【為替】大統領選を意識して金利低下&ドル安路線を強調するトランプ大統領
トランプ大統領が「米ドルは強すぎる」とFRB議長を批判
トランプ大統領が「米ドルが強すぎる」とFRBの金融政策を批判しています。
しかし、米ドルインデックスをみるかぎり、ここもと大きく米ドルが上昇したというわけでもありません。
以下は全通貨に対して米ドルが安くなっているか、高くなっているかをみるための米ドルインデックスです。
上にいったらドル高、下にいったらドル安とみてください。
ごらんのとおり、べつに米ドルが高くなっている、というわけでもありません。
2015年あたりから大して変わってません。
トランプ大統領はこの状況でもドル安を志向しています。
その理由は主にふたつと考えられます。
トランプ大統領の頭の中には「金利が高くなっているからドル高になっている」という意識がある
ひとつの可能性としては、トランプ大統領の頭のなかに
「ドル高の理由は金利高が主要因」
という意識があるものと思われます。
いかにも教科書的なマーケットの見方ですが、トランプ大統領は基本的なすなおな見方をする人です。
つまり、トランプ大統領は為替政策ではなく、金利政策を批判しているということ。
「FRBは利上げするなよ。」
と暗に釘をさしたのが今回の発言の意図なんじゃないか、と思っています。
それを直にいうと金融政策への介入だと言われるから、とりま為替をダシに使ってみた、ということじゃないかと思います。
もう一つの理由は、タイトルにも書いた通り
大統領選再選を意識してドル安で製造業を盛り上げたい
という意識です。
物価上昇圧力が強くない状況ですから、ちょっとくらいドル安にしても大丈夫、と踏んでいる可能性が高いです。
これは、日本に対する貿易交渉でも確実に触れられるはずです。
為替条項の導入は日本側は頑なに拒もうとしていますが、現状において為替は一国での介入をするものでない以上、為替条項を呑もうが呑むまいが関係ありません。
⇒物品貿易協定(TAG)における対日要求項目22分野を議会通知~為替条項、金融、通信分野も含まれるなど実質的にはFTA~
とりあえず、アメリカの政策の方向性は、大統領選に向けてドル安志向でしょう。
日本の輸出産業は、とくに自動車産業などは、いろいろと身構えておいた方が良いと思います。
逆に、債務の多い新興国にとっては、ドル安傾向はさほど悪いことではありません。
そこらへんを踏まえながら、ウェイトを切り替えていったらいいと思います。
以上。