【統計】世界半導体市場統計(WSTS)についての個人的解説~2018年秋季

【統計】世界半導体市場統計(WSTS)についての個人的解説~2018年秋季

 

 

世界半導体市場統計(WSTS)の2018年秋季市場予測データに修正が入りました。

詳しいデータはこちら

WSTS News Release February 2019 ( PDF | 53,41 kB )

とりあえず、かなり大幅に減少しているのがわかります。

このデータだけでは前期比のデータ変動が見えにくいので、

個人的にアップデート前のデータ(2018年11月13日)と

アップデート後のデータ(2019年2月20日)の変化を計算してみました。




 

 

地域別のWSTSデータ差異は以下のようになっています。

(なお原データはWSTSのものを利用しています。)

 

WSTS秋季アップデート前後変化率比較表 地域別

2018 2019
Americas -3.2 -7.2
Europe -1.1 -2.2
Japan -0.4 -1.5
Asia Pacific -2.3 -6.1
Total World -2.2 -5.6

 

こうやってみると、アメリカの落ち込みが非常に大きいことがわかります。

米中貿易戦争の当事者である中国が属すアジアパシフィックよりも、

米国の方が大きくやられているようにみえます。

 

 

つぎに、製品別にもみていきましょう。

 

 

WSTS秋季アップデート前後変化率比較表 製品別

2018 2019
Discrete Semiconductors -0.4 -1.1
Optoelectronics -2 -5.3
Sensors -0.4 -1
Integrated Circuits -2.4 -6.1
Analog 0 0.1
Micro -1.2 -1.1
Logic -0.4 -1.2
Memory -5.8 -13.9
Total -2.2 -5.6

 

2018年秋からこの三カ月間で、予測にここまで大きな差が出るのはなかかな珍しいです。

かなりの大混乱があったものと思われます。

製品別にみればわかりますが、メモリが大幅に落ち込んでいます。

というか、メモリだけでほぼ説明がつくような悪化度合いです。

CMOSなどのオプトエレクトロニクスも落ち込みが大きいのがわかります。

いっぽうで、アナログ半導体の分野は落ち込みがほとんどなかったことがわかります。

見通しに関しても引き下げほぼ横ばいを予想しています。

 

 

WSTSデータの変化率は引き下げだが、原数字はプラス成長予測が多い

なお、ここでさきほどの原データをみていただくとわかりますが、2019年にマイナス成長を予測しているのは、メモリ分野だけです。

ほかはディスクリート、オプトエレ、センサー、アナログ半導体、マイクロ、ロジックすべてプラス成長との予測です。

一部にはWSTSデータの下方修正を嫌気して下落している銘柄などもありますが、ちょっと早とちりしすぎじゃないか、と感じる銘柄もあったりします。

そういうところは、拾っていくと良いと思います。

以上です。