず、まずは『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』の事業内容の説明から始めます。


『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』の事業内容

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』はインドを中心に世界各地で格安ホテルチェーンを展開している企業です。

また、同時にそれらホテルチェーンのオンライン予約システムも運営しており、この辺りは日本で言えばスーパーホテルなどを想定するとわかりやすいと思います。

 

 

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』のビジネスモデル

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』のビジネスモデルの斬新な点としては、ホテルの所有にはこだわっていないところです。

同社は『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』のブランドライセンスを既存のホテル事業者に与えると同時に、約30あると言われるチェックリストを守るように指導。

この30のチェックリストのなかには、無料の朝食、無料のWi-Fi、エアコン、テレビ、清掃、アメニティ、ベッドの品質などが含まれており、それらの基準をクリアできた場合にのみ『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』のブランドを与え、オンライン予約システムで紹介するようにしているとのことです。

こうすることで、『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』の加盟ホテルであれば安心して旅行ができる、という顧客へのアピールができ、その信頼こそが、『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』のビジネスの価値の源泉となっています。

 

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』は内装・サービスなどを総合的に指導・監督

また、『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』は内装、サービスの品質向上に向けて同社独自の指導も行っており、基準は常にコストとの兼ね合いを考えながら、全体的に向上させていっているようです。

また、『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』への加盟後は、各ホテルは指導員によるチェックを定期的に受け入れる必要があり、サービスの質、部屋の質などを常に保つように義務付けられているとのことです。

こうすることで顧客の安心感に繋がり、爆発的な支持の拡大に繋がったということです。

 

 

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』の創業者Ritesh Agarwalがビジネスを始めた理由

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』の創業者はRitesh Agarwalという人物。

Ritesh Agarwalは18歳のとき、2012年にホテル予約サイトOravel Staysという会社を立ち上げたのち、自分でもホテルを回ってみようと、インド国内を中心に、3カ月で100軒のホテルを体験したのだそうです。

その結果、あまりにも低い品質のサービス、汚い水回り、よごれたベッドリネンなどが快適な旅の妨げになっていると考え、2013年に『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』を始めたとのこと。

それまで快適な旅を提供するためには、簡便な方法で宿を検索できることが重要だと思っていたところ、実際にはそれよりもホテルの品質の向上が大切だと気付いた、といったかんじのようです。

18歳でこの行動力と着眼力、素晴らしいですね。

 

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』の創業者Ritesh Agarwalはピーター・ティールの「ティール・フェローシップ」の学生

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』の創業者Ritesh Agarwalは、ペイパルの創業者として著名なピーター・ティールの事業支援プログラム、「ティール・フェローシップ」の支援対象だったそうです。

このティール・フェローシップに参加すると、まず事業に必要な10万ドルどの資金が手に入り、さらにピーター・ティールの人脈を利用して世界中の投資ファンドなどとの関係を深めたり、事業のアドバイスを受けたりできるのだとか。

ただし、このティール・フェローシップに参加するには大学を退学する必要があるとのことで、このあたりの影響で、Ritesh Agarwal氏は大学をやめたのかもしれません。

 

 

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』はセコイア・キャピタルやソフトバンク・ビジョン・ファンドなどから多額の出資を受ける

なお、『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』には世界中の早々たるベンチャーファンド勢が投資を行っています。

まずはライトスピード・ベンチャーズが2014年5月に出資(シリーズ・シード段階)

その後、2015年2月には、グリーンオークスキャピタル、セコイアキャピタル、ライトスピード・ベンチャーズ、DSGコンシューマーパートナーズが2400万ドル共同出資(シリーズA)

さらには同年7月、ソフトバンク・ビジョン・ファンドと既存投資家が1億ドルを出資。(シリーズB)

2016年8月 ソフトバンク・ビジョン・ファンドなど既存投資家から9000万ドルの調達(シリーズCラウンド)

2017年9月 既存投資家とヒーロー・エンタープライズから2億5000万ドル調達(シリーズDラウンド)

現在はソフトバンク・ビジョン・ファンドが最大の出資者になっています。

 

 

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』が短期間滞在型サービスOYO Homeを開始

なお、2017年からはエアビー&ビーのような短期滞在型サービスOYOホームズも開始しています。

民泊の長期版のようなサービスですが、これも『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』で培った経験を生かして、共通化したチェックリストを基にしたサービスを展開していくようです。

なお、これを日本でも提供していくかも、という報道が最近ありました。

 

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』が日本進出~ヤフーと組んで賃貸仲介

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』はいよいよ日本に進出するそうです。

まずはソフトバンク系の検索ポータルであるヤフーと組んで、不動産賃貸業に参入するとのことです。(日経新聞2019年2月18日電子版)

スマホで入居から退去まですべての手続きが完了するとのことで、敷金や礼金なども必要ないとのこと。

東京都内で5000室を提供していきたいとのことです。

このための投資ユニットとして、オヨテクノロジー&ホスピタリティージャパンという企業を日本に作ったとのことで、『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』のお手並み拝見といったところでしょうか。

 

 

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』は日本に根付くか?

今回は日本進出が決まった『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』についてみてきました。

近年、日本には中国発などアジア発の企業の上陸も相次いでいますが、その多くが根付かずに撤退をしてしまっています。

『OYO Rooms(オヨ・ルームズ)』がうまく日本の風土に根付いてくれるかどうか、楽しみですね。

以上です。